憂鬱な日々が続いています。
そこで、『完本コーヒーカップの耳』の中から笑い話を紹介してゆきましょう。
『完本コーヒーカップの耳』に収められているのは、「おもしろうて やがてかなしき 鵜舟かな」(芭蕉)と評されるように、大体が泣き笑いなのですが、
中には笑えるだけのものもあります。
そのような作品を順次載せて行きたいと思います。
今日はこれ。
「草野球」
昭和40年ごろやったかなあ。天王寺公園で草野球やりよったんや。
そしたら仕事にあぶれた日雇いのおっちゃんらが よおけ見物に来よるねん。
そのヤジがまたうるさいんや。
エラーなんかしたら「こらーっ なにさらしとんじゃ!」ゆうて本気で怒りよるねん。
三振したら 別のおっちゃんが「しっかり打たんかえっワレーッ!」ゆうて これも本気や。
殴られるんかと思たで。俺らより熱うなっとんねん。
後でわかったけど あのおっちゃんら 俺らの野球に金賭けとったんや。(助代正夫さん)