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逃亡列車

2008年12月24日 01時56分23秒 | 邦画1961~1970年

 ◇逃亡列車(1966年 日本 94分)

 英題/The Last Escape

 原作/渡辺明『逃亡列車』

 監督/江崎実生 脚色/池上金男、宮川一郎

 撮影/横山実 美術/大鶴泰弘、坂口武玄 音楽/山本直純

 出演/石原裕次郎 伊藤雄之助 十朱幸代 中尾彬 山内賢 川津祐介 小松方正

 

 ◇飛べフェニックス!邦画版

 ぼくの父親は学徒動員で関東軍に配属された、らしい。

 で、終戦時、満洲里にいた、らしい。ちょうど演習していたときに終戦だったようで、そもそも父親たちはさぼって西瓜を食べてた、らしい。けど、そんなにのんびりしてられる状況でもなく、ソ連が攻めてくるのに部隊はまるで動かない。で、父親たちはなにをしたかといえば、脱走した、らしい。上官を殴り倒して貨車を強奪して逃げた、らしい。

 父親から直接に聞いたわけではなく、ときおり、父親と知り合いが話をしているのを横で聞き耳を立て、ぼくなりに話を総合してみたところ、そんな感じの情景になった。だから、どこまで正確かわからないけど、まあ、そんなようなことがあったみたいだ。

 当時、父親の実家は大連にあって、その淡路町という大通りで小さな会社を経営してたんだけど、終戦後、大連広場ちかくにある神明町の家へ父親が帰ったときは真夜中で、門をたたいても誰も出てこず、やがて家人の誰かが応対したんだけど、父親は戦死したことになってたらしく、おまえは幽霊かカタリだといわれ、仕方がないので門の前で寝て、ようやく朝になって家の者が起きてきて、

「あれま、ほんものだ」

 ということになったそうだ。

 ま、終戦の頃は、どこもかしこもそんな混乱状態で、だいたい想像はつくんだけど、で、この映画だ。

 満洲国境の町、図們。終戦間際、ソ連軍が南下する一方で、抗日ゲリラの襲撃に見舞われる独立鉄道第30大隊の話なんだけど、いやまあ予想より面白かったものの、裕次郎が語学も銃撃も博打も出来て女にもモテルという設定が、どうにも現実離れして厭味な感じすら受けるのは、たぶん、ぼくがまるで反対の人間だからだろう。

 東亜同文書院を脱走した似非中国人に扮した伊藤雄之助は、好演。

 でもな~主題歌は勘弁してちょうだいな。

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