三か月ぶりのM病院。
M病院でのわたしの主治医Z先生だが、二年ほど前に前立腺がんを早期発見してくださった医師です。
まあ、早期発見するための血液検査を定期的に受けていて、それで見つかったのだったが。
その先生の今日は診察日。診察といっても尿検査と血液検査のデータを見ておはなしを聞くだけだが。
呼ばれて診察室に入って椅子に座ると、
「お伝えするのがすっかり遅くなったのですが…」と申し訳なさそうに切り出される。
わたしは、何か具合の悪いことが起こったのかとちょっと心配に。
ところが、
「前にいただいていた本ですが、非常に面白かったです」
え?と思った。なんの話?
もう何年か前に差し上げた『完本・コーヒーカップの耳』のことだった。
すっかり忘れていた。
「話し言葉であのように表現されていて…」と。
「私の知らない昔の話が、ありありと目の前に繰り広げられ…」などといろいろ感想を話してくださった。
そういえばこの先生、本が好きだとおっしゃっていたのだった。
それにしても今頃とは。
お忙しいし、それに「患者が書いた本なんて」と有難迷惑に思われていたのかもしれない。
それが、何かのはずみで最近手にされたのだ。そして読み始めたら…、というわけだ。
良かった。
帰りの「鳴尾 武庫川女子大前駅」です。
今、M病院は工事中で駐車場がないのです。