△銭形平次捕物控 鬼火燈篭(1958年 日本 99分)
原作/野村胡堂『銭形平次捕物控』
監督/加戸敏 脚本/小国英雄
撮影/牧田行正 美術/上里義三 音楽/鈴木静一
出演/長谷川一夫 香川京子 淡路恵子 岸正子 太田博之 黒川弥太郎 伊達三郎
△世代の差をしみじみと
ぼくの場合、銭形平次といえば大川橋蔵だ。
舟木一夫の歌とセットで、三ノ輪の万七の遠藤太津朗も強烈だった。遠藤さんはまあなんというか、橋蔵さんの引き立て役だったけど、あのブルドッグのようなこわもてさと愛嬌が魅力的だった。香川美子のお静もよかったしね。
だから、どうしても長谷川一夫の銭形平次はしっくりこない。
でもまあ、団塊の世代以上は長谷川一夫なんだろね。観客だけじゃなくて、舞台のようなセットと芝居で、みんなが揃って長谷川一夫をひきたててる。平次と島帰りの清次の一人二役は十八番なんだろうけど、頭巾を被って女装までという、雪之丞ばりのサービスに、縛り吊るされるという悲愴美まで、いやもうゲップが出るくらいに盛り沢山。
まあ、フアンのための映画ってことで。