機能マヒ

連日メディアを賑わす、マンションやホテルの偽装建設事件の報道は先の選挙のように、どこか劇場じみている。最たるものは国会の証人喚問だった。
原因や責任の究明に違和感を覚えてかなり日がたつ。端的に、大規模な違法行為が明らかになっているのに,警察などの司直がここにきて(国土省の告発で)やっと動き出したことだ。この間,自殺・自己破産・離婚など関係者の中に、事件と無関係とは思えない動きがあった。他の違法行為だったらどうだろうか。刑事事件はもちろん、詐欺などの民事事件であっても、証拠隠滅や、資産の隠匿などもあって、容疑の段階で捜索など即座になされる。ビラを投函しただけで、逮捕され70日も留置される今日なのだから。
三権分立で言えば司直は行政の要請ではなく法の番人として独自の判断でうごくものではないのか.違法行為に確認の公印を押してきた所轄監督官庁の責任の取調べは誰がするのだろうか。建築許可書を出した行政は「騙された」では済まないだろう。だからかもしれないが、捜索が入る前から早々と損害を「公費でカバーする」との行政の対応表明がなされた。
他の詐欺事件ではどうなのか。行政が肩代わりしてくれるだろうか。それこそ自己責任やリスクとして処理されるだろう。少なくとも行政はそれなりの手続きをとった後のしかるべき対応としてなされるのではないか。JR西の脱線事故を始め教室の事件にいたるまでいろいろな事件が
「一事が万事」といいたくなるほど、原因と責任があいまいにされてきた。事件はワイドショウ的事件としてお茶を濁し落着させ、同じようなことを繰り返えすパターンがずーと定着してきている。新聞やテレビの報道が今回も雑魚を追い掛け回し真の原因や責任から目をそらせるのに躍起になっているようにさえ見える。国会で証人喚問で責める議員さんだって立法府の責任者として威張れる立場にはないはず。「すみません」の一言ぐらいほしいものだ。
自殺や犯罪を含め一連の事件は自然現象ではなく社会現象であり原因が社会にあり原因を取り除けば改善するのは明らかなのに現実のデーターはは悪化の一途。にもかかわらず、最近の世論調査では現状に「幸せ」と感じ、「満足している」人たちが8~9割に及ぶそうだ。総じて、社会のシステムとしての機能から個人の感性にいたるまでかなりマヒしているのではないか。勿論私だけ例外であるはずはない。
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )