あまり詳しくないので、細かい突っ込みはご勘弁ください。
1:1バランの構造と1:4バランの構造を簡単に表現してみました。
まず比率を決めるのが同軸側とエレメント側のコイルの巻数比の二乗ということ。
1:1なら同数、1:4なら巻数は1:2ということです。
この部分はトランスと同じことです。
平衡不平衡変換はどうしているかというと、平衡とは0Vがど真ん中にある状態で不平衡は0Vが端っこにある状態です。どっちも同じ振幅幅なのですが・・・波の位置が0Vポイントから見ると違います。
同軸の0Vの位置を、アンテナの0Vの位置に合わせるのがこのバランのやっていることです。
では最初に1:1バランを見てみましょう。
青が平衡タイプのアンテナのエレメント(ダイポールだと思ってください)。こいつにコイルを付けます。
紫は給電線からのもの。こいつにもコイルを付けます。
同じ巻数のコイルが必要です。
同時に平衡不平衡を直したい。それには同軸の網線つまり0Vポイントを、エレメントのコイルのど真ん中につなぐのです。
ただし1:1だからコイルの量はそれぞれ同じ巻数に。
それを実現するには~~~、そう!!ずらしてつなげれば良いのです。
はい、1/3シフトしたつなぎ方をすればうまくいきますね。コイルの量はどちらも全体の2/3ずつ。だから1:1。
これを3本の撚線を使ってグリグリ巻いて、こことここをここにつないで~、みたいにやるとこの回路図の通りのバランが出来上がります。
外見はだいぶ違いますが・・・この辺りは工学というよりパズルです。
もちろん一本の芯にコイルをこのように巻いて接続しても動作するはずです。
次に1:4バランです。
これも基本は同じですが、エレメント側が比率で4にしたいので、巻数比は1:2ということになります。
エレメント側に2に相当するコイルをつなぎます。
給電側は1に相当するコイルをつなぐのですが、どのあたりにつなぐといいでしょうか。
そう、同軸の網線がエレメントのど真ん中に来るようにすればいい。コイルのど真ん中に同軸の網線がくればいいんです。
これを2本縒りの電線でこことここをこうつないで~とやると1:4バランの完成となるわけです。
こちらのほうがパズルは簡単ですね。2本縒りでジャストサイズに出来ちゃいます。
では4:9バランは?9:25バランは?どうしても同軸の網線をエレメント側のコイルのど真ん中につなぐと芯線の位置が半端な位置になってしまい複数の撚線を使ったバランのパズルは解けません。
一旦1:1や1:4バランで平衡不平衡を変換し、別途トランスで比率を変換するという2段構えでいくか、撚り線コイルの途中からタップを出して比率を合わせることになります。
1:1、1:4の自作例は山ほどありますが、その他の比率が無いのは簡単ではないからなんですね。