四谷のジャズ喫茶「いーぐる」の店主でありジャズ評論家として健筆を奮っている後藤雅洋さんの著書「一生モノのジャズ名盤500」(小学館101新書)は、50年代のハードバップを中心に幅広く名盤を紹介している。ブルーノート偏重や嫌いなベニー・ゴルソンは1枚も出さない等、偏りもみられるが長年ジャズを聴いてきた耳は流石に鋭い。これからジャズを聴こうとする方の羅針盤になるし、長年ジャズを愛している人にとっても新たな発見があるだろう。
エリントン・ファンとして気になるのは何を選んだかだ。3枚挙げている。満場一致と思われるのはジミー・ブラントンがいた40年代初頭の公式録音を集めたもの。次にピアニストとしてのエリントンで選んだのはレイ・ブラウンとのセッション「ジミー・ブラントンに捧ぐ」。ピアノを聴くなら「マネー・ジャングル」だろうという反論が即座に出る。そして「Hi-Fi Ellington Uptown」?!ホッジスが自楽団結成のために仲の良いローレンス・ブラウンとソニー・グリアを連れてバンドを抜けたあとの作品である。「?」はホッジスがいないエリントン楽団は美女がいないガールズバーみたいなものだと異論を唱える人だ。
穴を埋めるためにハリー・ジェームス楽団にいるかつての盟友ファン・ティゾールに復帰の要請をする。ボスの窮地と聞いて同楽団のウィリー・スミスとルイ・ベルソンも連れてくる男気をみせるのだ。すっかりティゾールのファンになってしまった。ハリーはといえば一度に3人抜けようがバンドはスターの俺で持っているようなものだからと意に介さない大物ぶりをみせる。「!」は新メンバーの加入で生まれ変わった楽団に拍手を送る人だ。リリースされた1952年に生まれた小生も異論はない。どの曲も素晴らしいが、ティゾールが作曲した「Perdido」は何度も演奏したなかでトップにランクされる。
後藤さんが500枚を選ぶために聴いた枚数はその数十倍にも及ぶ。拙ブログは本稿で500を数える。選ばれた500枚、紹介した500枚は好みが大きく反映されているのでジャズの名盤ばかりとは言い切れないが、ジャズ耳を養うために一度は聴かなければならないものばかりだ。たとえ気に入らなくてもその1枚から広がるジャズの世界は無限である。1枚でも多くのアルバムを聴いて自身の一生モノのジャズ名盤を並べてほしい。
エリントン・ファンとして気になるのは何を選んだかだ。3枚挙げている。満場一致と思われるのはジミー・ブラントンがいた40年代初頭の公式録音を集めたもの。次にピアニストとしてのエリントンで選んだのはレイ・ブラウンとのセッション「ジミー・ブラントンに捧ぐ」。ピアノを聴くなら「マネー・ジャングル」だろうという反論が即座に出る。そして「Hi-Fi Ellington Uptown」?!ホッジスが自楽団結成のために仲の良いローレンス・ブラウンとソニー・グリアを連れてバンドを抜けたあとの作品である。「?」はホッジスがいないエリントン楽団は美女がいないガールズバーみたいなものだと異論を唱える人だ。
穴を埋めるためにハリー・ジェームス楽団にいるかつての盟友ファン・ティゾールに復帰の要請をする。ボスの窮地と聞いて同楽団のウィリー・スミスとルイ・ベルソンも連れてくる男気をみせるのだ。すっかりティゾールのファンになってしまった。ハリーはといえば一度に3人抜けようがバンドはスターの俺で持っているようなものだからと意に介さない大物ぶりをみせる。「!」は新メンバーの加入で生まれ変わった楽団に拍手を送る人だ。リリースされた1952年に生まれた小生も異論はない。どの曲も素晴らしいが、ティゾールが作曲した「Perdido」は何度も演奏したなかでトップにランクされる。
後藤さんが500枚を選ぶために聴いた枚数はその数十倍にも及ぶ。拙ブログは本稿で500を数える。選ばれた500枚、紹介した500枚は好みが大きく反映されているのでジャズの名盤ばかりとは言い切れないが、ジャズ耳を養うために一度は聴かなければならないものばかりだ。たとえ気に入らなくてもその1枚から広がるジャズの世界は無限である。1枚でも多くのアルバムを聴いて自身の一生モノのジャズ名盤を並べてほしい。
早いものでこれが500稿目になります。いつもご覧いただいている皆様に重ねて御礼申し上げます。
パーディドを作曲したのはプエルトリコ生まれのトロンボーン奏者「Juan Tizol」です。一般的にはファン・ ティゾールと表記されますが、「ジュアン」と書かれているものもあります。ベンチャーズの「Caravan」に「J. Tizol」とクレジットされていたのを懐かしく思いだします。
今週はパーディドのお気に入りをインストでお寄せください。先週はパーカーを外して大きく割れましたので、今週は本家も入れます(笑)
管理人 Perdido Best 3
Duke Ellington / Hi-Fi Ellington Uptown (Columbia)
Charles Mingus / Live At Carnegie Hall (Atlantic)
Dave Brubeck / Jazz At Oberlin (Fantasy)
当然ですがエリントンは何度も録音しております。ベン・ウェブスターやジョニー・ホッジスのエリントニアンをはじめチャーリー・パーカー、マイルス&ジミー・フォーレスト、バディ・コレット & ハービー・マン、ハーブ・エリス&ジョー・パス、レッド・ガーランド、オスカー・ピーターソン、タル・ファーロー等々、多くの名演があります。
Ellington – Perdido
https://www.youtube.com/watch?v=faOvAO4SRY8
ポール・ゴンザルベス爆睡事件のライブです。終了後ボスはゴンしたでしょう。レイ・ナンスはヴァイオリンを弾くせいか首を45度に曲げてトランペットを吹きます。ソロのあとが格好いい。それにしてもエリントンの音出しの合図は堪りません。まさに私の楽器はオーケストラです。
毎週アップされ続けて10年ですかぁ、凄い事ですね、感服いたします。
これからも楽しませてください、よろしくお願いいたします。
今回の一番はこれです。
Charles Mingus / Live At Carnegie Hall (Atlantic)
聴きどころ満載の20分超のセッションですね、よく聴きました。
ハミエル・ブルーェットのソプラノみたいなバリトンソロ、ジョージ・アダムスのウネウネとしたテナー、ジョン・ファディスの溌剌としたペット
そしてなんといっても、カークのソロは圧巻! (A面のCジャムのソロはもっと凄いけど!)カークの後に出てくるチャールス・マクファーソンが可哀想になります。
これを聴いてカークの虜になりました。
Johnny Hodges/Dance Bash(Norgran)
出だしからホッジスの甘~いアルトが良いですねぇ、ショーティー・ロジャース、ローレンス・ブラウンとエリトニアンのソロはどれも良いですね。
Red Garland/At The Prelude(Prestige)
このレコードは昔からコンスタントに聴き続けています。サテンドールからの流れは何度聴いてもノレますね。
ポピュラーエリントンもよく聴きましたが、次点で・・
土曜日、 "Lover Man / 大友義雄&土岐英史" を抱えて前の列車に駆け込み乗車しようとしたら、目の前でドアが閉まってしまいました.
今回は乗り遅れないように早めに・・・・
1.Red Garland Trio At The Prelude
C.Parker や他の演奏もいくつか手元にありましたが、ちょうどこのアルバムを取り上げたばかりでしたので.
とても軽快にスイングする "Pardido" で、聴きやすく気分もウキウキしてきます.
あることないこと書いているうちに500稿を迎えました。皆様のコメントが一番の励みになっております。
トップはやはりミンガスですね。これは私も迷わず挙げましたが、仰るようにカークの怒濤のソロが凄まじい。ミンガスとカークは音楽上で確執があったようですが、これを聴く限りではそんな不協和音は微塵も感じません。
そしてホッジスの「Dance Bash」。ストーンマーティンのジャケも内容もいいですね。
ピアノはガーランドがきましたか。私はビッグバンドの曲ですので、敢えて外しましたが、ピアノで選ぶならこれです。プレリュードは完全版が出ておりますが、このレコード1枚でその夜の素晴らしさが伝わってきます。この曲からアナダーユーの流れもいいですね。そういえば、この曲昨夜スージーさんが歌っておりました。ヴォーカルでは珍しいので新鮮でした。
ポピュラーエリントンも申し分ありませんが、私は「Hi-Fi」です。二つ返事です(笑)
「Lover Man」はTBMのレコードですか?貴重ですね。サイズが小さめなブックレットも付いておりましたか。いつも利用する地下鉄では滅多に駆け込み乗車はしません。特にレコードを抱えているときは用心深くなります。地下鉄を降りてホッとしたときに雪道で滑って転ぶこともありますが、顔は打ってもレコードだけは下敷きにならないようにしております(笑)
ガーランドがきましたね。いただいた2つのコメントで2投票は大きいですね。しかもオンリーワンの1票は重みがあります。トリオ名盤、ライブ名盤、文句なしです。
私が愛聴してるエリントンCDに、フランスClassics盤の年代順シリーズ「1949-1950」というのがあり、それにOscar Pettiford His Cello & Quartet名義(ピアノはデューク)でPerdidoがあります。このCD、ブルース曲やCreole Love Callという曲など収録で、異色作が多いかもですが私は大好きでちょくちょく聴いています。
マイ・オンリー1はこれだけでしたー。レッド・ガーランドや他のエリントン録音も探していきたいです。しかし、YouTube映像のゴンザルベスさんは気を失っているのでしょうか?心配でした
毎週書いているうちに気が付けば500回という感じです。これからもよろしくお願いします。
フランスClassics盤の年代順シリーズは聴いておりませんが、おそらくエリントン・バンドのピックアップ・メンバーによる録音だと思われます。どの時代でもその時のベストの形で録音に臨んでおりますので素晴らしい演奏が聴けるはずです。
ゴンザルベスさんはヤクの影響でしょうね。時々凄まじいソロを取りますのでクビにもできないのでしょう。いいボスです。
今週は長野市でも雪が積もり、昨日、今日と雪かきに追われています。ようやく冬らしい景色が出現しました。「パーディド」ですが、このへんの曲になると、エリントンがあればいいかなと思ってしまいます。でも、他にもヴァージョンが多いので3つ選んでみました。
①Duke Ellington / Hi-Fi Ellington Uptown (Columbia)
②Charles Mingus / Live At Carnegie Hall (Atlantic)
③Charlie Parker / Jazz at Massey Hall (Debut)
①は本家本元ですから。②は、ローランド・カークのソロが圧巻。③もライブですが、パーカーももちろんながら、ガレスピーも輝かしい。
500回おめでとうございます。それも長めの記事を書いているので、ずしりと重みがある500です。毎週日曜の朝は、ウィットに富んだ文章を読むのが楽しみです。
これからも多様なお話を期待しています。
ネタがないときは毎週のアップはプレッシャーに感じますが、日曜日9時前後に急激に伸びるアクセス数をみると書かずにいられません。
北海道は大荒れでして札幌もかなり積もりましたし、底冷えする寒さが続いております。
ワンツーが私と重なりましたね。ガーランドに押されておりましたので本家が挙がってホッとしております。数あるエリントンのパーディドでもこれが一番です。演奏内容も勿論ですが、ティゾール復帰のティゾール作という状況も押し上げております。
パーカーもいいですね。曰く付きのセッションですが、凄すぎるメンバーの凄まじい演奏です。
ウィットというよりほとんどオヤジギャグですが、これからもお付き合いよろしくお願いします。