入口から一番近い席です。我々スタッフは「1番席」と呼んでます。
詰将棋の色紙は、懇意にして頂いている、A級プロ棋士、井上慶太八段のものです。
レンガ酒蔵の絵は、息子が小学校の時に描いたものです。
今日は珍しいお客様が三人見えました。
右は、詩人であり、連句のオーソリティーでもある鈴木漠氏。真中は兵庫県文学界の生き字
引、宮崎修二朗氏。左はベストセラーを連発された高島俊男氏。
高島氏は、『週刊文春』の人気コラム「お言葉ですが…」を11年にわたって連載された相生出
身の人。2001年に出された『漢字と日本人』(文春新書)は大ベストセラーとなる。
実は高島氏、うちの店に来られたのは二度目で、最初はこの『漢字と日本人』が出る直前だ
った。その後この本が大ブームになって、驚いたのだった。他にも『本が好き、悪口言うのは
もっと好き』など、一世を風靡した本は数多い。詳しくはウィキペディアで確認してみて下さい。
しかし、今日の高島氏は、『週刊文春』連載中の前回時と比べ多少お元気がなかった。聞け
ば、今年になって、蔵書を何万冊も処分したのだと。そして、「もう書くこともないし」とおっしゃ
る。今は毎日、碁会所通いなのだと。わたしは、「また書いてくださいよ」と言ったが、「ぼくは
本が無かったら書けない」とおっしゃる。
とは言っても、まだお若いし、元々書くことが好きな人だから、環境さえ整えば書かれるだろ
う。あの小気味いい権威におもねない辛口の文章で。
いずれにしても、今日の私は、言葉のオーソリティーに囲まれて、高度な話題について行け
ず、小さくなっていた。