Creator's Blog,record of the Designer's thinking

フィールドワークの映像、ドローイングとマーケティング手法を用いた小説、エッセイで、撮り、描き、書いてます。

ヴァーチャルアイランド・プログラム32.

2009年02月06日 | Design&3DCG
 仮想環境に現状地形図ができたら、ここからさきはこれまでの環境デザインの方法が踏襲できる。
 ここでは、島の将来ビジョンとなるマスタープラン(総合計画)づくりを行った。サスティナブルな環境形成のために、先ず数段階の土地利用のルールを設定した。島のレンダリングをしながら、一番風景明美な地域には、一切の開発行為ができない環境保全地域とし、集落に隣接し、島の将来の生計や産業のためにある程度の開発ができる環境形成地域とした。これらを両極とし、このあいだに緩やかな保全と開発の度合いを設定した地域をいくつか設けた。
 さらに開発のための地区を限定し、図ではブルーに塗り分けた範囲とした。といった具合に、環境保全と、島の生業となる開発との調和を目指したマスタープランとしている。そしてクリーンで囲んだところが、重点的に整備してゆきたいデザイン戦略地区である。
 オペーションは、難しいことはなく、現状地形図を用いて、環境保全と開発の考え方を、その人なりのコンセプトに基づいて、土地利用計画として作成すればよいのである。ここでは、主にIllustratorの作業が主であった。もちろんレンダリングしながら、ベストビューをさがすという、フィールド調査は伴ったが。
 実際に、世界のリゾートをみれば、大変優れた総合計画が多い。優れた環境をつくるためには、こうした緻密なフィールド調査に基づき、高度な戦略性や施策を秘めた総合計画が基本になるのである。それなくして、環境保全などできない。そんなことを、理解してもらうためのプロセスである。
 ところで、我が国!?。まあ付け刃みたいな計画は、私も自治体や企業の報告書でみたことがありますが、ビジョンやイメージをしっかり踏まえた環境計画はないですね。

制作:2005年
コメント
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