「火ィ!」
わたしは、ライターが無いのでマッチを出し、
「返してよ」
帰り、
「えっ?吸い殻2本やのにマッチの軸3本も使うて、もったいないなあ、無駄遣いしたらアカ
ンやん」
「ジャカマッシャイ!」
彼はいつも店を出る時、「ジャカマッシャイ!」と言って出て行く。
悪いクセだ。
娘(滉の母)からのメール。
お医者さんに行ってのはなし。
「咲友が診てもらってる時、滉は、置いてある聴診器を指して、『先生、これは何ですか?何
する時に使うんですか?』と質問攻め。先生は咲友を診なあかんし、たじたじ。滉は、聞き流
されてもめげず、面白かった」
昨日ちょっと紹介した本、『関西古本探検』(高橋輝次・右文書院)のことをもう少し。
その最終項「小説集『三色版』女性作者は誰か?-牧水の長女の小説を見つける」が面白
かった。
松本岬子著『三色版』(昭和十五年、第一公論社)という本についての探索の話である。
その著者、松本岬子が若山牧水の娘ではないかと見当をつけて高橋氏が追っていく話が非
常に面白い。そしてついに、確証を得るのだが、読む方もうれしくなる。
この項の終わりの方にいい話がある。以下ちょっと長いが紹介します。
ー次に「私の父」という一文から、牧水とみさきさん親子の印象深いエピソードを紹介しておこ
う。
昭和三年九月、牧水四十四歳の時、みさきさんはまだ数えの十四歳だったが、重体に入る
前の十五日宵、牧水は旅人と彼女を枕元に呼んだ。兄には、「九州のおばァさんにもしもの
ことがあれば、自分に代わって九州に行き、葬式に出てくれるように」と語り、その後、みさき
さんには、「みいちゃんは、やらなければならないことをやらずにいるから、苦しいんだよ」とく
り返し言った。彼女は辛く、恥ずかしく、しゃくり上げて泣きだした。それは、自分でも思い当た
ることで今となっても辛いこと、という。牧水がその時死を覚悟していたのかどうかわからない
が、確かにあれは父の遺言であった、と書いている。牧水は十七日朝、永眠した。
ところが、彼女は十何年か前、牧水の歌集『秋風の歌』を通読していて、次の歌に気づき、
呼吸をのんだ。
なすべきをなさざる故にこの如くさびしきものとなりしやわれは
この相似に、彼女への父の最後のことばをありありと思い出した、という。彼女はこう続け
ている。「『やらなければならないことを、やらずにいるから苦しい』この言葉はあるいは父自
身が自身にくり返し言ってきたことばでもあったのではないだろうか。そうか、そうか、とうなず
いた時、『だからお父さんは余分な言葉をつけ足さず簡潔なこの言葉を私にバトンタッチした
のだ』と思った。」と。ー
明日25日(木)の「輪」の日替わり定食は「ラーメン定食」で
す。
よろしくお願いいたします。