Creator's Blog,record of the Designer's thinking

フィールドワークの映像、ドローイングとマーケティング手法を用いた小説、エッセイで、撮り、描き、書いてます。

PNE LIFE1588. 小説:小樽の翆8. 一寸枕物語

2020年01月25日 | Sensual novel

 

 外は吹雪いているから街の灯りも霞んでいる。気温は零下だ。木賃アパートの部屋はストーブがついている。翆が布団を敷いている。

かわゆい枕じゃん。

翆「一寸遊郭風で遊んでみた、冷たい景色ばかりだから赤い色に憧れるのかな?・・・」

はよ!、お布団、ゆこうよ。

・・・

翆「初めて会った時の事って覚えてる?」

うん、たしかもう10年近く前に仕事で小樽に来て、ホテルの夜は退屈だというので、タクシーの運転手さんにつれていってもらった。そしたら、運転者さんは、キャバレーですか?、というから、ちゃうちゃう、静かにお酒が飲めるスナックでいいよ。それで房ちゃんの店にいったんだ。

翆「私そのときナースをやめたばかりで、暇があったから房チャンのお店でアルバイトしていたんだ。そこへさっそうとやってきた。あら、覚えているじゃん。」

あたりまえだよ。

翆「じゃ、私との初セックスは?」

お酒飲んでいたから記憶曖昧・・・

翆「お店が閉まってから、その足でご飯食べにいって、それから貴方のホテルでしょう!、でっ、いきなり私を裸にして、ベッドの上でうつぶせにして、腰をグイッと持ち上げて後ろから入ってきたでしょう。乱暴だったけど新鮮だったよね、」。

ああっ!、こんなのはじめて・・・、と聞いたのは覚えている。

翆「あたしそんなこといった?」

うん、その言葉だけ記憶にある。そのときのことを再現しようか?

翆「やだん!、布団の外にでると寒いから普通に重なってるやつでいいよ」。

冬バージョンってわけだ。

・・・

 小樽の夜がジワッジワッとすぎてゆく。雪がやむ気配はない。こうした瞬間って幸せなんだろうと思っていた・・・。

 

OLYMPUS E-P5,LEICA DG Elmarit Asph 45mm/F2.8

ISO200,焦点距離45mm,露出補正0,f/4,1/100

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