オショロコマの森ブログ5

渓流の宝石オショロコマを軸に北海道の渓流魚たちと自然を美麗画像で紹介します、

初期のインベーダーニジマス

2013-02-10 10:13:07 | ニジマスによる被害
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ニジマス放流の怖さを示す為に、今から6年前の日記と写真データを開いてみました。

2006-11-11 (土) 曇のち氷雨 寒い
初期のインベーダーニジマス

朝9時30分、北見市近郊の十勝川水系支流T川へオショロコマとニジマスの関係を見に出かけた。

いつもとは逆方向から林道へ入った。逆ルートだといつもと違った世界に見える。

ほどなくいままで見えなかったおおたまりを発見。しかし見かけ倒しでオショロコマ3匹のみ。

次の分岐を左にゆくといつもニジマスのいる橋下のたまりがある。はたしてそこで25cmニジマス1♂を釣った。

そのあと、戻って、まず源流域に入ってみたがオショロコマは個体数多く♀は産卵後であった。

黄褐色調で腹、ヒレは黄色いこの川特有の斑紋色調の個体群だ。

今度は下ってニジマスポイントを二箇所さぐってニジマス28cm1♂を追加した。

結局オショロコマは18♂♂28♀♀ほど撮影。かなりきれいな写真が沢山撮れた。

撮影させていただいたオショロコマたちは全て丁寧にもとの場所にリリースした。

しかし険悪であった空からは、とうとう氷雨が降り始めた。

最後の橋のポイントでニジマス若魚2匹を釣った頃、まわりが急に暗くなって撮影不能となり釣りを中止した。

雨に濡れ、冷え切って夜道を走って北見に帰った。

この日はオショロコマ46匹に対してニジマス4匹で、オショロコマが圧倒的に優勢であった。

この頃は釣って面白く食べておいしいニジマスが釣れるとなんとなく嬉しいような気持になったりしたものだ。

しかし、それから6年後の2013年現在、この渓流が、ほぼニジマスに制圧されることになるとは、このとき想像すらできなかった。












この渓流のはるか下流は、絶え間ないニジマス放流で、いまや人気のニジマス川になっています。ただ、そこからこの水域までは
ダムも滝もなく、ニジマスは容易に源流域に到達します。この渓流の源流域はニジマスの繁殖に適しているようで、ニジマス幼魚はドンドン増えて
それらが大きくなってさらに繁殖を繰り返し、釣り圧を凌駕した結果、オショロコマが圧倒される状況となってきました。

今後、ニジマス放流にあたっては、このようなことが起こらないよう充分に事前の調査・検討と配慮をお願いします。

この渓流に関しては、もはや現状いたしかたなし とするか、侵入ニジマスは徹底駆除とすべきかどうか いつも葛藤しています。








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着色斑を有するアメマスの画像

2013-02-09 10:36:25 | 渓流魚、蝶、自然
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着色斑を有するアメマスの画像
栃木県では在来種ニッコウイワナのブランド化を考え、孵化養殖事業を行ってきたが、配合飼料の給餌飼育ではニッコウイワナの所以とも言うべき体表側線付近から腹側にかけての橙色ないし黄色の有色斑が薄れてしまい、外観上アメマスとの区別がつかなくなってしまうのが悩みであったらしい。

そこでエサに種々の色素を添加してなんとか白斑に色をつけようと検討を重ねてきた。

その結果パプリカ系色素とマリーゴールド系色素をエサに混ぜることにより何とか有色斑を出せるようになったようだが、河川繁殖の天然ニッコウイワナのような美しい有色斑(着色斑)は出せなかったという。

ただ、本州では源流域奥深くまで釣り登る多数の釣り人の釣り圧(いわゆる山釣りブーム)で在来イワナの個体数は壊滅的に激減、そこへ養殖イワナの放流が繰り返され、もはや古来からのNative のイワナはほとんど残っていないとの考えが一般的と聞いています。
 
ところで北海道では普通アメマスに着色斑は見られないが多数のアメマスをみていると稀に着色斑を有する個体に遭遇する。

なんとなく着色しているものから、ニッコウイワナみたいに鮮やかな着色斑を有するものまでいて、着色斑の程度は様々である。

私は個人的には着色斑を有するアメマスの画像を文献、ネット画像その他ではまだ見たことが無い。

そこで、今後着色斑アメマスの画像がある程度たまるごとに画像をアップしてゆこうかと考えています。

実は今回提示するもの意外にも多数の着色斑アメマスの画像がありますが未整理です。

特にウミアメマスの着色斑はすごいとおもいます。

今回提示するのは、釧路川水系上流域の個体です。






なぜこのような着色斑が出るのでしょうか。遺伝的な原因? 食餌の影響? オショロコマとの雑交F1? その他 etc .........。


 



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SSK川源流域、♂腹部が濃い黄色のオショロコマ

2013-02-08 17:58:03 | 渓流魚、蝶、自然
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20XX-6-26 曇 のち 雨 気温低下

SSK川源流域、♂腹部が濃い黄色のオショロコマ

十勝川には多くの支流があるがそのひとつSK川ほどダムだらけの川は全国的にみても滅多に無いだろう。

この日はオショロコマをさがしながら、そのSK川支流のSSK川水系源流域の渓流を右から順にさぐっていった。

かなり複雑な林道で、試行錯誤しながらK温泉を越え、まず右の沢をつめUPK山登山道への林道が崩壊して車通行止めになっているところまで進み、そのすぐ下流域の橋の前後を釣った。

しばらくさぐって、やがてオショロコマの棲息域を発見した。

オショロコマはこの渓流のどこにでも棲んでいるわけではなかった。

棲息水域はごく狭い範囲であったが、そこではオショロコマの密度はまあまあ。

25cmほどの大きなものから若魚・幼魚までいた。

全体的な色調は黄白色系、赤点は体中央に目立ち、特に♂の腹部は美しい濃い黄色で、かなり特異なものだ。

見慣れた道東のオショロコマと較べると相当変わったオショロコマ個体群だとおもう。








































たき火の跡があったり、河原の木に釣り糸がひっかかっていたりして釣り人は入っているようだが、いまだ場荒れしている気配はなかった。

この日は渓流の状態も穏やかで、けっこう良い写真が撮れた。

この日も撮影させていただいたオショロコマたちは全て丁寧に元の場所にリリースした。 




この日は渓流沿いにウコンウツギの花がきれいに咲いていた。




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東京に原発を、2011秋、新橋、秋葉原など

2013-02-08 10:44:16 | 旅行
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閑話休題 その弐 2011年秋、東京 秋葉原、新橋などの風景

2011-9-25 (日)  東京は晴れ

朝9時起床、目の前の東京タワーを撮影して朝風呂。 とても遅いブランチ風の朝定食。東京タワー先端の曲がりが、やはり気になる。




午後ゆっくりチェックアウトし、なじみの浜松町、秋葉原、新橋界隈の本屋や電気店をまわった。


秋葉原は日曜歩行者天国で、パフォーマンスをしようとして制止されたコスチューム族が警官と激しく口げんかしていた。 
人、人、人。北見とは大違いで、よくぞこんなにというほど人が多い。外人、日本人ともに多い。



午後2時、秋葉原駅前の回転寿司で遅い昼食。北見市の回転寿司トリトンと較べると、ちょっと落ちるなあと思いながらも、歩き回って空腹のせいか2500円も食べてしまった。

新橋のSL 広場では またいつもの古本市をやっていた。 戦争関連ものの出品が多く、カミカゼ写真集などが戦記マニアの私の気をひいた。






 

浮世絵本や私の好きな竹久夢二の本などもあったが 購入したいとおもうほどのものは無かった。


 

概して昔の本は写真や 装丁 紙質、印刷が悪く 画像が少ないので現在の視点でみれば ひどく物足りない感じの書籍が多い。

これらの書籍を愛蔵していた方たちが亡くなるなどして大挙して古本に出てきたものでしょうか。

東京に原発を作ろうという小規模なデモ隊が SL広場付近で集会を開いて気勢をあげていた。どうも東京に原発を作ろうというのは皮肉として叫んでいるようだ。確かに、原発はきちんとやれば安全という人たちもいる一方、何故か僻地や田舎にしか存在していない。原発はごく目先の利益は多いが一旦事故がおこると目もあてられない。使用済み核燃料の処理問題は絶望的だ。国際的な原子力世界のイニシャチブ維持の問題や、目先の甘い利益を考えれば、ただちに全廃とはいかないのかも知れないが、私を含めて多くの日本人の気持ちは脱原発に傾いていると思う。全財産で東京電力株を買い高配当でうるおっていた友人はすっからピンになってしまった。



SL広場に面した馴染みの駅舎コーヒー店でいつもの安コーヒーではなく奮発して1050円の特別ブレンドコーヒーを飲んだが、特に味の違いは分からず香りもあまり無く、いつものコーヒーと同じでちょっとがっかりでした。



PS この駅舎コーヒー店は 2013年には椿屋コーヒー店と店名が変わっていましたが店の経営スタイルは同じです。

新橋の山田電気で 1.0TB 携帯HD (ドイツ製) 通常15000円を 本日のみ 7000円というので つい買ってしまった。

浜松町から タクシーで羽田へ。 出発ゲートでは JAL オーバーブッキングで 明日の一便に変更してくれる人は2万円とアナウンス。システムに問題があるのか、最近この手のアナウンスをよく聞く。

17:55分発の女満別行きJALは飛行機が小型化されたせいか満席であった。少し前までは大型のA-300が空席ガラガラ状態で運行していたが、やっと空気を運ぶのに嫌気がさしたようで小型機が使用されるようになった。


飛行機は順調に飛んで無事、女満別着。8時には自宅へもどった。 夜、急に トマトが食べたくなり家庭菜園で収穫。 風呂へ入って 早めに寝た。


    おしまい



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3.11大地震で東京タワーが曲がった

2013-02-06 19:00:12 | 旅行
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閑話休題 3-11大地震で東京タワーが曲がった

2011-9-24(土) 晴れ

この日、所用で東京へ飛んだ。2時過ぎにホテル チェックイン。

目の前に東京タワーがドンと見える部屋であった。徳川家菩提寺の増上寺が眼下に見える。 



ここではカードキーに部屋番号を書いていないので しっかり暗記しなければならない。 

午後3時から お仕事。

夜、部屋からはライトアップした東京タワーがきれいでデジカメ撮影した。

そういえばタクシーの運転手が先年の 3.11大地震で東京タワーの最上部が曲がってしまったことを教えてくれた。

よくみると本当に東京タワーの最も高い部分が、曲がっていることがはっきり確認できてびっくりした。

PS   2013年、いつのまにか修理されたようで東京タワー先端部の曲がりは修復されていました。




















どの写真をみても東京タワーの最上部が、画面の右に傾いていることがわかります。
 はっきりわからなければ30秒ほど写真をながめてみて下さい。 
ちなみにタクシーから見たときは、見た角度のせいか。もっとはっきり、ぐっきりと曲がってみえました。



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湧別川支流源流域PKS川のオショロコマ

2013-02-05 20:13:18 | 渓流魚、蝶、自然
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20XX-7-8  晴れ
朝8時に湧別川水系支流のPKS川源流域のオショロコマ調査に北見市の自宅を出発。

約2時間で源流域近くまで林道を走り込み、入渓した。思っていたとおり渓流の自然度は高く、美しい渓流だ。


ここには小型ながら野性的ないでたちのオショロコマたちがいた。黄褐色調を基本色調とする個体群で ヒレは知床産のようには赤くならない。

個々の赤点紋理は大きくて数が少ない。

腹も赤くはならない。

虎模様が異常に目立つ個体もいて上記の一般的特徴はあるものの外見は多様性に富む。









成魚でも小型個体が多いが、こんな山奥の渓流で大型化しても良いことは何一つないと思う。




























荒々しい湧別川水系支流源流域のオショロコマの外見の特徴をよく現している。

釣り上げたオショロコマたちは水中で手早く撮影後、丁寧にもとの場所にリリースした。



この日は湧別川水系支流5本をまわってオショロコマの撮影を行ったがさすがにへとへとに疲れてしまった。

各水系とも、この時期に発生する北海道を代表する美麗蝶オオイチモンジが多くみられた。




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網走川水系のヤマベ、エゾイワナ

2013-02-04 21:39:41 | 渓流魚、蝶、自然
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20XX年7月10日  曇

北海道東部、北部のヤマベ釣り解禁日は7月1日。

道東、道北のヤマベ釣り解禁日(7月1日)を指折り数えて待っているヤマベ釣り師は多い。

この日はヤマベの棲む渓流にはどこもおびただしい数の釣り人が入る。

生田原川のような養殖物ヤマベを放流する人気釣り場はまるでお祭りみたいににぎわう。

毎週養殖ヤマベを放流する養老牛温泉は足腰の衰えた老人のヤマベ釣り師に人気が高い。

ヤマベの1-2年魚の天ぷら揚げたては天下一の絶品だ。この日、各渓流ではその地域に生息するヤマベの7-8割が釣り上げられる。ヤマベ釣り狂想曲は、その後7月中旬まで続いてパッタリ終わるのが一般的だ。

最近は解禁日前の密流者が横行して問題になっているが、広大な北海道では監視する人もおらずどうにもならない。

私は釣りも含めて他人との勝負事には、まず勝ったためしがなく、私の他に釣り人が入るような川は本能的に避けている。

そんなわけで、この渓流も解禁日は避けた。あまり釣り人が入らない我が家から比較的近い網走川水系のとある源流域にエゾイワナ(体色が暗色超で白点が瞳孔より小さい山奥の小型アメマスを指す)とヤマベを見にいった。ここにはオショロコマは生息しない。

気持ちのよいこの源流域は種々の理由で、まず一般の釣り人は入ってこない。

それでも数人の猛者釣り師の入った痕跡があった。

魚の密度はあまり濃くないが、飽きない程度にぽつぽつと釣れた。

渓流はうっそうとした針葉樹の森を比較的直線的にだらだらと流れ、いわゆるたまりがない。

ちょっとした岩や石のかげから電光石火のごとくヤマベが飛び出してくる。

この日は、シンコヤマベ多数、ヤマベ2-3年魚14匹、エゾイワナ8匹が釣れた。

川をあがって車で林道を下って国道近くに出ると帯広ナンバーの車が3台、川にはヤマベ釣り師が7-8人、きっと彼らはほとんど釣れないと思う。

帰りには国道添いの網走川水系各支流にも釣り師の影が絶え間なく見えた。

かってはヤマベ解禁日に少なくとも数百匹を釣り、最高でヤマベ25Kg (多すぎて数えるのはやめた)を釣ったこともあるが、10年ほど前から川の魚が激減しはじめたのを契機に数を釣るのを止めた。

最近は激減しつつある在来の渓流魚を殺すことにものすごい抵抗感がある。せいぜい写真撮影をして丁寧にリリースするパターンが多くなった。

本岐から林道に入り久しぶりにチミケップ湖へ寄ってみた。いつのまにか道はかなり舗装されていた。

湖畔のチミケップホテルでチミケップブレンドの渋いコーヒーを飲みながらそこの本棚にあったイワナのあくびというおもしろい本を読んだ。

カワマスとイワナの雑交の部分をコピーしてもらった。

急にその気になってきて明日は道東にカワマス(ブルックトラウト)調査に行こうと決心した。

帰りにポンタッコブ川のたまりで釣ってみたが魚信なし。この渓流は沢山の砂防ダムが出来て以来、無尽蔵にいたアメマスはいつのまにか消えてしまった。ここのアメマスは海からの遡上アメマスに全面的に頼っていた個体群とおもわれた。













網走川水系の明るい色調のヤマベたちです。



















網走川水系源流域の、どちらかと言えばエゾイワナ風の個体群です。この日も撮影させていただいた渓流魚たちは全て丁寧にもとの場所にリリースしました。




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カワマス(ブルックトラウト)との出会い

2013-02-03 11:18:01 | カワマス
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20XX年5月21日    晴れ 後 雨 風
朝7時45分、北見を出発。


順調に美しい美幌峠を越えた。

2時間ほどで道東のN川水系のとある支流へ着いた。

きっとこの渓流にカワマスがいるのではないかとの予感があった。

この季節ならなんとか川に入ってゆけそうだ。

夏場はあまりにも樹木、草木がうっそうとして、吸血昆虫の猛攻にあうことは間違いなく入ってゆくのは困難だ。

まわりに素晴らしい釣り場が多いこの地域で、一般の釣り人があえてこんな川に入ることはまずないだろう。

灌木の密生する斜面をがむしゃらに降りて、もっともっと灌木の生い茂る遊水地の湿地を必死に進んでようやく川に到達する。

そこには意外にも突然、美しい川が現れた。


むせかえる早春の若葉。音もなく流れる清冽な流れ。

湿原の渓流は頭蓋骨の縫合線みたいに屈曲蛇行を繰り返しながら、まるで生き物のように流れている。


蒼い空を写した水面には新緑も映えて、ほれぼれするような流れだ。

水中には長い緑色の髪のようにゆらゆらとゆらめく美しい水草、バイカモが多い。


入念にさぐりながら釣り登った。

絵に描いたような美しい流れだが意外なことに魚はきわめて少ない。

それでも、やがてオショロコマとカワマスの F1と思われる個体が釣れた。



続いて待望の純系のカワマスが釣れた。


これがカワマスか。綺麗な魚だなあ。声もなくしばらく見入った。




少ないながらオショロコマも釣れた。










純系のカワマス(ブルックトラウト)。














結局、約1時間の釣りでカワマス4匹、オショロコマ5匹、ニジマス2匹、カワマスとオショロコマの雑交F1 と思われるもの1匹が釣れた。






上流に向かうにつれて湿原の渓流は、川底の状況がとても不安定になってきた。

足がはまったらなかなか抜けないような不気味なぬかるみもでてきた。



これ以上の単独遡行に危険を感じ、引き返すことにした。それにしても美しい川だ。

人影で小魚が走るがその数は多くはない。

この渓流にはもともとはヤマベ、アメマス、オショロコマがいたはずだ。

いくつかの理由でヤマベとアメマスはこの水域から消えてしまい、今現在は在来種のオショロコマのほか、放流ニジマス、放流カワマスが自然繁殖し、カワマスは在来種のオショロコマと交雑してF1が見られる。

この4種の本日の勢力関係をみると、純系オショロコマが最も優勢であり、次はカワマス、次はニジマス、オショロコマとカワマスとの雑交F1は意外にも最も少なかった。

よく言われるようにカワマスを放流すると在来種との交雑がすすみ、F1には生殖能力がないため最終的にカワマスも在来種も共に消えてしまうといった恐怖の構図はこの水域では、移植後80年、未だ見られていないように見える。

今後、この渓流の魚たちの勢力関係がどのようになってゆくのか、こまめに様子を見て行きたいと思う。

釣り上げた渓流魚たちは手早く撮影して全てもとの場所にリリースした。 

この後、N川水系でカワマスの生息を確認した3箇所の水域において、渓流魚たちの動向を観察・撮影することを開始した。






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早春のブラウントラウトを爆釣、撮影

2013-02-02 10:30:23 | ブラウントラウト
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20XX年3月22日(土) 晴れ 帯広は12℃ 午後から風が吹き寒い
十勝の大畑作地帯で早春のブラウントラウトを撮影。
天気予報をみても今日はとても良い天気。なんと帯広方面は気温が12度Cまであがるという。北見はまだ雪があり山間部渓流の多くは川面が出ていないが帯広方面はとっくに雪が消えた。皆さん、盛んにゴルフをやっているという。一昨日の西別川水系のカワマス撮影で足腰が痛いが、あまり天気が良いので今日は十勝方面でブラウントラウトを撮影することになった。

朝9時に北見をのんびり出発。十勝の大平原地帯へ向かった。

十勝地方平野部の川は、その殆どにニジマスとともにブラウンが繁殖しているらしい。

十勝の大畑作地帯では森も林も草原も川も、もはやニホンオオカミを筆頭とする在来の大自然は完膚無きまでに破壊されている。



見渡すかぎり畑。


そこの川にニジマス、ブラウンが放流された。

いくつかのブラウンに適した環境の川では大繁殖し、いまやそれなりの立派な?生態系を築いてスポーツフィッシングの重要なターゲットになっている。

今現在、このニジマスやブラウンがこれらの閉鎖水域にとどまっているかぎりは何の問題もないと思う。

ただ、このブラウンやニジマスを、まだ在来の生態系が残っている水域に移植・放流するのは断固やめるべきである。


まず、最初に現地ではブラウントラウト釣りでとても有名な川をさぐってみた。



釣り人風の車が時々川をのぞきこんでは走り去ってゆく。

はや、釣り人の気配が濃厚で、いかにも立派な川だが魚信なく魚影もまったくみかけない。

川底には引っかかって放置された釣り糸や仕掛けがいたるところにみられ、ずいぶん人気の釣り場のようだ。

使い込んだブラウン用のスピナーまで落ちていた。




入念にさぐったが、もうこのあたりのブラウンは釣りきられたと判断し、別の場所に移動した。


ちょっと入渓が面倒だが、あまり釣り人の気配が感じられないところではブラウンの魚影が見えはじめた。


20-30cm前後のブラウンが人影や物音にものすごく敏感に反応して、次々と水草の影から飛び出し逃げてゆく。



なんと釣り糸が水に落ちる気配を感じてぴゅーっと逃げてゆくしまつ。

この異常なほどの敏感さは一体どうしたことだろう。夏場ならこんなことはなかった。

確かに夏場は草木がうっそうと草丈高く生い茂り川へ降りることすらためらわれるが、今は川岸の草が全部枯れてあまりにも見通しが良い。

そんなわけで逃げるブラウンばかりで釣りにならない。


それでも決して喰いが立っていないわけではなくて、慎重に気配を消してこちらの存在を気取られることなく振り込めたら一発で食いついてくる。


やがて、多少のコツがわかると次々とブラウンを釣り上げ撮影する事が出来た。










ブラウン独特のズシンとしたアタリ、ひきずりこまれるような特有の引きを堪能できた。






ランデングネットなしでは取り込み不可能な立派な♂もかかりまあまあの写真が撮れた。






一番大きなブラウンはちゃんちゃん焼きにして食べてみようかとの意見もでた。

しかし今回は私のテリトリーから遠く離れた人様の釣り場であることも考慮して結局断念。

撮影させていただいたブラウンたちは全て丁寧にもとの場所にリリースしました。







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近年、場荒れの著しい標津川水系渓流のオショロコマ その弐

2013-02-01 18:50:14 | 渓流魚、蝶、自然
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20XX年10月29日   曇 雨 曇 雨 あまり寒くない
そんなわけで、簡単に入れる水域ではオショロコマは激減している。

しかし、種々の理由で釣り人が入ってゆかない自然度の高い水域では依然オショロコマ、ヤマベの個体数は保たれている。

そのような水域に入ってゆくのはかなりの決心が必要だ。

つまり、ある一線を越えると、そこは渓流魚の桃源郷なのだが、なかなかその一線を越えることができない。

私は、自分の体力気力、天候、時間などの条件がそろって、自分自身にある程度の気迫が感じられる時以外はそこへは入って行かない。

常にヒグマの恐怖などを含め大自然に対する畏怖畏敬の念を強く持っているからだ。

今日はちょっとその気にはならなかった。

今回、この水系独特の美しい成魚は見られず幼魚、若魚ばかりであったのはちょっと残念であった。

撮影させていただいたオショロコマたちは全て丁寧にもとの場所にリリースした。





今回、ヤマベはとても少なかった。





























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近年、場荒れが目立つ標津川水系のオショロコマ

2013-02-01 13:18:46 | 渓流魚、蝶、自然
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20XX年10月29日   曇 雨 曇 雨 あまり寒くない
朝8時30分。牛丼屋で朝飯を食べて久しぶりに道東の標津川にオショロコマ撮影に出発。

最初に西別川水系の渓流でカワマスを撮影し、午後遅く標津川水系のなじみの渓流に入った。

今日は川の水量が異常に少なく普段の2/3くらいしかない。おかしい。

オショロコマはそれなりにいるが大きな個体がまったくいない。

不思議な感じ。その理由はすぐわかった。

川底に腹を裂かれたオショロコマ幼魚が5-6匹転がっており最近釣り人が入ったようだ。

腹を裂かれたが、余りにも小さいのでうち捨てられたようだ。

この渓流は北海道内でも特に場荒れが著しい渓流のひとつである。

温泉旅館の客寄せ作戦で毎週日曜日の朝早く、近くの養魚場から運ばれてきた養殖ヤマベが相当数放流される。

これらの養殖ヤマベは何故か元気がなく川に立ちこんだ釣り人たちの足もとに群れてエサは追わない。

しかたなく釣り人たちは引っかけで自分の足下のヤマベを釣っていた。私の目には末期的な光景に見えた。

夜、大きなシマフクロウがこの元気のない放流ヤマベを狙ってやってくる。それも観光客を喜ばせる。

朝方にはシマフクロウの糞があちこちに見られる。

ヤマベの入れ食い釣りの夢が破れた釣り人たちは、そのはらいせにオショロコマを入念に釣る。

数年前、7月にここで会ったある初老の釣り師は、

「 はるばる札幌からヤマベ釣りにきたのに全然釣れず残念です。負け惜しみみたいだが、オショロコマはおいしくないけれど2回唐揚げにするとヤマベと変わらないですよ。」などと話していた。




































この日も撮影させていただいたオショロコマたちは全て丁寧にもとの場所にリリースしました。

                        続く。




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