▽ジャッキー・コーガン(2012年 アメリカ 97分)
原題 Killing Them Softly
監督・脚本 アンドリュー・ドミニク
出演 ブラッド・ピット、レイ・リオッタ、リチャード・ジェンキンス
▽アメリカは国家じゃない、ビジネスだ
ちょっとしょぼすぎないか?
ていうか、ラストの台詞も含めて、なんだか空回りしちゃってるような印象が。
憐れなくらい過疎化したルイジアナ州ニューオーリンズの賭場が2008年の大統領選の真っ最中に強盗に遭い、その犯人を懲らしめるために雇われたブラッド・ピットの話なんだけど、まるで出てこない。途中でマックウィーンの『華麗なる賭け』の「風のささやき」が掛かるけど、自虐や皮肉や滑稽を通り越して無残だ。映画が始まって45分、ブラッド・ピットが登場したのは殺しを請け負う車の中だけで、時間にしたら5分もないんじゃないかしら。たしかにそれから後半はブラピ中心に物語は運ぶし、車をならべてレイ・リオッタを射ち殺す超スローはスタイリッシュだったけど、ちょっとな~。
ていうか、もともと150分あったものをむりやり97分にしたみたいだから、どうしても話は小さくなってるんだろうし、そもそもサム・シェパードが出てるはずが「いったいどこにいたんだよ?!」てな状態になってる。批評家たちの評判はすごくいいらしいんだけど、う~む、ぼくは批評家にはなれないな。