自転車ひとり旅★

自転車大好きなTVディレクター日記。

ウズベキスタン。

2019年04月26日 03時57分53秒 | おしごと日記



久々に ホテルで自転車を組み上げております


ここはウズベキスタン
8年前に女優の中村ゆりちゃんと来て以来2度目



もちろん今回も撮影で来ています
コースを試走して撮影プランを考えたり
撮影後に時間があればトレーニングをするために
これまた久々の海外用バイクの出番



レースでもない限り 海外に持って行くのは
クロモリ(鉄)フレームのコルナゴ・マスターオリンピック
万が一折れても鍛冶屋に頼めばくっつけてもらえますからね


ところが今回のウズベキスタンは そんな甘いものではありませんでした






空港に着いたら まずは水と補給食を購入
ホテルに着いて「水が無い!」となることが多いからです
こういう時は 地元の人しか行かないような店に行くのがオススメ





お菓子はバラ売り
これだけで心ウキウキ





まさにお店を切り盛りしていたお姉さん
たぶん20代だと思う
「ステキな服ですね」と言ったら たいそう盛り上がってくれた
たぶん通訳が「ステキですね」とだけ訳したっぽい(笑)
しばらくの間 まったく分からないウズベク語で
商品を説明してくれた





初日の撮影が終わり 夕方の5時
ウズベクの日没は19時だというので 走りに出かけた





ホテルで組み立てたバイクを調整しながら走る






どこかで見た風景だと思っていたら
アルゼンチン北部 トゥクマン近郊の
標高2000mあたりの風景と似ていた





道のガタガタ具合も似ていた…





雨が降り出した
放牧から帰る牛たちが
まったりとこちらを見る


牛飼いの少年たちが
じーっとこっちを見るので
こちらも気づいて少年の方を見返すと
ササッと視線を外す(笑)
とてもシャイな人たちなのだ


それでも臆せず手を振ると
氷が溶けるように笑顔が弾けて 手を振り返してくれる






8年前と変わらずソ連製のポンコツだらけ
走ると「ボロボロボロ…」という音がする
あちこちでボンネットを開けて
車を直してるおっちゃんがいる





ガタガタの一本道を ひたすら上って行った
平均勾配は6%ぐらいか
けっこうな坂が続く
なんとなくパワーの数値が低いなあと思っていたら
標高1500mだった


2分  330W
1.5分 352W
5分  270W


ゼーゼー言いながら走ってたら
不思議なものを見る目で おっちゃんたちが見ていた



13km上ったところで日没直前
ホテルに戻ることにした




しかし ここからが地獄の始まりだった




平均勾配6%の下り坂を 雨の中下って行く
気温は10度
めちゃめちゃ寒い
スピードの出ない上りでは気にならなかったガタガタが
電気アンマのように全身を襲う(笑)
ガタガタというより
ボコボコなのだ
深さ10cmぐらいの穴や溝が 次々と襲ってくる





パンクした…


こんな時に限って パンク修理道具を置いて来ていた






ホテルへの道は 果てしなく遠かった





ホテルまで8km
泣けてくる
しかし 泣いたところで歩くしかないので
腹を決めて楽しむことにした 


鳥のさえずり

牛の声

ヤギの声

時々 人が叫ぶ声


時間とともにだんだんと静かになってゆく
世界全体が ゆっくりと眠りにつこうとしているようだった



ようやくホテルにたどり着き
1人でガッツポーズ
びしょ濡れになったウェアを脱いだら
何かがこびりついている


よく見たら 牛の糞だった



雨の水しぶきで うんこが巻き上げられ
全身まんべんなく浴びていた(笑)




この日は夜中まで 大洗濯祭りとなりましたとさ



つづく★