患者さんに絵を描いてもらい心の内側を知る方法を
日本独自のスタイルで編み出した精神科医の中井久夫先生。
著書によると中井久夫先生は、入院患者さんが自殺したことにショックを受けて、
どのような基準をクリアすれば、
患者さんを退院させていいかという基準を作ったそうです。
その基準が「精神健康の基準について」
以下、精神健康をあやうくするようなことに対する耐性として定義
第一は、分裂(splitting)する能力、そして分裂にある程度耐えうる能力
第二は、両義性(多義性)に耐える能力
第三は、二重拘束への耐性を持つこと
第四が、可逆的に退行できる能力
第五は、問題を局地化できる能力
第六は、即座に解決を求めないでおれる能力、未解決のまま保持できる能力
第七は、一般にいやなことができる能力、不快にある程度耐える能力
第八は、一人でいられる能力、二人でいられる能力
第九は、秘密を話さないで持ちこたえる能力、嘘をつく能力も関連能力であろう。
第十は、いい加減でも手を打つ能力である。これは複合能力で、意地にならない能力とか、いろいろな角度からものを見る能力、欲求不満に耐える能力とも関係してくる
第十一は、しなければならないという気持ちに対抗できる能力
第十二は、現実対処の方法を複数持ち合わせていること
第十三は、徴候性へのある程度の感受性を持つ能力。これは、身体感覚、特に疲労感、余裕感、あせり感、季節感、その他の一般感覚の感受性を持つことと同じである。なお、すべての能力は人間においては対人関係化するので、対人関係を読む能力は徴候性を感受する能力と関係している。
第十四は、予感や余韻を感受する能力
第十五は、現実処理能力を使い切らない能力
以上の十五個が、精神健康の定義
追加
また、ある状況下では、独語する能力も精神健康上プラスの意味を持つ。
『「つながり」の精神病理』中井久夫(ちくま学芸文庫 2011)精神健康の基準について(p237-248)より引用
日本独自のスタイルで編み出した精神科医の中井久夫先生。
著書によると中井久夫先生は、入院患者さんが自殺したことにショックを受けて、
どのような基準をクリアすれば、
患者さんを退院させていいかという基準を作ったそうです。
その基準が「精神健康の基準について」
以下、精神健康をあやうくするようなことに対する耐性として定義
第一は、分裂(splitting)する能力、そして分裂にある程度耐えうる能力
第二は、両義性(多義性)に耐える能力
第三は、二重拘束への耐性を持つこと
第四が、可逆的に退行できる能力
第五は、問題を局地化できる能力
第六は、即座に解決を求めないでおれる能力、未解決のまま保持できる能力
第七は、一般にいやなことができる能力、不快にある程度耐える能力
第八は、一人でいられる能力、二人でいられる能力
第九は、秘密を話さないで持ちこたえる能力、嘘をつく能力も関連能力であろう。
第十は、いい加減でも手を打つ能力である。これは複合能力で、意地にならない能力とか、いろいろな角度からものを見る能力、欲求不満に耐える能力とも関係してくる
第十一は、しなければならないという気持ちに対抗できる能力
第十二は、現実対処の方法を複数持ち合わせていること
第十三は、徴候性へのある程度の感受性を持つ能力。これは、身体感覚、特に疲労感、余裕感、あせり感、季節感、その他の一般感覚の感受性を持つことと同じである。なお、すべての能力は人間においては対人関係化するので、対人関係を読む能力は徴候性を感受する能力と関係している。
第十四は、予感や余韻を感受する能力
第十五は、現実処理能力を使い切らない能力
以上の十五個が、精神健康の定義
追加
また、ある状況下では、独語する能力も精神健康上プラスの意味を持つ。
『「つながり」の精神病理』中井久夫(ちくま学芸文庫 2011)精神健康の基準について(p237-248)より引用