川柳作家、N野友擴さんがお持ちくださった本を読み始めました。
今読んでいる何冊かの本はちょっと横に置いておいて。
先ず詩集『折にふれて』を読みました。

著者の吉田泰巳さんは受賞歴多数のいけばな作家さんです。
詩は最近になって書き始め、詩集もこれが初めてとのこと。
内容について、わたしは評論しないでおきます。
ただ、言葉を操ることにおいては優れておられるな、という印象。
続けられるとしたら、次はどんな詩集になるのでしょうか?
次に、読み始めたのは時実新子さんの『愛は愛は愛は』(左右社刊・1500円+税)です。

これは文句なしに素晴らしい。
しようがないですねえ、新子ちゃんのアンソロジーですから。
352句、たっぷりと楽しめます。
わたしの好きな句もいっぱい。
乳房つんつん私に背き恋をする
なわとびに入っておいで出てお行き
手が好きでやがてすべてが好きになる
何だ何だと大きな月が昇りくる
まだ咲いているのは夾竹桃のバカ
飛行機の昇る角度は恋に似る
飛行機の降りる角度は愛に似る
君は日の子われは月の子顔上げよ
大方の虫はしずかに生きて死ぬ
犬走れ使いに走れ愛走れ
愛咬やはるかはるかにさくら散る
入っています入っていますこの世です
こうやって繋がっていくカアカアと
平成七年一月十七日 裂ける
ほんとうに刺すからそこに立たないで
かなしみは遠く遠くに桃をむく
こちらあなたの夫と死ねる女です
凶暴な愛が欲しいの煙突よ
母だから泣かない母だから泣く日
ころすかもしれぬ愛へとさしかかり
妻を殺してゆらりゆらりと訪ね来よ
風の駅まもなく電車が入ります
れんげ草この世の旅もあと少し
稀にある美しい日が今日だった
ほかにもいっぱいいいのがあるが、もう一つ、わたしにとって忘れ得ぬ句。
目的はあなたにあった旅をした
これは文句なしに珠玉の一冊です。いつも手もとに置いておこう。
今読んでいる何冊かの本はちょっと横に置いておいて。
先ず詩集『折にふれて』を読みました。

著者の吉田泰巳さんは受賞歴多数のいけばな作家さんです。
詩は最近になって書き始め、詩集もこれが初めてとのこと。
内容について、わたしは評論しないでおきます。
ただ、言葉を操ることにおいては優れておられるな、という印象。
続けられるとしたら、次はどんな詩集になるのでしょうか?
次に、読み始めたのは時実新子さんの『愛は愛は愛は』(左右社刊・1500円+税)です。

これは文句なしに素晴らしい。
しようがないですねえ、新子ちゃんのアンソロジーですから。
352句、たっぷりと楽しめます。
わたしの好きな句もいっぱい。
乳房つんつん私に背き恋をする
なわとびに入っておいで出てお行き
手が好きでやがてすべてが好きになる
何だ何だと大きな月が昇りくる
まだ咲いているのは夾竹桃のバカ
飛行機の昇る角度は恋に似る
飛行機の降りる角度は愛に似る
君は日の子われは月の子顔上げよ
大方の虫はしずかに生きて死ぬ
犬走れ使いに走れ愛走れ
愛咬やはるかはるかにさくら散る
入っています入っていますこの世です
こうやって繋がっていくカアカアと
平成七年一月十七日 裂ける
ほんとうに刺すからそこに立たないで
かなしみは遠く遠くに桃をむく
こちらあなたの夫と死ねる女です
凶暴な愛が欲しいの煙突よ
母だから泣かない母だから泣く日
ころすかもしれぬ愛へとさしかかり
妻を殺してゆらりゆらりと訪ね来よ
風の駅まもなく電車が入ります
れんげ草この世の旅もあと少し
稀にある美しい日が今日だった
ほかにもいっぱいいいのがあるが、もう一つ、わたしにとって忘れ得ぬ句。
目的はあなたにあった旅をした
これは文句なしに珠玉の一冊です。いつも手もとに置いておこう。