石川県珠洲市は2015年9月22日に訪れていた。特に保存地区などはないが古い建物は残っているだろうし、やはり都市部から離れ交通不便な場所であることが興味をそそった。
海岸の堤防沿いを歩きながら、日本海からの風雨が直接吹き付ける海外沿いの古い民家が数多く残されていた景観は記憶に残る。やはり歩いてみないとわからないところだ。それだけに撮影するのには少し興味深かった。それが今回の地震で海岸沿いのエリアは津波の被害を受けた。だからこの画像も失われた風景といってよい。
大学時代の同級生に珠洲市に住んでいる人間がいる。ある時東京で同窓会を企画し、当時でたばかりの交通系ソフトで来訪者の所要時間を計ったことがある。国立大学だから同級生は全国に散らばっているいるが、なんと珠洲市からのアクセスが一番時間がかかった。所要時間は1泊2日である。当時は鉄道が廃止され一般道のバス便でけであり、時刻表では1日では金沢にたどり着くのがやっとだったのだ。のと里山空港や高速道路ができたのは、近年になってからである。
かっては国鉄七尾線が穴水から輪島市と珠洲市へ通っていた。穴水からの所要時間は2時間ほどであった。その名残は今でも街の中に残されている。
そんな街だから特に観光客が眼を引く要素はなく、街も静かであり、それでいてこの地方固有の様式の民家は数多く残されていた。
この時の撮影機器は、EM-5にPanasonicのライカレンズをつけたけだった。そしてレンズが大変綺麗な描写であり、マイクロフォーサーズOLYMPUSもニコンやキャノンと同等に高画質で撮れるようになった。ボディはヨドバシ価格で8万円と安かった。このボディはハウジングに入れて水中撮影にも使い私なりに八面六臂の活躍をした。
珠洲市で宿泊した旅館。建築は輪島市内の建築家が設計しており、輪島地方の民家様式を踏襲している。柱梁なども古民家よりはるかに太く今回の地震に絶えたと思われる。
石川県珠洲市
OLYMPUS EM-5、LEICA DG SUMMILUX 25/F1.4