社会が求める優先順位の高い科学から

どんな目的でも科学の開発や発展が良い訳ではない。原子爆弾の開発や、細菌兵器の人体実験に携わった人たちの嘆いた話もある。
 薬害エイズや、森永砒素ミルクも、結果は賠償責任を伴っていた。
 有限な予算の中で行われる科学開発は、優先順位を伴って社会的使命を背負っている。
  最近、よく分らなくなってきたのは宇宙開発である。子供のときから人類が宇宙に飛び出し、宇宙のようすが分る事は夢だったし、宇宙開発のニュースは文句なく夢と驚きを伝えてくれ、宇宙飛行士が英雄のように思えた。
 所が最近、どこかすっきりしない。今、地球が緊急の問題を抱えているのに、なぜ月や火星へ行くのだろう?月や火星を探査して地球のことが明らかになるものもあるとは思うが、地球の緊急の課題は具体的に存在している。その解決のために宇宙開発をしているようには思われない。
 予算は有限だから、いいことばかりではなく、一方にしわ寄せ
を喰ってるものもあるはず。
 今、急いで科学的に解明し開発してほしいのは、地球の3大危機を最優先してほしいし、経済との関係では産業構造の方向転換に伴う各種の技術開発や制度やシステム作りの研究をしてほしい。
 自然科学者や社会科学者が力を合わせて急いでやってほしい仕事で、官民問わず、先ずそこに集中すべきではないだろうか。

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