「Eva Diana」、ジャズファンなら一度は目にしている名前だ。エヴァからはヒトラーの愛人のブラウンや、こちらは「Ava」だが女優のガードナーといった悪女をイメージさせ、またダイアナからは高貴な雰囲気が漂う。モード盤をお持ちの方は早速取り出してみよう。いまにも語りかけ、音が聴こえてくるようなジャケットの肖像画にそのサインがある。モードはわずか30枚の作品をリリースしただけで消滅したハリウッドのレーベルで、一部ウイリアム・ボックスが描いたものもあるがほとんどはエヴァの手による。
モードが設立された57年はハードバップ全盛期で、アレンジを偏重するウェストコースト・ジャズが衰退の一途を辿るころだった。積極的に新人を起用したレコード制作の志は高くても、時代の波に乗れなかった悲劇のレーベルである。リリース数が少ないこともあり、リーダーとしてひとりの重複がなく、またこのレーベル以外にリーダー作が見当たらないプレイヤーもいるのが特徴だ。ジョアン・グラウアーもそのひとりで、バディ・クラークとメル・ルイスをバックに軽快なピアノを響かせる。女流ピアニストは珍しくないが、実力を伴った美人となるとせいぜいユタ・ヒップくらいでそう見当たらない。
ハンプトン・ホーズに似たタッチで、いきなり聴くとまだ10代の女性とは思えないほどフレーズにふくらみがあり、可憐さが残る美貌を想像つかないほどタッチもインパクトがある。デビュー盤らしく「ザ・ソング・イズ・ユー」や「四月の想い出」というスタンダード中心で素直な解釈は汚れを知らないお嬢さんといった趣きだ。なかでもリチャード・ロジャースとロレンツ・ハートの名コンビによる「ジョーンズ嬢に会ったかい?」が素晴らしい。この後も活動を続けていたならウェストコーストの紅一点のピアニストとして注目を浴びたかもしれないが、それがグラウアーにとって幸せな選択とは限らない。美人ゆえの曲がり角であったろう。
肖像画といえばマリー・アントワネットを描いたことで有名な画家ヴィジェ・ルブランがいる。アントワネットが他の画家よりも贔屓にしたのはより美しく自分を描くことができたからだと推測できるが、ルブラン自身かなりの美形である。美しい女性だからこそ美しい女性をより美しく描けるとしたらエヴァ・ダイアナはグラウアー以上に美しい女性だったかもしれない。壁に飾るだけで美女と同じ空間にいるようで得した気分になる。
モードが設立された57年はハードバップ全盛期で、アレンジを偏重するウェストコースト・ジャズが衰退の一途を辿るころだった。積極的に新人を起用したレコード制作の志は高くても、時代の波に乗れなかった悲劇のレーベルである。リリース数が少ないこともあり、リーダーとしてひとりの重複がなく、またこのレーベル以外にリーダー作が見当たらないプレイヤーもいるのが特徴だ。ジョアン・グラウアーもそのひとりで、バディ・クラークとメル・ルイスをバックに軽快なピアノを響かせる。女流ピアニストは珍しくないが、実力を伴った美人となるとせいぜいユタ・ヒップくらいでそう見当たらない。
ハンプトン・ホーズに似たタッチで、いきなり聴くとまだ10代の女性とは思えないほどフレーズにふくらみがあり、可憐さが残る美貌を想像つかないほどタッチもインパクトがある。デビュー盤らしく「ザ・ソング・イズ・ユー」や「四月の想い出」というスタンダード中心で素直な解釈は汚れを知らないお嬢さんといった趣きだ。なかでもリチャード・ロジャースとロレンツ・ハートの名コンビによる「ジョーンズ嬢に会ったかい?」が素晴らしい。この後も活動を続けていたならウェストコーストの紅一点のピアニストとして注目を浴びたかもしれないが、それがグラウアーにとって幸せな選択とは限らない。美人ゆえの曲がり角であったろう。
肖像画といえばマリー・アントワネットを描いたことで有名な画家ヴィジェ・ルブランがいる。アントワネットが他の画家よりも贔屓にしたのはより美しく自分を描くことができたからだと推測できるが、ルブラン自身かなりの美形である。美しい女性だからこそ美しい女性をより美しく描けるとしたらエヴァ・ダイアナはグラウアー以上に美しい女性だったかもしれない。壁に飾るだけで美女と同じ空間にいるようで得した気分になる。
ジョーンズ嬢に会ったかい?は、1937年に作られた古い曲ですが、2001年に映画「ブリジット・ジョーンズの日記」にも使われ、ロビー・ウィリアムスの歌でリバイバル・ヒットしたこともあり最近でもよく演奏される曲です。今週はインストでお気に入りをお寄せください。ヴォーカルは別の機会に話題にします。
管理人 Have You Met Miss Jones? Best 3
Art Tatum Ben Webster Quartet (Verve)
Oscar Peterson / We Get Requests (Verve)
Joe Pass / Virtuoso (Pablo)
他にもマッコイ・タイナー、ハンク・ジョーンズ、パット・モラン、ジャック・モントローズ、ギタリストが好んで取り上げるようでしてケニー・バレル、ハーブ・エリス等々、多くの名演があります。
レスは7日以降になりますが、今週も皆様のコメントをお待ちしております。
Hank Jones - "Have You Met Miss Jones?"
http://www.youtube.com/watch?v=UZ3QVCfgOwI&feature=related
Have You Met Miss Jones?、良い曲ですね。
Art Tatum Ben Webster Quartet
これは、最高の演奏だと思います。
大好きなアルバムで、一時期毎日聴いていました。
天才と巨人が創り上げた、名演だと思っています。
ピーターソン、ジョー・パスも好きでよく聴いています。素晴らしい演奏ですね。
2枚目以降は、後でじっくり考えます。
ホークスはやっと悲願達成です。 福岡は盛り上がっていますが・・鹿児島はそうでもないような・・寂しい
『Swing‘s The Thing』Illinois Jacque
取りあえず、これに一票。
ハーレムノクターンが有名ですが、このレコードの選曲はなかなか良いと思います。
イリノイ・ジャケーとロイ・エルドリッジのちょっと緩めのジョーンズ嬢もいいのではと思います。
マッコイのインパルス盤やC・ウイリアムソンのベツレヘム盤もありましたが、ジョー・パスもあったはずだと探してますが出てこない・・
Art Tatum Ben Webster Quartet は、このアルバム自体名盤に数えられますので悪かろうわけがありませんね。
多くの名演がありますので、じっくり聴き比べてください。週末に名演に会ったかい?と聞きます。(笑)
イリノイ・ジャケーもありましたね。ロイ・エルドリッジの参加も光りますが、ジャケーのブロー控え目のプレイは良い内容です。ハーレムノクターンといえばエリック・アレクサンダーも演奏しておりましたが、ムードミュージック以上のジャケーには遥か及ばないものでした。ジャケはムードミュージックだから仕方がないか。
「Have You Met Miss Jones?」と、クエスチョンマークがついている楽曲名は英語ならではですね。どうでもいいことなのですが、クエスチョンがついている題名は気になります(笑)。ドラマーにも注目して、結局好きなアルバムからになりました。
①Art Tatum Ben Webster Quartet (Verve)
②McCoy Tyner / Reaching Foruth (Impulse)
③Joe Morello / Collections (Intro)
としました。沢山のヴァージョンがありましたが、ピーターソン、ジャケーを入れてもいいですね。①は不動かもしれません。②はロイ・ヘインズ、③はモレロのドラムスもなかなかということで挙げてみました。
クエスチョンがついている題名は、ロジャース、ハートの Isn't It Romantic? や、コール・ポーターの Do I Love You? 等、意味ありげですね。
ドラマーに注目しての選出は視点を変える点では面白いと思います。マッコイはロイ・ヘインズと相性が良いようですし、エルヴィンとは違った緊張感があります。
そしてモレロが挙がりましたか。モレロの品が前面に出た演奏ですね。この曲では吹いておりませんが、アート・ペッパー参加に注目されるアルバムです。イントロというレーベルの希少性もありコレクションからモレるとか。(笑)
2枚目、3枚目は、チョット悩みました。
マッコイ・タイナー、ハンク・ジョーンズ、オスカー・ピーターソン、ジョー・パス、ケニー・バレル・・・どれも良い出来ですね。
得意のエイヤーで、
Virtuoso/Joe Pass
「巨匠」というアルバム名通り、レベルの高い演奏だと思います。
Reaching Foruth/McCoy Tyner
ピーターソンとどちらにしようか迷ったのですが、azuminoさんと同じくロイ・ヘインズ参加と言う事でこのアルバムに決めました。
Art Tatum Ben Webster Quartet (Verve)
Oscar Peterson / We Get Requests (Verve)
・・・とここまではOKなのですが、アマノジャクの反逆精神で、3位にはパット・モランをいれましょう。
3位ジョー・パスではあまりにも常套で・・。
ところで、この曲は当初楽器演奏でばかり聴いており、何が面白い曲なのか・・よくわかりませんでした。後年だいぶたってからシナトラの歌を聴き、歌詞を知り、曲の意味が分かったという次第、やはり、歌物は歌詞を知らないと、演奏をしても聴いても、無味乾燥な世界に、ミス・ジョーンズ?いってぇそいつは何処のどいつでぇ、会ったこたぁねぇなぁ・・となってしまうのでげす。
私が挙げたジョー・パスは皆さんパスかと思いましたが、ようやく挙がり安心しました。ギター1本でこの表現力、ギタリストが目指す頂点でしょう。
そしてピアノからはマッコイ、ピーターソン優勢かと思われましたが、ドッコイ、マッコイがマッテイましたね。(笑)