仕事を終えて 深夜2時に宇都宮入りした
朝 車を運転して現地入りすると
走れたためしが無いので
数時間しかなくても ホテルを取ることにしている
窓の外は雨
滑りやすいウェットコンディションになるのは
間違いない
6時起床
今日のレースは距離が短い(21km)ので
バナナ1本 クリフバー1個
カロリーメイトジェルを飲んでおしまい
7時半 会場近くの駐車場へ
農道が臨時駐車場になっていた
イベント開始前に
アップがてらコースを1周
どこで崖崩れがあったのか分からないほど
見事に綺麗になっている
主催者の皆さんが大変な労力をかけられたことがわかる
古賀志林道をゆるゆると上る
ボンヤリしていたカメラマンが
レースが始まったのかと勘違いして
慌ててシャッターを切っていた(笑)
280W(体重のちょうど5倍)で4分半
ほとんど息が切れない
調子は良さそうだ
しかし今日の1番の難関は
ウェットな下り坂だ
試走の時はノーブレーキで行けたコーナーが
今日は後輪が流れてしまって
ブレーキなしでは行けなかった
下りでアドバンテージを作るのは難しそうだ
9時40分スタート地点に集合
周りを見て ビックリした
大学生だらけなのだ
まるでインカレにおっさんが1人まぎれ込んじゃった感じ(笑)
大学の自転車部を相手に走るのか…
しかも全日本選手権に出てたような人もちらほら
完全に自信喪失
いよいよレースが始まる
ジャパンカップ・チャレンジレース
10.3kmのコースを2周する 距離20.6kmの短期決戦
9時50分
第1組がロケットスタートしていった
それを見た第2組の選手たちが
「最初すげー上がるんだよ」
「置いて行かれたら終わりだ」
と囁きあっている
うむ
ロケットスタートなんてするもんか
巻き込まれないようにしよう
9時53分 号砲が鳴り第2組がスタートした
全員が「スプリントだっけ?」と思うほどの勢いで
ロケットスタートしていく
このまま2キロ先の古賀志林道の頂上まで
突っ走るつもりらしい
350Wぐらいに抑えると
どんどん抜かされていく
気づいたら最後尾近くまで下がってしまった
いよいよ問題の「古賀志林道」に突入する
距離1.1km 平均勾配9%の激坂だ
ダンシングでガンガン上っていくライバルたちを尻目に
ひたすらシッティング
濡れた路面でダンシングすると 効率が悪い
330Wほどで淡々と漕ぐ
半分ぐらい上ると
なんだか上から人がどんどん降ってきた
スタートからここまで飛ばしすぎた オールアウト組だ
面白いほどたくさんの人を抜かしていくと
最後のつづら折れで先頭を視界に捉えた
先頭との差は20秒ぐらいか…
おそらく20番手ぐらいだろう
328W
3分48秒
問題の下り坂へ
みんな慎重に下っていく
慎重すぎて遅いので 何人かパス
無事に下り終えた
3kmほど続く平坦区間に入る
みんな平坦が恐ろしく遅い
これはきっと ロケットスタートの代償だ(笑)
アップアップな顔をした4人のパックに合流
100mほど前に5人ほどの集団が見えたので
「あれにジョインしよう!」と声をかけ先頭を引く
振り返ると 付いてきたのは
栃木の真岡工業高校の学生1人だけ
キツそうな顔しているので
そのまま引き続けて5人に合流
その5人もアップアップな顔して
スピードが上がらないので
さらに200mほど前の7人ほどの集団を目指してブリッジ
振り向くと 真岡工業の学生が
付いてきていた
「そろそろお前も引け!」
と言ったら
「すいません!」
と叫んで 前を引いてくれた
1周目完了のホームストレッチで
前方の7人に合流
よく見ると その前に審判車両がいる
てことは これは先頭集団だ!
表彰台の可能性もゼロでは無いというわけだ
2度目の古賀志林道
やっぱり先頭は速いが
1周目ほどの勢いはない
もちろん私も1周目の勢いはなく(笑)
293W
4分14秒
先頭集団のケツについて 2度目の下り坂へ
第1組の選手たちがこぼれ落ちてくるのを
避けながら下っていると
2人のスローダウンした選手がいた
前の7人はうまく避けて前に行ったが
私はどうしても 道のど真ん中を走る2人を抜けずにいた
このままでは7人に置いて行かれてしまう…
スタート前は どうせ勝負にならないから
自己ベストで走ろう なんて思っていたのに
目の前にニンジンがぶら下がると
突然目の色が変わってくる
私は ニンジンに目が眩んで 焦り始めた
その時
右コーナーで後輪がヌルリと滑った
あ こりゃダメだ…
右ひじを強打して落車した
真岡工業の生徒が「落車!」と叫んで追い抜いて行った(笑)
今日のレースが終わってしまった
ぼんやりと立ち上がる
しかし 天を仰ぎたい気分を押さえ込む
体に痛みはない
そしてレースはまだ続いている
このまま捨てるなんて納得できない
外れたチェーンを直して再び自転車にまたがる
しかしどうしてもギヤチェンジができない
もう一度自転車から降り
ディレーラー(変速機)を確認する
目の前をライバルたちが次々と通り過ぎていく
結局異常は見当たらないまま
固定ギヤでゴールを目指す
固定されたギヤは「7速」
だいたい300Wで漕ぐとちょうどいいギヤだ
つまり300W縛り(笑)
抜かされた人たちを抜き返す
とはいえ 順位なんてどうでも良いので
「ほれ行くぞ!」「後ろ付いて!」と声をかけると
1人付いてきた
ブラウブリッツェン(プロチームの育成チーム 以下BBと呼ぶ)の選手だ
しばらく前を引いて 交代を促したら
頑張って長めに前を引いてくれた
ゴールまで残り1km
前方には ポツンと選手が1人見えるだけ
私は一体何を目指して走っているのだろうか?
終わったレースで何を一生懸命走っているのだ?
答えるのが虚しくなって 考えるのをやめた
あと1kmでゴール
それだけが真実だ
結果が用意されていなくても できることをやっておきたい
前方の1人にじわじわと近づく
岐阜大学と書いてある
体格は大柄だ
私の前を引くBBの選手も大柄だ
3人で勝負になったら 分が悪い気がした
なんとかしなければいけない
まずはBBの選手を切り離したい
残り500mの坂で先頭交代し BBの選手の前に出る
じわじわとパワーを上げる 350W
これ以上あげると ゴール勝負に差し支える
振り向くと BBの選手はちぎれかけていた
よし! とそのまま踏み続け
岐阜大学にジョインする
気づかれるまで 後ろで息を整える
が 岐阜大学は割とすぐに気付きやがって(笑)
先頭交代を促してくる
あと400mでゴールだ ここから引く気は無かったが
後ろを見るとBBがしぶとく追いかけて来ていた
追いつかれたくない私は 岐阜大学の前に出て引き始めた
残り200m
BBは後方10m 牽制してたら追いつかれる位置
岐阜大学は スプリントに備えて着き位置
(私の後ろにベタ付き)
もう前には出ないだろう
このまま前を引かされ続けるのか?
このまま引かされて スプリントで負けるのは癪だ
残り150m
私からアタック
後ろで鼻息が荒くなるのが聞こえた
岐阜大学がすごい勢いで追い抜きにかかる
このままでは負ける
私はいったん 脚が終わったフリをして力を緩め
岐阜大学の後ろに着いた
猪突猛進する岐阜大学
着き位置がやっとだ…と思っていたら
わずかに岐阜大学のスピードが緩んだ
その瞬間に スプリントした
そのままゴール
勝った!
岐阜大学に(笑)
29位/完走72人
先頭から3分25秒遅れだった
ゴール後 BBの選手が
「すいません脚が無くて」と言いに来てくれた
真岡工業の彼は 9位入賞して
景品をゲットしていた
その後 着替えてクリテリウムの撮影
取材でお世話になった選手や監督たちとご挨拶
こっそり来季のチームを聞いたり(笑)
レース中は痛く無かった体だが
撮影が終わると 突然いたみ出す
両肘と右脚の擦過傷はジンジンするし
右手が上がりにくく
左ひざ裏が妙に痛む
とんだお土産をもらっちまったなあ
夜
Raphaのポップアップショップに行くと
代表の矢野さんがいた
BS1スペシャルが面白かったと言ってくれた
年に一度ぐらいしか会わないけど
私の番組を応援し続けてくれる1人
また一緒に何かやりましょうと話して 別れた
泥だらけのバイクを洗車したら
リアディレーラーのテンションボルトが折れていた
そりゃギヤが変わらないわけだ…
なぜか同じ規格のチタンボルトが家にある奇跡(笑)
これで次のロケに無事行ける
さあ6時間後には飛行機に乗って
次の現場に行って来ます★
追伸:あとで調べたら 岐阜大学ではなく岩手大学でした(笑)
朝 車を運転して現地入りすると
走れたためしが無いので
数時間しかなくても ホテルを取ることにしている
窓の外は雨
滑りやすいウェットコンディションになるのは
間違いない
6時起床
今日のレースは距離が短い(21km)ので
バナナ1本 クリフバー1個
カロリーメイトジェルを飲んでおしまい
7時半 会場近くの駐車場へ
農道が臨時駐車場になっていた
イベント開始前に
アップがてらコースを1周
どこで崖崩れがあったのか分からないほど
見事に綺麗になっている
主催者の皆さんが大変な労力をかけられたことがわかる
古賀志林道をゆるゆると上る
ボンヤリしていたカメラマンが
レースが始まったのかと勘違いして
慌ててシャッターを切っていた(笑)
280W(体重のちょうど5倍)で4分半
ほとんど息が切れない
調子は良さそうだ
しかし今日の1番の難関は
ウェットな下り坂だ
試走の時はノーブレーキで行けたコーナーが
今日は後輪が流れてしまって
ブレーキなしでは行けなかった
下りでアドバンテージを作るのは難しそうだ
9時40分スタート地点に集合
周りを見て ビックリした
大学生だらけなのだ
まるでインカレにおっさんが1人まぎれ込んじゃった感じ(笑)
大学の自転車部を相手に走るのか…
しかも全日本選手権に出てたような人もちらほら
完全に自信喪失
いよいよレースが始まる
ジャパンカップ・チャレンジレース
10.3kmのコースを2周する 距離20.6kmの短期決戦
9時50分
第1組がロケットスタートしていった
それを見た第2組の選手たちが
「最初すげー上がるんだよ」
「置いて行かれたら終わりだ」
と囁きあっている
うむ
ロケットスタートなんてするもんか
巻き込まれないようにしよう
9時53分 号砲が鳴り第2組がスタートした
全員が「スプリントだっけ?」と思うほどの勢いで
ロケットスタートしていく
このまま2キロ先の古賀志林道の頂上まで
突っ走るつもりらしい
350Wぐらいに抑えると
どんどん抜かされていく
気づいたら最後尾近くまで下がってしまった
いよいよ問題の「古賀志林道」に突入する
距離1.1km 平均勾配9%の激坂だ
ダンシングでガンガン上っていくライバルたちを尻目に
ひたすらシッティング
濡れた路面でダンシングすると 効率が悪い
330Wほどで淡々と漕ぐ
半分ぐらい上ると
なんだか上から人がどんどん降ってきた
スタートからここまで飛ばしすぎた オールアウト組だ
面白いほどたくさんの人を抜かしていくと
最後のつづら折れで先頭を視界に捉えた
先頭との差は20秒ぐらいか…
おそらく20番手ぐらいだろう
328W
3分48秒
問題の下り坂へ
みんな慎重に下っていく
慎重すぎて遅いので 何人かパス
無事に下り終えた
3kmほど続く平坦区間に入る
みんな平坦が恐ろしく遅い
これはきっと ロケットスタートの代償だ(笑)
アップアップな顔をした4人のパックに合流
100mほど前に5人ほどの集団が見えたので
「あれにジョインしよう!」と声をかけ先頭を引く
振り返ると 付いてきたのは
栃木の真岡工業高校の学生1人だけ
キツそうな顔しているので
そのまま引き続けて5人に合流
その5人もアップアップな顔して
スピードが上がらないので
さらに200mほど前の7人ほどの集団を目指してブリッジ
振り向くと 真岡工業の学生が
付いてきていた
「そろそろお前も引け!」
と言ったら
「すいません!」
と叫んで 前を引いてくれた
1周目完了のホームストレッチで
前方の7人に合流
よく見ると その前に審判車両がいる
てことは これは先頭集団だ!
表彰台の可能性もゼロでは無いというわけだ
2度目の古賀志林道
やっぱり先頭は速いが
1周目ほどの勢いはない
もちろん私も1周目の勢いはなく(笑)
293W
4分14秒
先頭集団のケツについて 2度目の下り坂へ
第1組の選手たちがこぼれ落ちてくるのを
避けながら下っていると
2人のスローダウンした選手がいた
前の7人はうまく避けて前に行ったが
私はどうしても 道のど真ん中を走る2人を抜けずにいた
このままでは7人に置いて行かれてしまう…
スタート前は どうせ勝負にならないから
自己ベストで走ろう なんて思っていたのに
目の前にニンジンがぶら下がると
突然目の色が変わってくる
私は ニンジンに目が眩んで 焦り始めた
その時
右コーナーで後輪がヌルリと滑った
あ こりゃダメだ…
右ひじを強打して落車した
真岡工業の生徒が「落車!」と叫んで追い抜いて行った(笑)
今日のレースが終わってしまった
ぼんやりと立ち上がる
しかし 天を仰ぎたい気分を押さえ込む
体に痛みはない
そしてレースはまだ続いている
このまま捨てるなんて納得できない
外れたチェーンを直して再び自転車にまたがる
しかしどうしてもギヤチェンジができない
もう一度自転車から降り
ディレーラー(変速機)を確認する
目の前をライバルたちが次々と通り過ぎていく
結局異常は見当たらないまま
固定ギヤでゴールを目指す
固定されたギヤは「7速」
だいたい300Wで漕ぐとちょうどいいギヤだ
つまり300W縛り(笑)
抜かされた人たちを抜き返す
とはいえ 順位なんてどうでも良いので
「ほれ行くぞ!」「後ろ付いて!」と声をかけると
1人付いてきた
ブラウブリッツェン(プロチームの育成チーム 以下BBと呼ぶ)の選手だ
しばらく前を引いて 交代を促したら
頑張って長めに前を引いてくれた
ゴールまで残り1km
前方には ポツンと選手が1人見えるだけ
私は一体何を目指して走っているのだろうか?
終わったレースで何を一生懸命走っているのだ?
答えるのが虚しくなって 考えるのをやめた
あと1kmでゴール
それだけが真実だ
結果が用意されていなくても できることをやっておきたい
前方の1人にじわじわと近づく
岐阜大学と書いてある
体格は大柄だ
私の前を引くBBの選手も大柄だ
3人で勝負になったら 分が悪い気がした
なんとかしなければいけない
まずはBBの選手を切り離したい
残り500mの坂で先頭交代し BBの選手の前に出る
じわじわとパワーを上げる 350W
これ以上あげると ゴール勝負に差し支える
振り向くと BBの選手はちぎれかけていた
よし! とそのまま踏み続け
岐阜大学にジョインする
気づかれるまで 後ろで息を整える
が 岐阜大学は割とすぐに気付きやがって(笑)
先頭交代を促してくる
あと400mでゴールだ ここから引く気は無かったが
後ろを見るとBBがしぶとく追いかけて来ていた
追いつかれたくない私は 岐阜大学の前に出て引き始めた
残り200m
BBは後方10m 牽制してたら追いつかれる位置
岐阜大学は スプリントに備えて着き位置
(私の後ろにベタ付き)
もう前には出ないだろう
このまま前を引かされ続けるのか?
このまま引かされて スプリントで負けるのは癪だ
残り150m
私からアタック
後ろで鼻息が荒くなるのが聞こえた
岐阜大学がすごい勢いで追い抜きにかかる
このままでは負ける
私はいったん 脚が終わったフリをして力を緩め
岐阜大学の後ろに着いた
猪突猛進する岐阜大学
着き位置がやっとだ…と思っていたら
わずかに岐阜大学のスピードが緩んだ
その瞬間に スプリントした
そのままゴール
勝った!
岐阜大学に(笑)
29位/完走72人
先頭から3分25秒遅れだった
ゴール後 BBの選手が
「すいません脚が無くて」と言いに来てくれた
真岡工業の彼は 9位入賞して
景品をゲットしていた
その後 着替えてクリテリウムの撮影
取材でお世話になった選手や監督たちとご挨拶
こっそり来季のチームを聞いたり(笑)
レース中は痛く無かった体だが
撮影が終わると 突然いたみ出す
両肘と右脚の擦過傷はジンジンするし
右手が上がりにくく
左ひざ裏が妙に痛む
とんだお土産をもらっちまったなあ
夜
Raphaのポップアップショップに行くと
代表の矢野さんがいた
BS1スペシャルが面白かったと言ってくれた
年に一度ぐらいしか会わないけど
私の番組を応援し続けてくれる1人
また一緒に何かやりましょうと話して 別れた
泥だらけのバイクを洗車したら
リアディレーラーのテンションボルトが折れていた
そりゃギヤが変わらないわけだ…
なぜか同じ規格のチタンボルトが家にある奇跡(笑)
これで次のロケに無事行ける
さあ6時間後には飛行機に乗って
次の現場に行って来ます★
追伸:あとで調べたら 岐阜大学ではなく岩手大学でした(笑)