Creator's Blog,record of the Designer's thinking

フィールドワークの映像、ドローイングとマーケティング手法を用いた小説、エッセイで、撮り、描き、書いてます。

番外編120. 土門拳

2015年04月12日 | field work
 EOS1DsMark3を少しばかり使用してみた。なにしろ2007年に発売され、2012年まで5年間製造されていた機種だから、そう古くはない。
 さて、EOS1シリーズでは最高画素数なのだが、フィルムカメラをそのままデジタルにしたという案配だ。光学式ファインダーもキャノンにしては大変優れている。だからすべてフィルム感覚で撮影でき、画像もフィルム感覚のようだ。空気感があり被写体に忠実な色にしてくれるようだ。多分基準に忠実なのだろう。
 しかしやたらに重たい、大きい、それにインターフェースが大変古くさい。その最たるのは、人物とか風景といった具合に被写体によってモードが設定されているなんて言うのは全く使えたものではない。本来ならばオリンパスのようにカラーの属性で仕分けるべきだろう。いまでもこんな古くさいモードを使っているのだろうか。それにISOオートシフトがないのは致命的等々と、欠点をあげればきりがない。また大学のロッカーにしまい込まれるだろう。
 その致命傷は、フィルム時代のレンズシステムを活かそうというあたりにあるのだと思われる。オリンパスのようにデジタルに最適化したシステムにしてくれればよいのに。フォトグラファーというのは随分保守的なんだなと思った。といって古いレンズが生きるのだから、まあ良心的な20世紀の遺産なのだろう。私の結論を言えば、遺産だから当然オリンパス以下。
 さてEOSのファィンダーならば手元にあるカールツァイスのレンズがマニュアルで使える。今度はこれを試してみよう。こちらには、フルサイズレンズも一度は本来のフルサイズで十分に使ってみたいという考えがある。目下E-M1を水中ハウジングにセットしているので、その間の試みにすぎないのだが。
 さて古い写真集「土門拳の昭和」が置いてあったのでこれに見とれていた。何しろ戦前の日本の風景もある。写真家土門拳が、キャプションによればライツⅢf、それにレンズは表記がないが、多分ヘクトール135mmだろうか。土門拳は望遠レンズを多用していたから、うなずけるカットである。もちろんピントを合わせ、違うファインダーで被写体をのぞきといった具合に二度手間の撮影になるが、数多くの名作を残している。

EOS1DsMark3,EF50mm/f1.8
ISO400,露出補正+2/3,F4.0,1/100
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする