喫茶 輪

コーヒーカップの耳

『『モダニズム出版社の探検』余話』という本

2024-08-30 14:07:24 | 本・雑誌

『『モダニズム出版社の探検』余話』(高橋輝次著)という本をお贈りいただいた。

高橋さんは元「創元社」の編集者です。

今はフリーの編集者であり、フリーライター。

神戸あたりの古本屋さんでよくお会いします。

 

こんなお手紙がついていました。私信ですが、ま、いいでしょう。お読みください。

(高橋さん、もし都合悪ければおっしゃってください、削除いたします。)

ここに出てくる「このあいだ私家版を贈ってくださったので、お礼の代わりに献呈します」と書かれている献呈本は『湯気の向こうから』(限定150部)のことです。あの本は基本的には皆さんにお買い上げいただいたのですが、高橋さんには献呈したのでした。

ということで、この高橋さんの『モダニズム出版社の探検・余話』、もしよろしければ買ってあげて下さい。

頒価、1300円。350部の限定版です。

本の内容は、阪神間の文学と本、雑誌の話です。しかも少しマニアックで、有名作家の名前はあまり出てきません。

でも、読み始めると引き込まれます。

これは高橋さんの文体のせいかもしれません。ずるずると引きずり込まれるような、背中を丸めて小さな声でつぶやくような文体(失礼。わたしの主観です)で、嬉しそうに書いておられます。

ざ~っと斜め読みしましたが、わたしが興味のない話でも、やはり読まされてしまいそうな文体です。

わたしが馴染む人名も出てきます。

古書店「街の草」の加納さん、宮崎修二朗、春山行夫、君本昌久、竹中郁、杉山平一、田中冬二、天野忠、熊井啓など。

この熊井啓、もちろん有名な映画監督さんですが、この人のお孫さんが昔「喫茶輪」のお客さんで来ておられました。きれいなお嬢さんでしたが、店で熊井監督の話が出た時に「わたしのおじいちゃん、そんなに有名なんですか?」と言ったのでした。これは余分な話でした。

あ、そうだ、高橋さんが書かれたのでしょう「著者略伝」というページがありました。

高橋さんらしい文章です。

人のいい人です。

さあ、もう一度初めからじっくりと読ませてもらいましょう。

本好きの皆さんも一度高橋さんの本をお読みください。

中毒になるかもしれません。

 

『コーヒーカップの耳』 一度読むと間違いなく著者の中毒になる本。

 

 

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パリパラ金メダル第一号と大石順教尼

2024-08-30 09:27:47 | 出久根達郎さん

テレビのニュースでパリパラ金メダル一号の日本人選手のことを見ていて「凄いなー」と思った。

競泳の鈴木孝幸選手。

右手両足に大きな障碍がある。それであのスピードで泳ぐ。

それで連想する話があった。

最近読んだ出久根達郎さんの『人に麗句あり』の中の「大石順教」の項。

是非読んでください。きっと感動します。見事に簡潔で美しい文章です。わたしは知らず知らずのうちにその文体を真似ていることがあります。もちろん敵うはずがありませんが。

特にここ。

「何でも自分でされるというが、お手洗いはどうされるのか、と問われ、あなたが両手を切ってきたら教えてあげる、と笑って答えた。」

「笑って」というのが凄いです。

 

ところで、出久根さんだが、この本を送って下さったときの謹呈票に書き添えて下さっている言葉にわたしは涙する思いでした。

 

 これは病後の字です。お元気な時の出久根さんは素晴らしい字を書く人です。

余人には読めないでしょうが、わたしにはわかるのです。

大変な中で書いて下さっていて、ありがたいことです。

最近いただいたお手紙ではもう少し分かりやすい字で書いて下さっていて、順調に快復されているようです。

お体大切にして頂きたいです。来

 

『コーヒーカップの耳』 おもしろうてやがて哀しき喫茶店。

 

 

 

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結解(けっけ)料理

2024-08-29 14:36:18 | 本・雑誌
池波正太郎さんの『小説の散歩道』という本を読んでいたら、こんな言葉が出てきた。
 
 
「東大寺の結解(けっけ)料理」の項に「結解料理」。
わたしは初めて見る。
浅学なんですねえ。
 
こんな場面。
 
《奈良東大寺に古くからつたわる結解料理は、夜の宴席の演出によって、「むかしをしのぶ…」想いと、味わいが、さらに深まることになるのであろう。
「むかしむかしから、寺の重要な法会が終ったときとか、それからなんです、年貢米を納め終えたときとか……ま、そうしたときに、寺が出した料理なんですな」
(略)
列席した司馬遼太郎、入江泰吉、小清水卓二、須田剋太、岡部伊都子の諸氏の間で、結解料理の、結解の意味が、なんてあろうか?との会話がしきりにかわされる。寺のほうでも、よくわからぬらしい。》
話の内容にも興味が湧くのだが、ここに出てきた人名にびっくり。
池波正太郎さんと司馬遼太郎さんたちが同席とは!
ま、あり得ることですけどね。
 
『コーヒーカップの耳』(今村欣史著・朝日新聞出版刊)。 おもしろうてやがて哀しき喫茶店。 
 
 
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クリニックから朗読会

2024-08-28 17:50:45 | 喫茶・輪
今日午前は、かかりつけのクリニックへ。
人気のクリニックでいつも大勢の患者さんで溢れています。
予約時間より大幅に遅れて、先生も「大変お待たせしてゴメンナサイ」と丁重に対応して下さいます。
無事に検査と診察を終え帰宅。
検査で朝食は抜きだったのでお腹空いてました。
 
午後は久しぶりにラジオパーソナリティーの久保直子さんが「書斎・輪」にご来訪でした。
詩の話、川柳の話、俳句の話など刺激的でした。
フライヤーをお持ちくださいました。
 
 
「トライあんぐる朗読会」の案内。
魅力的な朗読会です。
すでに予約満席で、キャンセル待ちの情況。
楽しみです。
 
 
『コーヒーカップの耳』 喫茶店のカウンターで語られた生の言葉たちが、泣かせて笑わせます。
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再、承前『無名人名語録』より

2024-08-27 19:25:15 | 本・雑誌

「『責任転嫁』のカの字がどうして嫁なの?
責任を嫁に転ずるってことでしょ?
これは姑の発想で使っている言葉だわ」
 
「喉を使う芸人が、声を出しているから健康だっていわれるでしょ。
ちがうんですよ、喉を使う芸人は、塩辛いものを食べません。
そこなんです、健康なのは」
 
「広島の山ン中でね、年寄りと話をしていたらね、
『本当!』というニュアンスで、
『げにげに、まことまこと』
だって。
耳を洗われたよ」
 
「この宮古島からも、東京へ勉強に行ってるのがいますよ。
あんたはどこの人?
渋谷、渋谷ねェ……。
そうだ、
渋谷に岡本っていうのがいるんだけど、
岡本……知らない?
……岡本は渋谷にいるって言ってたけどなァ」
 
「私は学校へ行ってないからね、よくはわかりませんけどね。
人生ってのは、偉い人が言うほど面白くはありませんよ。
でも、悔やむ人が言うほどつまらないものじゃないと思うんですよ」
 
「もう、遊んで暮らそうよ!
豊かでなくたって遊んで暮らせるってことに気がつかなきゃ」
 
【 おわり 】
 
 
「あとがき」の冒頭。
「子どものときに学校で大人になったら何になるという希望を書かされる。
僕の世代は陸軍大将であったり、海軍士官であったりしたのだが、最近は、医者とか大臣か科学者というのとは別に「有名人」というのが増えてきたという。
「有名人」に憧れるという風潮はさておいて、「有名人」という言葉はいつ頃から登場してきたのだろう。(中略)」
そして最後に
「子ども叱るな
来た道だもの
年寄り笑うな
行く道だもの」。
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承前『無名人名語録』より 

2024-08-27 19:21:59 | 本・雑誌
「キザだなと思うと恥ずかしくなってさ、それでやらないってことあるじゃない。
でも駄目なんだよ。
キザでもやらなきゃ駄目!
やってりゃキザじゃなくなるの。
慣れりゃキザでもなんでもない。
慣れないからキザになるんだから」
 
「人生なんて無駄なことはひとつもないんだよ、無意味なものはひとつもないの。
……無駄っていやァ、人生全部無駄だからねェ」
 
「学歴が財産だって言う人がいるでしょう。
そういう人には中卒の気持ちがわかるわけないんですよ」
 
「役者バカとか野球バカという言葉は、平気で使うどころかどこか尊敬しているでしょう。
その感じでバカを尊敬できませんかねえ」
 
「学校がコンクリートになって非行が進んだと思います。
木造の学校だと、学校の歴史が刻み込まれるんですよ。
柱にも、階段にも。
コンクリートは、そうはいきません。
コンクリートと非行は、よく似合います」
 
「若い教師に言うんですわ。
いい先生になろうと思うな。
いい先生を演じるつもりになれ。
そのうちに、いい先生になるからって」
 
「デジタル時計って
『もう何時だぞ』って感じでいやですね。
アナログ時計っていうのは、
『まだ何時』って感じなのよね。
そこが好きだわ」
 
つづく
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『無名人名語録』より

2024-08-27 15:23:52 | 本・雑誌
『無名人名語録』より。
「デパートでいい女探そうと思ったら、ネクタイ売り場だってね。
美女を揃えるんだってさ。
ネクタイ売り場の女が言ってたよ」
 
「組織暴力団構成員ていうのが、オレの肩書きなんだってさ。
名刺の肩書きに印刷してさ、ペコペコしながら渡してみようかと思うんだ」
 
「山陰本線の特急に乗ったら、小さな駅ですれちがいのため、5分停車しますって言うんだよ。特急だぜ、とても優しいなァと思ったよ。
特急なのに、道をゆずるってとこがさ、
優しいよなァ」
 
「お客さん、あなたが金を払って、あなたが食うんだから、板前のわたしが文句を言う筋合いはねェんだけどね。
……そのサングラス外して喰ってくれねェかなァ」
 
「心太と書いてトコロテンと読むけど、最初はココロブトだったんだって。
ココロブト
ココロブテエ
ココロテイ
トコロテン
つまり、なまってきたわけよ」
  (これ調べるとホントでした)
 
「わたしね、なにも革新がいいとは思いません。保守で結構。立派な保守ならなんにも言いません」
 
「名誉と金と生命、これがいらねえとなりゃ人間、強いものさ。
この三つとも欲しがる奴が、政治家になっちゃったんじゃ、とても、期待できたもんじゃねェ」
 
「掃除がきちんとできない奴は、ロクなもんじゃありません。
ものを作る人間は、まず掃除から修業すべきです」
 
「芸術家って、みんな疲れているように見えるけど、あれはネ 
あれは、芸術家ぶるから疲れるんだよ」
 
「私ってきれいでしょうって顔をしている女はいやだね。だけど、きれいでしょうって顔をしている女は、みんな、きれいなんだよね。だから困っちゃう」
 
「女は見られると美しくなるっていう言葉があるからね。
何十年も、女房を見ているけどねェ。
あの言葉はウソみたいだねェ」
 
「何かに感動するってことは知らないことを初めて知って感動するってもんじゃござんせんね。
どこかで自分も知っていたり、かんがえていたことと、思わぬ時に出くわすと、ドキンとするもんでさあね」
 
「時間の切れはしを上手につないで、何かできる時間を作れる人は、生きるのが上手なんだって言うけどね。
時間の切れはしねェ。
あるんですけどねェ」
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永六輔さん

2024-08-26 16:57:13 | 本・雑誌
今、合間合間に読んでいる本。
 
 
永六輔さんの『無名人名語録』ですが、面白いです。
永六輔さん、メモ魔だったんですね。
この人と知合いになりたかったなあ。
でもこの本は1990年発行だ。
知り合うことは無理だったか。
 
こんなページがあります。
 
このページには「間もなく百歳以上の日本人が二千人を越すそうです」とあります。
1990年ごろの話。
今、2024年は90000人だそうです。
そのうち女性は80000人だって。
 
今朝、渡辺心臓脳・血管センターに持参して待合所で読んでました。
丁度読んでいた所。
わたし、81歳です。
診察室に呼ばれたら先生に読ませてあげようかなと思いましたが、洒落がキツすぎるかと思い、止めときました。
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夏、過ぎる

2024-08-25 10:27:44 | 地蔵さん

地蔵盆祭り、昨夜終了。

近所の皆さんの協力のもと無事に終わりました。

でも、なにも行事が無いのはやはり淋しいですね。

長年勤めてきた御詠歌の導師をせずに終わったのは達成感のないことでした。

お参りも少なかったです。

ただ、今回の案内状には「お供えはご辞退します」と書いておいたのですが、

「気持ちですので」とお持ちくださる方がたくさんありました。

これは敢えて拒絶することなく、ありがたく頂戴し、今後の維持管理に活用させていただくことにしました。

 

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西宮の修験行者

2024-08-24 23:18:37 | 西宮のこと
今日の「書斎輪」のお客人は、西宮郷土資料館の学芸員、早栗佐知子さん。
 
地蔵さんの取材に来られたのだ。
 
神戸女子民族学会の機関誌『久里』44号を頂きました。
 
 
早栗さんの論文が載っているのですが、以前わたしがしゃべった事がたくさん記載されていてビックリ。
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「圓満地蔵尊」盆祭り

2024-08-24 08:44:00 | 地蔵さん
今日、8月24日は地蔵さんのお祭り日です。
西宮市用海町3-13(用海小学校正門通り)の「小墓圓満地蔵尊」です。
 
楽しい語らいの場でもあります。
どうぞお参りになって下さい。
お待ち申しております。
ご希望の方(ご参拝者のみ)には、冊子『縁起・小墓圓満地蔵尊』(今村欣史著)を差し上げます。面白い読み物でもあります。
残部終了の時はご容赦ください。
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準備進む

2024-08-23 11:32:47 | 地蔵さん
明日の地蔵盆にむけての準備が進んでいます。
 
 
昔のような御詠歌奉納などの行事は行えなくなりましたが御祭りはします。
 
 
お地蔵さまの帽子、よだれ掛けなど、妻が縫った新しいものに着せ替えられて。
 
 
 
 
この、片手に乗るぐらいのかわいいお地蔵さまは、今年お嫁入りして来られた堂本地蔵さんです。
 
 
夜には提灯に灯りが入りました。
 
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岐路に立つお地蔵さん

2024-08-22 09:30:32 | 地蔵さん
今朝の神戸新聞「正平調」です。
記事拝借お許しを。
 
お地蔵さんのことが書かれています。
「岐路に立っている」と。
うちの隣のお地蔵さん「小墓圓満地蔵尊」も例外ではありません。
今年、お祭りはしますが、以前のような行事はできなくなりました。
御詠歌上げる人もなくなりましたし、喜ぶ子どもも減りました。
昔は大変盛り上がったのでしたが。
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なにをつくってる?

2024-08-22 08:15:36 | 地蔵さん
妻が裁縫してます。
何を作っているでしょうか?
 
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「書斎輪」の客人 2024年8月21日

2024-08-21 20:11:48 | 喫茶・輪

今日の「書斎輪」の客人は本好きの女性Tさん。

わたしのファンかと思っていたが、妻のファンなんだって。

今日の夕方の西の空。

穏やかでした。

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