◇レジェンド・オブ・フォール 果てしなき想い(1994年 アメリカ 132分)
原題/Legend of the Fall
原作/ジム・ハリソン『Legend of the Fall』
監督/エドワード・ズウィック 脚本/スーザン・シリディ、ビル・ウィトリフ
製作/エドワード・ズウィック、ビル・ウィトリフ、マーシャル・ハースコヴィッツ
撮影/ジョン・トール 美術/リリー・キルヴァート
衣装デザイン/デボラ・スコット 音楽/ジェームズ・ホーナー
出演/ブラッド・ピット アンソニー・ホプキンス ジュリア・オーモンド カリーナ・ロンバード
◇20世紀初頭、モンタナ
ふと、おもったんだけど、日本の田舎でもこの映画はそのまま成り立つんじゃないかと。
とある田舎に大地主の家があって、まあ、時代は明治から大正にかけてのあたりで、三人の息子をもった豪農がいたとしよう。
その末っ子が許嫁をつれて家に来るんだけど、そのとき、長男も次男もそろってその美貌に惑溺しちゃうんだ。で、兄弟三人がいっぺんに日露戦争とかに出征しちゃって、まったく不運なことに三男坊が死んじゃう。当然、許嫁は泣き崩れるんだけど、それを次男が慰めちゃう。ところが、次男は彼女を家に残したまま、海外に行っちゃうんだな。このあたりは次男がヒロイズムに包まれてるんで仕方ない。
で、しばらくして帰郷すると、村から町へ出た長男は事業で成功して、議員にもなって、許嫁も嫁にしてる。父親だけが村に残ってて、しかも足を悪くして動けず、老い耄れてる。そこへちょっとわけありな女が流れてきて次男とできちゃうんだけど、次男が警察沙汰になったとき、その女が流れ弾で死に、次男は牢に繋がれちゃうんだ。すると、長男の嫁になったはずの許嫁が面会に来て、恋慕の情を告げるんだな。
けど、次男が拒絶しちゃったもんだから、行き場もなくなった許嫁は自殺しちゃう。なんだか大変な状況になったところへもって、次男がさらに女を撃ち殺した警官に復讐しちゃったもんだから、事はいよいよ大変になるんだけど、これを父親と兄が救うわけだ。で、次男はふたたび海外へ向かうんだけど、ここで大団円。
あらま、日本に置き換えても十分に兄弟の骨肉の恋愛劇になっちゃうのね。
ということは、結局のところ、20世紀の初頭という時代は、どこの国でも似たような大家族がいて、社会はなんとなくキナ臭くて混沌としてるってことなのかしら?
でも、それは同時に、似たような物語もまた作り易いってことなんだよね。
ま、そんなことはいいけど、アンソニー・パーキンスはやはり好いわ~。ブラッド・ピットはもうすこし野性味があってもいいかなって気がした。ま、そんなことはなにもかも吹き飛ばしちゃうくらい、画面は美しく、このために感情を抑えた演出にしてるって感じだったけどね。