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ウディ・ハーマンのセカンド・ハードが、スタン・ゲッツ、ハービー・スチュワート、ズート・シムズ、サージ・チャロフという夢のようなサックス・セクションで脚光を浴びたのは40年代末であった。代表作の「フォア・ブラザーズ」は、サックス4本のアンサンブルによるテーマが転調しながら延々と続き、4人の短いながら変化のあるソロをはさんだ名演で、演奏陣も見事なら作編曲もまた優れたものだ。幾つかのカバーは、このオリジナルを意識したもので、崩せないほど完璧であることを物語っている。
この名アレンジを施したジミー・ジュフリーが、4月に亡くなったのを最近知った。映画「真夏の夜のジャズ」の冒頭を飾った映像で在りし日の姿を思い出す方もあろう。この時の演奏が示すように、ジュフリーが58年当時目指していたのは、フォーク・ジャズ的要素を持ったものであった。彼の吹くクラリネットやテナーは、レスター・ヤングのようにビブラートが稀薄でかすみがかかり寛ぎさえ覚えるが、その音色とは裏腹に音楽性は進歩的であり、且つ革新性の強いものだった。時代の先を行くジャズゆえ理解者は少なく、常に思索する音楽家として位置付けられていた。
58年の作品「ウェスタン組曲」は、ジム・ホールのギターとトロンボーンのボブ・ブルックマイヤーと組んだ変則トリオで、西部の大草原をイメージさせる組曲と、スタンダードの「トプシー」と「ブルー・モンク」という構成だ。組曲は音楽理論を追求した難解なものだが、スタンダードは極自然な4ビートでスイング感もあり、このアルバムからも思索するジュフリーの断片が窺える。全体を通して興味深いのはドラムレスでリズムを想定しており、この場合3人が同じリズム感覚を持たないことには一体感が失われるのだが、同調されたリズム感を共有しているのは見事なものだ。そしてベースなしで、ベースラインを刻むという高度なテクニックをホールは披露している。ハーモナイズド・ベースラインと呼ばれるもので、ベースラインの上に更にコードを乗せるという奏法らしい。ホールはこの高度な演奏を必要とされたためストレスが溜まり、髪が抜けてしまったそうだ。
ジャケットの最大15メートルくらいまで成長するというサワロカクタスが花を咲かす時期は知らぬが、サボテンの代表品種「金鯱」は、開花するまで30年前後かかるという。理解者の少ないジュフリーの音楽に花が咲くのはいつのことだろうか・・・合掌。
この名アレンジを施したジミー・ジュフリーが、4月に亡くなったのを最近知った。映画「真夏の夜のジャズ」の冒頭を飾った映像で在りし日の姿を思い出す方もあろう。この時の演奏が示すように、ジュフリーが58年当時目指していたのは、フォーク・ジャズ的要素を持ったものであった。彼の吹くクラリネットやテナーは、レスター・ヤングのようにビブラートが稀薄でかすみがかかり寛ぎさえ覚えるが、その音色とは裏腹に音楽性は進歩的であり、且つ革新性の強いものだった。時代の先を行くジャズゆえ理解者は少なく、常に思索する音楽家として位置付けられていた。
58年の作品「ウェスタン組曲」は、ジム・ホールのギターとトロンボーンのボブ・ブルックマイヤーと組んだ変則トリオで、西部の大草原をイメージさせる組曲と、スタンダードの「トプシー」と「ブルー・モンク」という構成だ。組曲は音楽理論を追求した難解なものだが、スタンダードは極自然な4ビートでスイング感もあり、このアルバムからも思索するジュフリーの断片が窺える。全体を通して興味深いのはドラムレスでリズムを想定しており、この場合3人が同じリズム感覚を持たないことには一体感が失われるのだが、同調されたリズム感を共有しているのは見事なものだ。そしてベースなしで、ベースラインを刻むという高度なテクニックをホールは披露している。ハーモナイズド・ベースラインと呼ばれるもので、ベースラインの上に更にコードを乗せるという奏法らしい。ホールはこの高度な演奏を必要とされたためストレスが溜まり、髪が抜けてしまったそうだ。
ジャケットの最大15メートルくらいまで成長するというサワロカクタスが花を咲かす時期は知らぬが、サボテンの代表品種「金鯱」は、開花するまで30年前後かかるという。理解者の少ないジュフリーの音楽に花が咲くのはいつのことだろうか・・・合掌。
高度な音楽性ゆえ理解者も少なく、日本ではコニッツと並び非スイングの代表として人気がありませんでしたが、皆様のジュフリーの評価はいかがでしょう。
お好みのアルバムをお寄せください。
管理人 Jimmy Giuffre Best 3
Jimmy Giuffre 3 (Atlantic)
Western Suite (Atlantic)
Music Man (Atlantic)
かつて、Jimmy Giuffre をなんて読んだらいいのかという議論があったそうです。ジミー・ギュフレというのもありました。
ジュフリーは何をやっているのかよくわからん、というご意見もあるかと思いますが、今週もたくさんのコメントをお待ちしております。
いう言葉を思い浮かべてしまいます。
計算しつくされた音楽、というイメージです。
スイング感と熱く萌えるものが感じられないと、
ジャズとしては私的には難しいですね。
同じく理詰めのジャズでも、ジョージ・ラッセルあたりは
躍動感と熱気を充分感じ取れるので、私は好きです。
そんなわけで、ジュフリーさんはずっと跨ぎ続けておりまして、
管理人さんご推奨の3枚はいずれも未チェック。
リーダー作は、ポール・ブレイp、スティーヴ・スワロウb
とのトリオによる、
「Fusion」(Verve)
「Free Fall」(Columbia)
の2枚を所有するのみ。
あとは、アニタの「Cool Heat」と、
ショーティ・ロジャーズのアルバム(題名失念)に
参加したものを持っているくらいです。
この人はなんとなく一匹狼のようなイメージを
持っていたんですが、経歴を見ると、ハーマン楽団在籍以前にも、
ボイド・レイバーン、トミー・ドーシー、バディ・リッチ、
ハーマン楽団の後は、ハワード・ラムゼイ、ショーティ・ロジャーズと
実に様々なオーケストラ、コンボで多くのジャズメンと
交流していることを知って、ちょっと意外でした。
それにしても、Giuffre って、何系なんでしょうね。
フランス系かな?
duke様、皆様、こんばんは。
ジミー・ジュフリーですか・・・どうも頭で考えてから演奏する人のようでしかもスイングしない感じで・・。ようわからんと言うのが正直なところです。
あえて一枚あげるなら「ジミー・ジュフリー3」でしょうか。
では、では、
大方のプレイヤーのアルバムは一度も聞いた事がなくても音や内容が想像付きますが、ことジュフリーとコニッツは実際に耳にしないことには分からないところがあります。記事のアルバムにしても、聴く前からA面の組曲は音楽理論を凝縮したものと想像できますが、さてスタンダードをどう料理しているのか気になります。ましてやモンク・ナンバーですので興味津々、津々浦々といったとこでしょうか。
お持ちの「Fusion」は、61年当時としては、かなり前衛的な作品ですが、ブレイと共通したものがあり面白い内容です。
Giuffre は何系なのかは分かりませんが、生まれはテキサスですので、平原的なものを理念としていたのでしょうか。
ジュフリーは、「フォア・ブラザーズ」のスイング感や、「Cool Heat」の歌心も表現できる多彩な人だったのでしょうね。
一概にスイングしないとも言い切れず、「トプシー」は表現が違えどスイング感がありますよ。ジュフリーをあまり熱心に聴きますと、ジム・ホールのような頭になります。さて、KAMI さんの場合は・・・(笑)
MJQのミュージック・イン盤は、ロリンズとの素晴らしい共演もありましたが、ジュフリーはMJQの音にマッチしていい内容と思います。おっしゃるようにデスモンドに似た音がよりMJQサウンドに馴染んだのでしょう。
ルイスとジュフリーは音楽志向がある意味、進歩的で共通項があるのかもしれません。オーネット・コールマンをアトランティックに紹介したのはルイスでしたから、新しいものに前向きだったことは確かですね。
ジャズを聴くようになっても、デキシーかスイング系の方々の楽器かと・・・。
クラリネットという楽器に偏見をもっておりました。
ベニー・グッドマン、ピーナツ・ハッコウ、ジョージ・ルイス、北村英治、鈴木章次・・・とくれば「スズカケの小道」・・・モダンとは程遠い感覚で・・。
モダンジャズには向かないかなと・・・しかし、高校時代の或る日、バンドを組むことになったものの、お金が無くて、アルトが買えない、買えるのは質流れのクラのみ・・・・
いかに、サックス風な音にするか・・・これがバンドリーダー軒口君の悩みだった・・・気が緩むとすぐにチンドンフレーズがでる・・・マックリーンやトレーンの音とは程遠い。
或る日、「真夏の夜のジャズ」をみた、冒頭のシーンで釘付けになった。
あの乾いた、クールなサウンド、ゲッツ、ブルックマイヤーなどとの程好い音量とアンサンブル感・・・
ここにとてもモダンさを感じた。
同時にドロフィーのバスクラ、バディ・デ・フランコのハード・バップのクラサウンド・・・。
クラはバカにできないぞ・・・と、そう思わせてくれたのがジェフリーだ。
しかし、ジェフリーは以下の二枚しかもってない・・だからこの二枚しか挙げようがない・・・。
もし、3番を挙げよとご命令なら・・・「真夏の夜のジャズ」を加えたいのだが・・・。
Jimmy Giuffre 3 (Atlantic)
Western Suite (Atlantic)
私は小さい頃、アッカー・ビルクか、ピート・ファウンテンの「小さな花」でクラリネットを聴きましたので、チンドン屋さんの楽器というよりムード・ミュージックを奏でるものと思っておりました。そのせいかグッドマンあたりはかなりモダンに聴こえたものです。ですからデ・フランコやトニー・スコットになると違う楽器の響さえ感じたものです。当然、ジェフリーはドルフィー同様、惑星からやってきた人だと・・・
私が挙げた上位2枚をお持ちとは嬉しいですね。3枚目の Music Man のジャケはジュニアバンドを指揮しているジェフリーが写っておりますが、子どものバンドではなく、アル・コーンやジョー・ワイルダーが参加したアルバムです。よく分からない内容ですので、お薦めはしません。(笑)
結構色々な所で名前は見ている気がするのですが、いまひとつ印象に残っていないんです。
アニタ・オデイのCOOL HEARTで、参加していたかなあ。
今週は、お勉強の週になりそうです。