◎喜びも悲しみも幾歳月(1957年 日本 160分)
原作・脚本・監督/木下惠介 音楽/木下忠司
出演/高峰秀子 佐田啓二 中村賀津雄 田村高広 桂木洋子 夏川静江 仲谷昇 有沢正子
◎若山彰の歌が懐かしい
中学校のときだったか、修学旅行になぜか歌集を持っていった。当時、キャンプだの、移動バスの中だの、なんだかいろんなところで合唱することが多くあって、そのとき、たいがい歌集が渡された。先生たちの手作りなんだけど、たいがい、ロシア民謡だのフォークソングだのといったたぐいのものばかりで、まあ、そういうことで、軍歌やら流行歌やらは当然、入っていなかった。そんなことはどうでもよくて、その中にこの映画の主題歌があった。
ぼくは当時、この作品を観たことがなかったんだけど、なんだかその歌の影響か、えらくその内容が好きで、映画を観る前から好きな映画になってた。実際に観たのはずいぶんと経ってからのことだったけど、社会に出てからリメイクされた。木下惠介の作品は『二十四の瞳』もそうだけど、リメイクされるのがブームだったんだろうか。
で、そのリメイクに、ひとり、若手の女優さんが出た。篠山陽子さんという人で、初めてお会いしたとき、とても淑やかで、その綺麗さに驚いた。聞けば、この作品のリメイクに出演したという。なんでかといえば、彼女のお母上はこちらの旧作に出演されていたとのことで、誰なのかとおもえば有沢正子だった。へ~っとおもった。
篠山陽子さんはそれからすぐ『はいからさんが通る』に出演して、南野陽子ちゃんの友達役だったんだけど、やっぱりどえらく綺麗だった。でも、その後、たしか米国に留学してハリウッドを訪ねたはずで、でも、まもなく女優はやめてしまったんじゃなかったかな。惜しいなあと、ずっとおもってる。