Creator's Blog,record of the Designer's thinking

フィールドワークの映像、ドローイングとマーケティング手法を用いた小説、エッセイで、撮り、描き、書いてます。

Design&3DCG161.5番目の建築プラン

2024年10月17日 | Design&3DCG

 京都の夏の気温は37°まで気温が上がった。台風もこず暑いだけの猛暑日が101日続いた。
 そんな最中にアトリエに籠もって嫁のフィリピンの家の設計に没頭していた。これで5案目の建築プランだ。土地があるので前回同様に実現前提のプランとなる。
 フィリピンは、台風、地震、火山噴火と日本と同じ条件でありながら、あえて木造でつくろうという大胆な試みは、タイやミャンマーのバンブーハウスに刺激された。これは竹と鉈でつくろうというもので、フィリピンのバハイボと類似している。だが私は竹の家の作り方は知らない。ならば木造で壁ぐらいは竹を使おうという試みが5番目の提案だ。
 前案では無造作に配置していたBedroomに検討を加え、必要な面積に集約した。その分をリビングルームにあて大人数のパーティーがひらける大きな空間をつくろうと試みた。ここには吹き抜けがあり壁面から光が十分にはいる。そしてキッチンを介して屋外のテラスにも通じる。
 ロフトやトイレや浴室は外側に張り出しリビングやダイニングの使い勝手を優先した。こうすることでキッチンと一体になったダイニングルームができる。さらに1階の寝室からは、ダイニングルームを通らずに浴室やトイレに行くことができる動線としている。2階にもトイレを設け河川の増水時にもトイレがつかえるように目論んだ。従ってトイレは浄化槽がある仕様になるか・・・。
 夏の京都はフィリピンより5°気温が高い。家が完成すれば夏や冬は、半年ぐらいフィリピンに逃亡しよう。そのまま日本に戻らないこともありそうだ。つまりグッバイ・ジャパン!。
 既にアップした過去プラン大きくは3タイプに分類できる。加筆しながらまとめてみた。
 土地が決まっていなかった最初のブランである。どの土地でも配置できるように正方形の2階建てプランとした。2階部分が住まいであり、フィリピンの気候風土を配慮し壁のない通気性の良い住まいとしている。古来から高温多湿の日本では障子や襖で各部屋の間仕切りをおこなってきた事をみれば、壁の存在がいかに私達の生活空間を貧困にさせているかがわかる。
 ここではENTRANCEを入ると動線は洗濯機やオープンキッチンにと続く動線と、ユニットパス、Bedroomに続く動線とに二分される。こうした動線は大変使いやすいはずである。しかもBedroomとLivingとの間は壁ではなく高さ1.5mのパーティションだけである。コンパクトにまとめたプランだから合理的である。人の出入りが多いフィリピンでは、これで十分だろう。
 だから現代のマンションが壁で各居室を間仕切る構造は、私は間違っていると考えている。人の出入りのない日本のライフスタイルだったら、なおさら壁は不要でしょう。

 敷地が決まってから作成した3番目のプラン。各部屋をほぼ均等に割り振り、アールの突いた屋根で覆うというシンプルなプラン。模型をフィリピン人の建設会社の人間に見せたら「美しい」と称賛された。こうしたプランで良いかもしれない。だがプランからどこか陰湿な空気を感じた。実際に建てると照度的に問題は無くても、暗いという印象を与えることが読み取れた。それに人が集まる場が少し不足している。

 C3案をさらに人が集まるリビングを中心にプランを組み立てたD案である。中央に大きなオープンのアウトドアリビングを設けようというものだ。天蓋で覆えば雨がふっても大丈夫だ。だがコストが高くなりそうなうえに、日本のどこにでもある住宅じゃないですか。こんな案はくだらない。没にした提案だった。
コメント
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