◇彼岸花(1958年 日本 118分)
監督/小津安二郎 音楽/斎藤高順
出演/佐分利信 有馬稲子 山本富士子 久我美子 田中絹代 笠智衆 佐田啓二
◇赤
小津の初カラー作品で、アグファだという。
なるほど、たしかに赤が効いてる。というより小津の画面をおもいだしてみれば、網膜に残るのは赤だね。まあ題名も彼岸花だし、赤が効いてなかったらどうしようもないものね。
そんなことはともかく、いつの時代も娘が自分の前からいなくなってしまうという過酷な状況に、男は我を忘れてしまうんだね。ここでは佐分利信も中村伸郎も笠智衆もみんなおんなじ立場ってのが悲哀をよけいにそそるように設定されてるんだね。