ひまわり先生のちいさな玉手箱

著書「ひまわり先生の幸せの貯金箱〜子どもたち生まれてきてくれてありがとう」

心の広い人になりたい

2014年07月10日 | こころの子育て
台風は、大丈夫ですか?
福岡市は、台風の進路から逸れていて、10日午前、雨風もなしです。近くのひまわりも綺麗に咲いています。子どもの頃は、台風の臨時休校が嬉しいかったなあ~!明日のカウンセラー講座は、昼の部、夜の部とも予定通り開催しますよ。

さて、毎日、人と面談し、悩みを聴いたり、
子育てやカウンセラーを育成する仕事をしていて、
私も色んなことにイチイチ動じない
心の広い人になりたいと
つくづく思います。

マズローの欲求階層説って聴いたことありますか?

人間の欲求は5段階のピラミッドのように構成されていて、
低階層の欲求が充たされると、より高次の階層の欲求を欲するというもの。

この説には、批判があり、
1970年にマズローが亡くなった今では、
低次が満たされなくても、高次も満たされることがあると言われています。


①第一階層の「生理的欲求」は、生きていくための基本的・本能的な欲求(食べたい、寝たいなど)

②「安全欲求」には、安全・安心な暮らしがしたい(雨風をしのぐ家・健康など)という欲求が含まれます。

③「社会的欲求」(集団に属したり、仲間が欲しくなったり)
この欲求が満たされない時、人は孤独感や社会的不安を感じやすくなります。
ここまでの欲求は、外的に充たされたいという思いから出てくる欲求です。

④「尊厳欲求」(他者から認められたい、尊敬されたい)という欲求が芽生えます。ここからは外的なモノではなく、内的な心を充たしたいという欲求に変わります。

⑤「自己実現欲求」(自分の能力を引き出し創造的活動がしたいなど)の欲求が生まれます。

そして、マズローは晩年、
5段階の欲求階層の上に、さらにもう一つの段階があると発表しました。

⑥それは「自己超越」という段階。
「目的の遂行・達成『だけ』を純粋に求める」という領域で、見返りも求めずエゴもなく、自我を忘れてただ目的のみに没頭するという領域だそうです。

自己超越者(transcenders)の特徴は

⑴「在ること」(Being)の世界について、よく知っている
⑵「在ること」(Being)のレベルにおいて生きている
⑶統合された意識を持つ
⑷落ち着いていて、瞑想的な認知をする
⑸深い洞察を得た経験が、今までにある
⑹他者の不幸に罪悪感を抱く
⑺創造的である
⑻謙虚である
⑼聡明である
多視点的な思考ができる
(10)外見は普通である(very normal on the outside)

マズローによると、このレベルに達している人は人口の2%ほどであり、子供でこの段階に達することは不可能だそう。

なるほど、カウンセリングを受けて、
色々な問題を解決していくと、
こんな姿になるのかも?とも思います。

しかし、カウンセリングのゴールは、⑤の自己実現。
超越までは、なかなか難しい気もします。

マズローは、自己実現を十分成し遂げた人は、しばしば「至高体験」(peak experience)をしているといいます。

至高体験とは、意識が高揚した状態です。

自分が自分のしている行為に完全に没頭している状態、
自意識に全く邪魔されず自分が完璧だと感じる瞬間、
最高に幸福な感情に満たされた境地、そうした体験を、至高体験と呼びます。

健康で優秀な能力を持つ人や尊敬される人格者、
優れた芸術家やスポーツ選手など、
さまざまな人々が、こうした体験を報告しています。

なかには出産の最中や子育てにおいて、最高の喜びを感じ、至高体験をした母親もいます。

マズローは、至高体験を次のように表現しています。

「神秘的体験、大いなる畏怖の瞬間、とても強烈な幸福感、歓喜、恍惚、至福すら感じる瞬間」
であり、
「このような瞬間は純粋であり、積極的な幸福感に満ちている。
あらゆる疑惑、恐怖、禁忌、緊張、弱さが追い払われる。
今や自己意識は失われる。世界との分離感や距離感は消滅し、
同時に彼らは世界と一体であると感じ、
世界に融合し、まさに世界に属し、
世界の外側にあるのではなく、世界の内側に見入るのだ」
と。

至高体験を体験した多くの人は、その後、世界が違って見えるようになり、
人生観・価値観が変わったと語っています。
そして、自己の可能性の開花、人間性の完全な発達を願うようになるというのです。

マズローは臨床的観察に基づいて、
自己実現を果たした人が至高体験をした時には、
憐れみ、慈愛、親切さ、悲しみの情緒が顕著であると言います。

こうした体験を持つ人は、
利己的な考えを超え、人への愛や思いやりに満ちた行動を行い、それを喜びと感じるようになります。

彼らは、物事を楽しむ能力をもち、現実に対する鋭敏な知覚力を備えています。

芸術や科学において、あるいはもっと現実的な生活のなかで、優れた創造性を発揮します。

自己実現をした人のうち、
至高体験を持たない人は、現実的に影響力の強い社会人や社会改善家になる傾向があり、

一方至高体験を持つ人は、しばしば美学や宗教といった主観的領域に熱中することが多い、とマズローはいいます。

マズローは、自己実現をした人とは、「人生を楽しみ、堪能する事を知っている人間」
であり
「苦痛や悩みにめげず、辛い体験から多くの事を悟る事ができる人間」
と表して、
そうした人は
「感情的になる事が少なく、より客観的で、期待、不安、自我防衛等によって、自分の観察をゆがめる事が少ない。
又、創造性や自発性に富み、自ら選択した課題にしっかり取り組む姿勢を持っている。
また「開かれた心を持ち、捉われの少ない積極的存在だ」
としています。

コメント (1)
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