最近テレビで「エビデンス」という聞き慣れない言葉を耳にする。「専門家も何かエビデンスがあって何人以上と言われているわけではない」、「人が集まること自体でクラスターが起こったというエビデンスはない」、「エビデンスのある治療薬やワクチンがあるのか」という具合だ。医療や看護の現場、IT業界、ビジネスシーンで使用されるという。
そのどれにも縁がないのでピンとこないが、ジャズで「evidence」といえばモンクの曲だ。独特のリズムと音程は最初は違和感を覚えてもジャズ耳が鍛えられてくると妙に心地いい。ファイブ・スポット、ブラックホーク、ジャズ・ワークショップとフロントがジョニー・グリフィン、ハロルド・ランド、チャーリー・ラウズに変わっても「Blue Monk」や「Epistrophy」と並んでライブに欠かせない曲である。「Solo On Vogue」や、ジャズ・メッセンジャーズに客演した時も取り上げていたから余程お気に入りの楽曲だったに違いない。
さすがにカバーは多くはないが、モンクを敬愛するスティーヴ・レイシーがアルバムタイトルにしている。ビリー・ヒギンズとカール・ブラウンがリズムを刻みだす。短いテーマの後、ドン・チェリーのソロ。意外にもアヴァンギャルドさはなくメロディアスで美しい。そしてレイシーだ。いきなりモンクが乗り移ったかのような不安定な音の連続なのだが、プッシュするヒギンズとのバランスもよくソプラノ・サックスの境地を味わえる。録音された1961年という時代で聴くならかなり斬新だ。作者の天才と奏者の異才は10年先を行っていた。
「エビデンス」だけではなく「コミットメント」に「アジェンダ」、「ペンディング」、「コンセンサス」、「フィックス」等々、よくわからない言葉も出てくる。置き換える日本語がないまらまだしも「約束」、「議題」、「保留」、「合意」、「決定」の方が伝わるではないか。何の「根拠」があってわざわざカタカナ語で言うのだろうか。曖昧な言葉で逃げるのは政治家だけにしてほしい。
そのどれにも縁がないのでピンとこないが、ジャズで「evidence」といえばモンクの曲だ。独特のリズムと音程は最初は違和感を覚えてもジャズ耳が鍛えられてくると妙に心地いい。ファイブ・スポット、ブラックホーク、ジャズ・ワークショップとフロントがジョニー・グリフィン、ハロルド・ランド、チャーリー・ラウズに変わっても「Blue Monk」や「Epistrophy」と並んでライブに欠かせない曲である。「Solo On Vogue」や、ジャズ・メッセンジャーズに客演した時も取り上げていたから余程お気に入りの楽曲だったに違いない。
さすがにカバーは多くはないが、モンクを敬愛するスティーヴ・レイシーがアルバムタイトルにしている。ビリー・ヒギンズとカール・ブラウンがリズムを刻みだす。短いテーマの後、ドン・チェリーのソロ。意外にもアヴァンギャルドさはなくメロディアスで美しい。そしてレイシーだ。いきなりモンクが乗り移ったかのような不安定な音の連続なのだが、プッシュするヒギンズとのバランスもよくソプラノ・サックスの境地を味わえる。録音された1961年という時代で聴くならかなり斬新だ。作者の天才と奏者の異才は10年先を行っていた。
「エビデンス」だけではなく「コミットメント」に「アジェンダ」、「ペンディング」、「コンセンサス」、「フィックス」等々、よくわからない言葉も出てくる。置き換える日本語がないまらまだしも「約束」、「議題」、「保留」、「合意」、「決定」の方が伝わるではないか。何の「根拠」があってわざわざカタカナ語で言うのだろうか。曖昧な言葉で逃げるのは政治家だけにしてほしい。
昨日は札幌ドームで贔屓のチームがサヨナラ勝利をおさめましたので、仲間とススキノに出ました。21時までの時短要請が出ていますので、ネオン街は閑散としていました。寂しい限りです。
本文で笑わせていただきました。テレビをたまに見ると、あいまい和製英語のオンパレードですね。とくに、エビデンスは、よく使われますが、医学用語として用いられるのでしょうか。
モンクのメロディー作りはまさに天才だと思います。ラウンド・ミッドナイトやストレートノーチェイサー、エピストロフィー、エビデンス、ルビー・マイ・ディア等々、名曲揃いです。不協和音とタイムの独特さが無ければ、彼の演奏ももっと聴きたくなるのですが。マイルス・デイヴィスも、もしかしたらそんな気持ちだったのかもしれません(笑)。
日本のライブ現場では、若いミュージシャンはモンクの曲をよく取り上げます。先日、片倉真由子の演奏(リーダーは別ですが)を聴いたのですが、2曲モンクの曲を入れていました。モンクは、現代のジャズに大きな影響を与えていて、まさにジャズジャイアントですね。
ディークさんの久しぶりの投稿で嬉しいです。長くコメント書きすぎました。大目にみてください。
エビデンスに限らずカタカナ語は専門分野内だけで使われているうちは問題ないのでしょうが、その分野に全く縁のないコメンテーターが連発すると違和感がありますね。
モンクの演奏を初めて聴いたときは不協和音とタイムのズレで不思議な感じでしたが、聴きこむとこれが堪りません。さすがにモンクばかりかけていると身体のバランスが崩れます(笑)ので最近は聴きませんが、たまに無性に聴きたくなるのもモンクです。マイルスとモンクは仲がいいとは言えませんが、ラウンド・ミッドナイトやストレート・ノー・チェイサーを取り上げていますので、楽曲への尊敬はあったのでしょう。札幌でも若いミュージシャンがモンクの曲を選びます。リスナーよりプレイヤーに人気があるのがモンクかもしれません。
片倉真由子は十数年前に中村健吾のバンドで聴きました。素晴らしいピアニストです。その時もモンクの曲を弾いていました。打ち上げは大騒ぎしたでした。酒が入ると彼女は面白い。ここでは書けないことを言っていました。
さて、エビデンスです。
ある大都市の市立病院の整形の医師と私の会話です。
私「サプリメントのグルコサミンは膝関節に効果がありますか?」
医師「エビデンスがありません」
以上、おそまつ様でした。
面白いですね。私はエビが大好物です。「Kind of blue」を超えるレコードに出合っていませんが、マイルスはスカイ、キリマンジャロ、サイレント辺りがリアルタイムですので、その時代の作品も結構思い入れがあります。
モンクといえば ポール・デイヴィスのソロ・モンクが交番のポスターになっていました。
立派な日本語があるのにわざわざカタカナにするのを気に入らないのはぼくもそうです。でも「ハローワーク」は「職業安定所」よりいいのではと思っています。失業という深刻な状況をハローという積極的肯定的表現で軽減しているように思えるんです。逆にこの「ハローワーク」を日本語にするとどうなるんでしょう?ハロー!と呼びかけているんで「ワーク」を擬人化すると「コンチワお仕事さん」になるんでしょうか?「私、失業しちゃったの」「もしもーし!コンチワお仕事さんですか?」「ハーイ!こちらコンチワお仕事さんでーす」。失業してるのになんか楽しくなりますね。
ここ札幌は緊急事態宣言が来月20日まで出されていますので、ススキノはガランとしています。馴染みのジャズの店も閉まっていますので、自宅で静かにジャズを聴いています。
モンクは71年にジャイアンツ・オブ・ジャズで来たときに聴きましたよ。24時を回ったころ、ソロでラウンド・アバウト・ミッドナイトを演奏しました。新宿厚生年金ホールが静寂に包まれました。その後ガレスピーやブレイキーが加わってジャムセッションになりましたが、エビデンスは演奏しなかったですね。ノー・チェイサーだったかな。
「ハローワーク」はいいですね。失業中の暗さがなくなり希望が見えます。コロナ禍でよく使われる言葉にデリバリーがあります。出前とは違うのか?30年程前、レイ・ブライアントを呼んだとき、マネージャーから「ケータリングはケンタッキー・フライド・チキンにしてください」と連絡がありました。ケータリングは現場調理のことじゃないの?