◎レッド・ドラゴン(2002年 アメリカ 125分)
原題/Red Dragon
監督/ブレット・ラトナー 音楽/ダニー・エルフマン
出演/アンソニー・ホプキンス エドワード・ノートン エミリー・ワトソン
◎これ、何回目の映像化?
そうおもってしまうくらい、アメリカ国内でトマス・ハリスの原作の人気は凄いみたいだ。
とはいえ、ぼくは、
「監督の撮りたい物を撮るのが本来あるべき映画の姿じゃないか」
っておもってるから、この原作に惚れ込んだ監督が沢山いたんだって受け取りたい。
で、観客としてのぼくらは、もう『羊たちの沈黙』からずっと、アンソニー・ホプキンスの怪物のような演技が愉しみで仕方がない。レクター博士が憑依ってるんじゃないかっておもうくらい凄い。
ただ、今回はエミリー・ワトソンの印象がものすごく強い。まあ、これはハリウッドの得意技といってもいいんだけど、心理活劇で「見えない」という枷は、まさに米映画の独壇場で、本作もいうにおよばず、上手だった。
ただ、愛する相手への信頼と疑惑が揺らいでゆく様はたしかに良だけど、大団円の処理に少し工夫があれば好かったのにと、思わず悔やんでしまう面がないでもない。
でも、悔しいとおもうくらい良い出来栄えだったっていうことなんだろうね。