曲にまつわるエピソードを拾い読みすると、1曲書くのに数週間かかることもあれば短時間で仕上がることもあるという。先週話題にした「I'm Beginning To See The Light」はステージの合間だし、「I Can't Give You Anything But Love」は、宝石店ティファニーのショウ・ウィンドウを覗いていたカップルの会話を聞いたジミー・マクヒューが、近くにあった楽器店に飛び込み、そこのピアノを借りて一気に書いたとか。
「In Your Own Sweet Way」も直ぐに出来た曲だ。コンサートの後、ポール・デスモンドが、「スタンダードばかりだから何かオリジナル曲が必要だ、誰かに作ってもらおう」とブルーベックに提案する。「冗談じゃないぜ、僕が作曲家だってことを忘れたのかい、30分もあればオリジナルを2曲作れるよ」と言って書いたのが「ワルツ」とこの曲だという。メンバーのデスモンドですら作曲家であることを忘れていたようだが、ブルーベックはダリウス・ミヨーから4年間作曲法を学んでいる。偉大な作曲家の弟子だからといって素晴らしい曲を書けるとは限らないが、ブルーベックの曲は奥が深い。
珠玉のバラードは多くのカバーがあるが、今回はたまたま壁に飾ってあるパット・モランを選んだ。このレコードを所有されている方に買った動機を聞いたとしよう。60パーセントはジャケ買いで、30パーセントはスコット・ラファロが目的だ。「クール・ストラッティン」と並ぶ美脚ジャケットであり、エヴァンスのトリオで有名になる前のラファロが参加しているので、リーダーのパット・モランを知らなくても売れるレコードではあるが、なかなかに趣味のいい女流ピアニストだ。ベブ・ケリーの落ち着いた歌伴で知られるが、自己のトリオとなると別人だ。アタックも強いしフレーズも太い。
この曲はマイルスが取り上げたことで一気に録音が増えた。マイルスの演奏があまりにも美しいので作者はマイルスだと思っている人は多い。ブルーベックと言えば「Take Five」が名刺代わりの曲だが、作曲したのはデスモンドである。ブルーベックもデスモンドも本国に比べると日本では評価が低いし人気もさっぱりだが、名曲の作者であることを知ると見方が変わるかもしれない。
「In Your Own Sweet Way」も直ぐに出来た曲だ。コンサートの後、ポール・デスモンドが、「スタンダードばかりだから何かオリジナル曲が必要だ、誰かに作ってもらおう」とブルーベックに提案する。「冗談じゃないぜ、僕が作曲家だってことを忘れたのかい、30分もあればオリジナルを2曲作れるよ」と言って書いたのが「ワルツ」とこの曲だという。メンバーのデスモンドですら作曲家であることを忘れていたようだが、ブルーベックはダリウス・ミヨーから4年間作曲法を学んでいる。偉大な作曲家の弟子だからといって素晴らしい曲を書けるとは限らないが、ブルーベックの曲は奥が深い。
珠玉のバラードは多くのカバーがあるが、今回はたまたま壁に飾ってあるパット・モランを選んだ。このレコードを所有されている方に買った動機を聞いたとしよう。60パーセントはジャケ買いで、30パーセントはスコット・ラファロが目的だ。「クール・ストラッティン」と並ぶ美脚ジャケットであり、エヴァンスのトリオで有名になる前のラファロが参加しているので、リーダーのパット・モランを知らなくても売れるレコードではあるが、なかなかに趣味のいい女流ピアニストだ。ベブ・ケリーの落ち着いた歌伴で知られるが、自己のトリオとなると別人だ。アタックも強いしフレーズも太い。
この曲はマイルスが取り上げたことで一気に録音が増えた。マイルスの演奏があまりにも美しいので作者はマイルスだと思っている人は多い。ブルーベックと言えば「Take Five」が名刺代わりの曲だが、作曲したのはデスモンドである。ブルーベックもデスモンドも本国に比べると日本では評価が低いし人気もさっぱりだが、名曲の作者であることを知ると見方が変わるかもしれない。
「In Your Own Sweet Way」は、ブルーベックが56年に書いた曲で、同年マイルスが2度録音したことで一気にミュージシャン間に広がった曲です。マイルスが取り上げなければ埋もれていたかも知れません。畏るべきマイルス!今週はこの曲のお気に入りをお寄せください。
管理人 In Your Own Sweet Way Best 3
Miles Davis / Workin' (Prestige)
Phil Woods / Warm Woods (Epic)
Wes Montgomery / Incredible Jazz Guitar (Riverside)
マイルスは「Collector's Items」にも録音しております。他にも本家のブルーベックをはじめビル・エヴァンス、ケニー・ドリュー、ケニー・ドーハム、チェット・ベイカー等々、多くの名演があります。
今週も皆様のコメントをお待ちしております。
Dave Brubeck Quartet In Your Own Sweet Way Belgium 1964
https://www.youtube.com/watch?v=NwzLGx8klcc
スウィングしないという批判もありますが、よく聴くと静かにスウィングしております。これがブルーベック流。
けが人続出ですが、なんとか頑張って交流戦3連覇! ハム・・少し心配ですよ・・
最初はマイルス、そしてウエス、エヴァンス、コスタ、タル、ウッズ・・でもブルーベックは持ってないのです・・
Kenny Dorham/Jazz Contemporary(TIME)
このレコードが好きなので、ジャケのセンスと内容が合ってます。 ピアノもキューンと来ます(笑)
Miles Davis / Collectors’Items (Prestige)
マイルスはこっちのほうが好きです、この曲に関してはですが、この56年、やっぱりロリンズが凄く良いですね、トミフラも良い!
Wes Montgomery / Incredible Jazz Guitar (Riverside)
これもトミフラですね、好いですね~。
コスタのモード盤も良いと思いましたが、今回は次点です。
やっぱりソフトバンクは強いですね。我がチームは情けないことに負け越しです。いつもなら交流戦で貯金を作るのですが借金が増えました。大谷君が今日、札幌ドームに戻ってきましたので、これから巻き返しです。
トップにケニー・ドーハムがきましたか。これはジャケットが抜群ですし、ドーハムも歌っております。スティーヴ・キューンもこの頃は尖っていてよかったですね。
マイルスは「Collector's Items」がきましたね。これは私も迷いました。ロリンズかコルトレーンか、フラナガンかガーランドか、好みが分かれるところですが、親分はどちらも凄い。
そして、ウエス・モンゴメリー。私も挙げましたが、ウエスのなかでもベスト3に入るレコードだけあり素晴らしいの一言です。フラナガン参加に駄盤なしです。
エディ・コスタもありましたね。これもジャケットがいいですし、内容も悪くありません。
マイルス、ウェスにフィル・ウッズをはじめ名演がズラリの良い曲ですね。しかし残念ながら作者ブルーベックの演奏は手元にありません。
・Woody Shaw / In My Own Sweet Way (In & Out)
この曲名をもじったタイトル、ウディ・ショウの1987年のライブ録音で私はこのアルバムを偏愛しております。しかしお題の曲は主役はミュートtpでマイルスよろしくテーマを吹くのみで、ソロはピアノとベースに譲ってます。自身のレギュラーバンドではありませんが、晩年のウディの貴重なライブ音源でよく聴いてます。
・Don Friedman / Circle Waltz (Riverside)
欲しいアルバムなのですが、未入手であります。
パット・モラン盤の購入動機がピッタシカンカンなのです!
お題曲!Getz好きはヤッパりGetzで。
①Stan Getz / At Large(Verve)
’60年録音のS・ゲッツ、北欧のプレーヤをバックに演ってます。このお題曲のゲッツはとても素晴らしい。味わい深い吟醸酒の様!
②Workin' with the Miles Davis Quintet (Prestige)
暫くぶりに聴きました安定感抜群!味わいは灘の生一本!
③Marian Mcpartland / Reprise(Concord)
副題が「Hickory House Trio」となってまして、B・クロウ&J・モレロとの再会盤。一寸甘口系な味わい、原曲の雰囲気を大事に!
③Don Friedman / Circle Waltz (Riverside)
深い味わい辛口系冷酒の雰囲気盤!
選外
*The Dave Brubeck Quartet/The Quartet(LRC)
ライブ盤。お題曲をピアノは息子のDarius Brubeckが弾いてます。そしてソプラノサックスが入ってます、このソプラノはP・デスモンドかしら?
「In Your Own Sweet Way」の訳は仰るように「あなたのお好きに」という感じですね。ジャン・ポール・ベルモンド流に言うと「勝手にしやがれ」です。
ウディ・ショウがありましたね。タイトルでにんまりです。ショウのなかでは地味なアルバムですが、今となってみれば貴重なライブです。
ドン・フリードマンは何かとエヴァンス云々と言われますが、そんな比較論を気にせず聴くと2倍楽しめます。エヴァンスにない魅力がありますよ。
パット・モランの購入動機はジャケ買いでしたか。まぁ、私も同じですがぁ(笑)
トップにゲッツがきましたね。ジャケの笑顔を見るといい人そうに見えますが、ヤン・ヨハンソンは二度とやりたくない、と言ったとか。内容は申し分ありません。
次にマイルスのワーキン、まず聴こえてきたのがこれでした。グッときます。
マリアンは持っておりませんが、再会盤とは面白そうです。ヒッコリー・ハウス時代は輝いていましたね。マリアンの後任が秋吉敏子、次はユタ・ヒップ、あの時代にその場所にいたなら毎晩通うでしょう。
ドン・フリードマンのベスト盤はピアノトリオの名盤でもあります。
ブルーベックのライブ盤は残念ながら聴いておりません。デスモンドとソプラノは結びつきませんので違うかも知れません。
愛らしいメロディで、聴くにはよいのですが、覚えられない曲です。歌物でなく、器楽曲として書かれているせいかもしれません。メロディをわかりやすく演奏したものがよいので、
Miles Davis / Collectors’Items (Prestige)
Phil Woods / Warm Woods (Epic)
keith jarrett / At The Blue Note Compelete (ECM)
マイルスは、「Workin'」もありますが、こちらの方がトミー・フラナガンのイントロもついて僕には聴きやすいので。フィル・ウッズは、最初から変奏で入っていますが、メロディを美しく歌っていて好感がもてます。
ピアニストが多く取り上げていますが、中ではジャレットのライブ盤が気になります。ピアノでは、他にも、カーステン・ダール「Minor Meeting」、スティーヴ・キューン「Oceans in The Sky」、ジョルジョ・アルバニータス「Live Again」などなどありました。この曲は、演奏者、特にピアニストに人気があるようです。
覚えられない曲とは言い得て妙ですね。テーマを聴くだけでわかる曲ですが、メロディーが直ぐに浮かばない曲です。ブルーベック夫人が歌詞を付けておりますが、あまり歌われることがないので、覚えにくいのかも知れません。
マイルスは予想通り「Collectors’Items」と「Workin'」で割れましたね。マイルスはどちらも申し分ありませんので、サイドメンのアタックと好みで割れるところです。
次にフィル・ウッズ、私も挙げた1枚ですがアルバムタイトルの如くの演奏です。
ジャレットのライブ盤もありましたね。数回聴いただけで埃をかぶっておりますが、たまには取り出してみましょう。
カーステン・ダールにスティーヴ・キューン、ジョルジョ・アルバニータス、美しいメロディーをより美しく表現できるピアニストばかりですね。
In Your Own Sweet Way Best 3
Miles Davis / Collectors’Items (Prestige)
Phil Woods / Warm Woods (Epic)
Stan Getz / At Large (Verve)
集計が遅れましたが、やはりマイルスがきました。「Workin' 」と割れましたが、どちらも甲乙付けがたい素晴らしい演奏です。
他にもウエス・モンゴメリーをはじめケニー・ドーハム、ウディ・ショウ、マリアン・マクパートランド、ドン・フリードマン、キース・ジャレット等々、多くの名演が挙がりました。それぞれ個性際立つバラード表現です。今宵はお気に入りのイン・ユア・オウン・スウィート・ウェイをお楽しみください。