Kinema DENBEY since January 1. 2007

☆=☆☆☆☆☆
◎=☆☆☆☆
◇=☆☆☆
△=☆☆
▽=☆

マイヤーリング

2022年07月16日 17時55分34秒 | 洋画1951~1960年

 ◇マイヤーリング(Mayerling)

 

 なるほど『うたかたの恋』なのね。

 ってそんなことはどうでもよくって、もしかしたら、これは奇蹟的な映画なんじゃないってことだ。これ、テレビ映画なんだけど、1957年当時はテレビドラマは生放送だったようで、この75分の映画にしては決して長くない尺でも一気に衣裳もセットも変えて舞台のように一発本番なんてことをしたってこと自体が、奇蹟以外のなにものでもない。

 オードリー・ヘップバーン(ヘプバーンっていう呼び方はどうもね)もたいしたもんだなっておもうけど、これは、撮影する方も必死だったろうなあ。

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ルーキー

2022年07月15日 17時33分21秒 | 洋画1981~1990年

 ◇ルーキー(The Rookie)

 

 だれるな~。

 ひと言でいってしまうとそうなるんだけど、まあ、円熟味いっぽ手前のクリント・イーストウッドだね。

 ララ・フリン・ボイルもチャーリー・シーンもまるきり印象が薄い。

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嘘八百

2022年07月14日 01時56分52秒 | 邦画2018年

 ◇嘘八百

 

 出だしはおもしろかったんだけどな~。だんだんと小器用な演技が鼻についてくる。まあ、狙いがコメディなんだからこういうものかもしれないんだけど、なんだかね。

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マネー・ピット

2022年07月13日 00時26分17秒 | 洋画1981~1990年

 ◇マネー・ピット(The Money Pit)

 

 スピルバーグはどうやらスラップスティックが好きらしい。

 だって『1941』を観ればよくわかる。ジョン・ベル―シーがつぎつぎにこれでもかとばかりに破壊してゆくんだけど、トム・ハンクス主演の本作もコメディという範疇で考えれば、スピルバーグの破壊的な衝動とロマンチックな趣味の融合した新居改修喜劇で、しかし、とにかくはちゃめちゃになる。実際にこのような屋敷は、まあ、ないわね。

 

 

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風をつかまえた少年

2022年07月12日 23時44分40秒 | 洋画2019年

 ☆風をつかまえた少年(The Boy Who Harnessed the Wind)

 

 おもしろかった。

 監督・脚本・出演を果たしたキウェテル・イジョフォー、たいしたもんだな。

 世界最貧国のひとつマラウイでほんとにあった話をもとにしてるらしいんだけど、いや、なるほど風をつかまえて自転車のダイナモで発電するというのは誰でもしそうなことだし、できそうなことではあるけれども、それを実際に14歳の子供が父親の無理解のもとで廃材を集めて発電させてみせるっていうのはなかなかできるものじゃない。しかも、この風をつかまえた風車でポンプを回し、地下水をくみ上げるなんて、まず考えない。けれど、実際にそれをやりとげてこうして映画化されてるわけだから、うん、すごいね。

 で、この本人のウィリアム・カムクワンバ氏が20歳になったときに本を書き、23カ国で翻訳されて、タイム誌の「世界を変える30人」に選出され、キウェテル・イジョフォーが注目した。なんてすごい話だ。いや、おもしろかったぞ。音楽がまたいいし。

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つぐない

2022年07月11日 00時17分18秒 | 洋画2007年

 ☆つぐない(Atonement)

 

 ジョー・ライトの手堅い演出で、淡い初恋を大好きだった姉キーラ・ナイトレイと自分の憧れの対象だった若き使用人ジェームズ・マカヴォイの情事によってずたずたにひきさかれた少女シアーシャ・ローナンの心情と、それをひきずった初老の作家バネッサ・レッドグレーブの贖罪の気持ちとが上手に描かれてる。ま、強姦した犯人役が若き日のベネディクト・カンバーバッチってのが驚きは驚きなんだけどね。

 ただ、なんとも文芸調の物語に仕上がってる感じだな~と、のんびりして観てたら、うわ、圧巻の場面が用意されてた。

 ダンケルク、5分を超えるワンカットだ。

 凄い。

 

 

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レポゼッション・メン

2022年07月10日 20時41分01秒 | 洋画2010年

 ◇レポゼッション・メン(Repo Men)

 

 乱暴な臓器回収、抜け忍かよ、ところどころ無理矢理だな、という印象を即座に受けた。

 まあそれはそのとおりで、けど、考えてみれば、荒唐無稽な分、現実の臓器売買の背景とか借金の取り立てが臓器で肩代わりとかって話からすれば、オブラートに包んだような物語なんだろうなって。SFにすることで、現実の人間臭いどろどろしたところや深くてどうすることもできない悲しみから活劇に転化することができたりするわけだから。

 なんかね~。

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ブリッジ・オブ・ヘル 独ソポーランド東部戦線

2022年07月09日 23時46分28秒 | 洋画2015年

 ◇ブリッジ・オブ・ヘル 独ソポーランド東部戦線(Edinichka)

 

 しかし、橋がチンケだな~。

 歩いても渡れそうな川にかかったこんな小さな橋をめぐる激戦とかいわれてもなあ。

 ところで、第二次世界大戦についてドイツは国をあげたかのような調査と反省が繰り返され、まあ逆な宣撫工作といわれても仕方ないかもしれないけど、とにかくナチスを糾弾するような映画が作り続けられているのに対し、旧ソ連のロシアはソ連のしでかしたことへの回顧はあっても反省はないのだろうかっていう気がしないでもない。

 監督のキリル・ベルビッチとしてはなんとなくハリウッドの人間愛と正義と義憤のただよう局地戦にして、教会なのか保育園なのかよくわからないけどともかくそこに匿われている子供たちの命を救うことに重点が置かれ、そこへ容赦なく攻撃してくる無慈悲なドイツ軍を邀撃するのを描こうとしているんだけど、なんかなあ、これだったらコンバットとどこがちがうんだろうっておもったりするのだよ。

 とにかく、いちばんの問題は主人公が誰だかよくわからんってことかな。

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三度目の殺人

2022年07月08日 00時51分25秒 | 邦画2017年

 ◇三度目の殺人

 

 誰を裁くかは、誰が決めるんですか?だっけ。

 うん、おもしろかったよ。

 役所広司じゃないと物語が成立しづらいかな。上手だね。

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ナチスの愛したフェルメール

2022年07月07日 22時53分29秒 | 洋画2016年

 ◎ナチスの愛したフェルメール(Een echte Vermeer)

 

 なるほど、ハン・ファン・メーヘレンがいかにしてフェルメールの絵に酷似した作品を描いたのかって話ね。

 300年前の顔料だとおもいこませるための絵の具というか樹脂を調合してゆくときに、Symphony No. 7 : Allegretto on Spotify. Ludwig van Beethoven が掛かるんだけど、これ、使いやすい曲なんだろうなあ。この四半世紀、なんべんもBGMにされてる。

 ま、それはともかく、邦題はちょっとちがうな。

 ユルン・スピッツエンベルハーは熱演してるけど、残念なことに顔が徐々に薄らいでいく。見慣れてないせいもあるんだろうけど、そこへいくと、ちょっと崩れた印象はあるけど、リゼ・フェリンは強烈だね。ナチの制服を裸体に羽織ってモデルになっているとき『愛の嵐』をおもいだしたけど。

 よくわかるのは、結局のところ、自分の描いたものを褒められたらそれを破り捨てることなんてできないってことだよね。とはいえ、フェルメールとおもわせて金を稼ごうとした時点で、どう言い逃れようとも贋作なわけで、当時の裁判でフェルメールの絵には価値があるがメーヘレンの絵には価値はないのだと断定されるのは妥当だったんじゃないかって気もする。たとえ、それが現代では別な価値基準で独立した作品になっているとしても、動機を変えることはできないものね。

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湿地

2022年07月06日 22時16分17秒 | 洋画2006年

 ◎湿地(Myrin)

 

 アイスランドのレイキャビックが舞台となれば、こりゃもうどんよりした空の下の暗い物語になるだろうなあっていう偏見をまったくもってそのとおりに見せてくれた。そういう意味での期待は、はずされなかった。ほんと、なんとまあ荒涼としたロケーションだろう。だけじゃなく、ドライブスルーで普通に羊の頭の丸焼きをくれとかいって買えるのもすごい。食文化の違いなんだけど、この羊の頭蓋骨の比喩、バルタザール・コルマウクル、見事な演出だったね。

 でも、イングバール・E・シーグルズソンが登場してきたとき、まさかこの顎鬚の還暦まぢかなおっさんが主役の刑事だとはおもわなかった。でも、誰の種かもわからない子を妊娠した麻薬中毒の娘オーグスタ・エヴァ・アーレンドスドーティルをかかえて、狭い凍てついた町で奮闘しなくちゃいけない老年の刑事ってのも辛いもので、こりゃあ、悲哀をとおりこして悲劇に近いんじゃないかっておもってたら、事件の中身はもっと冷酷なものだった。

 30年前に強姦されたことで神経線維腫症のウィルスに侵され、そのために母親から息子に、さらに娘に遺伝して死を迎えざるを得なかったことで生まれた殺意による事件なわけだけれども、この全容がわかるまでに複数の縦軸が用意されていて、つまり、臓器を保管している通称「瓶の街」の住人つまり研究者がその息子アトゥリ・ラフン・シーグルスソンなんだけどこの軸、これにメインの軸になるイングバール・E・シーグルズソンの地道な捜査が交互に語られるんだけれども、これが複雑なんだ。

 のっけから、なんの予兆もなく物語が始まるものだから、湿地っていったいなんのことだよ、この舞台になってるところが湿地なのかっていう疑問も束の間、どんどん物語は進行して、やがてかつてのレイプ犯のひとりが殺した死体を床下に隠してるんだけれども、その家が湿地を埋めたところに建てられているものだから、地面を掘れば水が湧いてくるため、そこで死体が腐乱してるっていうとてつもなく気持ちの悪い展開になる。

 いや~二度観たい映画じゃないけど、おもしろかったわ~。

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ゾンビランド

2022年07月05日 21時15分11秒 | 洋画2009年

 ◎ゾンビランド(Zombieland)

 

 胃弱のひきこもり童貞青年ジェシー・アイゼンバーグは、なにか食べるとトイレに行きたくなる。紙はちゃんと畳んで使う。そう、繊細くんはそのとおりなんだ。ゾンビを相手どって戦うときも、ルールをつくる。それも、32個。そう、オタクはそうでなくちゃいけない。わかってるじゃないか。手を叩いて笑うたわ。

 いや、おもしろかった。

 実在する究極のジャンクフードその名もトゥインキーに溺れるウディ・ハレルソンもそうだが、エマ・ストーン、アビゲイル・ブレスリンといった蓮っ葉なのか現代的な偶像なのかわからない女の子ふたりとも、がんばってる。なんといっても、ビル・マーレイが本人役で登場してきたのには、びっくりしたわ。

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オペレーション・フィナーレ

2022年07月04日 23時18分15秒 | 洋画2018年

 ◎オペレーション・フィナーレ(Operation Finale)

 

 アドルフ・アイヒマンをイスラエル諜報特務庁(モサド)が逮捕するという事実について真正面から描かれたことってあったんだろうか?すくなくとも、ぼくは知らない。もしこれが初めての試みだとしたら、クリス・ワイツ、目の付け所がよかったんじゃないかな。

 アレクサンドル・ディスプラの主題曲も不気味さがあっていいし、カフェで流れるエル・チョクロも雰囲気が出てる。

 これまでは、アドルフ・アイヒマンを追いかけるフィリッツ・バウアーの物語がやけに多い気がしてたんだけど、今回はのっけからアイヒマンが登場する。ちょっと、雰囲気が違うんだ。オーストリアで人間違いで、別な潜伏ナチスを殺すところが導入っていうのもそうだ。

 拉致して監禁した古舘でオスカー・アイザックとベン・キングズレーのふたりのやりとりがたぶんいちばんの見せ所で、裁判で語られなかったアイヒマンの告白ってことなんだろね。同時に語られるのが姉が3人の子供たちと一緒にルブリンの森で撃ち殺されたことだけど、床屋になりたかったというオスカー・アイザックはその憎悪をこらえてゾーリンゲンの剃刀でベン・キングズレーの髭を剃ってやるわけで、このあたりの演出はいい。

 なるほど、飛行機に乗せちゃったら最後のサスペンスにならんとおもってたら、離陸許可証を盗みとられて、走るのか、オスカー・アイザック。つか、アイヒマンの裁判のときに、メラリー・ロランのお腹が大きくなってるのを傍から見るんだけど、え、父親じゃないわけ?てなことをおもってたら、クレジットタイトルのときにモデルになったピーター・マルキンが2005年に他界したときに妻と子を残してとあったから、あ、そゆことねと納得したけどさ。

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DUNE デューン 砂の惑星

2022年07月03日 20時27分52秒 | 洋画2021年

 ◎DUNE デューン 砂の惑星(Dune : Part One)

 

 そうか、このティモシー・シャラメって憶えがあるなあっておもってたら『君の名前で僕を呼んで』の主演か。っていうくらいの影の薄さなんだけど、なんとなくカイル・マクラクランの後継って感じはしないでもない。ただ、なんとまあ、今回のドゥニ・ヴィルヌーヴ版は『DUNE』5度目の映像化なのね。1984年のデイヴィッド・リンチ版しか知らずにきたからなあ。

 とはいえ、まあ、愉しめた。砂虫のなんとまあ美しい口。それにしても毎度のことながら、この物語を観るたびに『風の谷のナウシカ』をおもいだすわ。秘密結社ベネ・ゲゼリットに属する母にして公爵の愛妾レベッカ・ファーガソンと、アトレイデス公爵のオスカー・アイザックはよかった。フレーメンの部族長がハビエル・バルデムってのもまあ妥当だね。

 にしても、映像は見事で、グリーグ・フレイザー、上手だな。

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リトル・シングス

2022年07月02日 20時49分15秒 | 洋画2021年

 ◇リトル・シングス(The Little Things)

 

 さすがに四半世紀も眠っていただけのことはあって、目新しいところはなにひとつない物語なんだけど、観てて「あれ、どうして携帯電話を使わないの?」っていう錯覚をおぼえるくらい1990年当時のままだった。こだわりがあって1990年になってるわけじゃないところが辛いな。この売春婦連続殺人事件の犯人が未確定なまま続編ができるっていう前提ならいいんだけどね。

 でも、ジョン・リー・ハンコック以外に脚本も監督もする人がいなかったくらいな話なんだから、彼が動かないかぎり無理なんだけど、でも、腹がたっぷりと出たなかば引退したも同然の心臓疾患を抱えた刑事デンゼル・ワシントンがそのまま続編ってわけにもいかないだろうし、なんせ、落ち度っていうか過失傷害致死を連続して隠蔽してる刑事たちをどうやって奮起させるのかって物語になるわけで、こいつはかなり暗いぞ。

 ところで、ラミ・マレックはエジプト顔そのままでいるととっても気弱な好い奴にしか見えないから、これをどうやって演出するのかってのは難しかったろうなあっておもったりする。それはやっぱり腹のぽってりしちゃったジャレッド・レトを猟奇犯罪マニアに仕立て上げるのが大変だったろうなっておもえるのとおんなじだ。

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