Creator's Blog,record of the Designer's thinking

フィールドワークの映像、ドローイングとマーケティング手法を用いた小説、エッセイで、撮り、描き、書いてます。

PEN LIFE1587.  小説:小樽の翆7. ユウコさん

2020年01月24日 | Sensual novel

 

 中国からの寒気団が南下したり低気圧が通過したりで小樽の街は、毎日吹雪いている。今日も積丹半島まで撮影に出かけて、帰りに翆の店に立ち寄った。こんな天気じゃお客も来ないよと店は閑散としていた。

翆「大分前の話だけど、私が通っているスポーツ教室の友達にユウコさんていう主婦がいたの。当時歳は私より上で40代前半かな。もちろん結婚していて3人の子供がいるの。でっ、子供達はみんなアイスホッケーをしていて、一番上は高校生だから試合に出るとユウコさんはお弁当持参でおっかけウーマンをしているわけ。でっ、旦那はスポーツマンでへび年だから何かにつけてしつこいんだって・・・、こんな話の先聞きたい?」

旦那の話じゃ、つまんねぇーけど・・・。

翆「うーーん、ユウコさんの話」

聞く価値ありかな(笑)。

翆「まだインターネットが始まった頃だけど、ユウコさんは出会い系サイトを使っていたの。もちろん会話を楽しむぐらいで。それに当時のインターネットは、今と違ってわりとまともだったのよね。今は、もう恋愛と一緒でインチキが多いけど。」

翆「でっ、あるとき東京の不動産屋のディベさん(ディベロッパー)の男の人と、古い言葉でいえば文通よね!、したての。でっ、結構もりあがって札幌で逢おうということになって、それで私に待ち合わせの場所までついてきて男の鑑定をしてよ!、それで別の席に座ってよさそうだったらサイン頂戴というわけ。でっ、ちゃんとその男性は現れたわけ、トレンチコートをきていて小柄だけどいいじゃん、ユウコとなんか逢いそうだと思ったからOKよ、とサインして私はひきあげたわけ。

 でっ、その晩に意気投合してホテルまでいって燃え上がったみたい。ユウコさんは中肉中背だけど結構プロポーションもよかったし、おっぱいなんか全然たれていないしピンとしているわけ。きっと整形したとおもうんだけどなぁー。あとで3回はやったよ!、って笑っていた。」

主婦の不倫ね、それで?

翆「ユウコさんねぇー、子宮筋腫で子宮とっちゃったのよ、でも卵巣が残っているし、性腺ホルモンが分泌されてセックスは感じるんだって。だからゴムがいらないから、ナマでいれられて男の人もすごく喜んでいたんですって。それで結構かわいがってくれたわけ・・・」

だろうね。あちきもユウコさんに惚れちゃいますねぇー。

翆「そのあとが大変なのよ、ユウコさんはもうへび年の旦那と別れて自立する・・・、貧乏でもいい!、といいだして。きにいっちゃったのよ、その東京のディベさんを・・・、だって若くして結婚して、あまり男の人をしらないままに、子供3人産んでかき回されていたでしょう。だから男の人に対する免疫性がなかったのね」。

やっぱ・・・

翆「それにユウコさんは学校出てからすぐ結婚したから稼げる技能がないのよ、私、それでなにするの?、て聞いたわけ。札幌なら水商売しかないけどなぁーといったの、もう結婚しているから、そんな考え方はやめときな!、って私はいったよ。夫婦が別れるのって結構大変だし、お金もかかるし、手になんか技能があるわけでもないしさ」。

翆「そしたら、しばらくして主婦の座に戻っておとなしくなったみたい、主婦のバランス感覚かなぁー、」。

そっかぁー、しつこいへび年から逃げられないわけだ(笑)。

翆「でもね東京のディベさんとつきあっているときは、ものすごくキラキラしていたんだよ、それを思い出にして地味な主婦して歳をとるんだろうね」(笑)。

翆「でね、これには、後日談があるの!、私、そのディベさんを知る機会があったの。でっ酒飲んでよっぱらった時にユウコさんの話したら、『あそこがしまっていてとてもよかったよ!、3人子供産んだとは思えない、ナマでいけたし』、といってたわけ。彼女、あそこも整形したんだろうか!?、もう、なんだぁーで笑っちまうよ」。

 さて吹雪の中を大正湯によってから翆の木賃アパートに帰ろうか。もう性腺ホルモンもどきを刺激されたから、今夜はタップリ濃密なやつで・・・。

翆「わかってるってぇー、だからこんな話をしたんだよー(笑)」。

 

OLYMPUS E-P5,LEICA DG Elmarit Asph 45mm/F2.8

ISO200,焦点距離45mm,露出補正0,f/3.2,1/800

 

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