先週から家内が関東方面に旅行に出かけており、KAMI さんのお店にも寄らせて頂く予定になっている。手作りケーキを楽しみにしているようだ。一人の小生は、「男子厨房に入らず」ともいかず、近所のスーパーで霜降りも立派なら値段も立派な牛肉を買って来た。料理の本を開いてみると、ステーキは焼く前に常温にしておく、と書いてある。男の料理は入れたばかりの肉を冷蔵庫から取り出すことから始る。
料理なら私にお任せよ、というジャケットはズート・シムズの「クッキン」で、ロンドンでのセッションを収めている。料理番組のテーマ曲が聴こえてきそうなジャケット写真は、おおよそジャズ・アルバムとは思えないが、「サヴォイでストンプ」「 ラヴ・フォー・セール」「枯葉」といったスタンダードを、ズート節で吹きまくっている一枚だ。タイトル通り一流シェフの絶妙な味付けで料理している。
ズートはソニー・ロリンズのような豪快さもないし、同じウディ・ハーマン・フォー・ブラザーズ出身のスタン・ゲッツにバラードでは一歩譲るが、ミディアム・テンポでは比類ない巧さをみせる。レスター・ヤング直系の滑らかさにドライブ感を加えたそのスタイルは、モダン・テナーの代表ともいえる。このドライブ感という形容はズートのためにあるようなものだ。ビル・クロウ著の「さよならバードランド」に、ズートについて書かれている。酒好きで演奏中ウェイターがグラスを放り投げると器用に受け取り、飲んでは演奏を続けていたという。飲むほどに、酔うほどにドライブするフレーズに、こちらも酔ってしまう。
ミディアムに焼きあがった肉と、上級ではないがミドルクラスのワイン、それにヴォリュームを上げたスピーカーから流れるズートのミディアムでドライブするテナー。舌も鼓膜も踊る。時に一人もまた良い、と思ったのも束の間、食べた後は洗い物が待っている。「台所は女の天下」と決め込む。
料理なら私にお任せよ、というジャケットはズート・シムズの「クッキン」で、ロンドンでのセッションを収めている。料理番組のテーマ曲が聴こえてきそうなジャケット写真は、おおよそジャズ・アルバムとは思えないが、「サヴォイでストンプ」「 ラヴ・フォー・セール」「枯葉」といったスタンダードを、ズート節で吹きまくっている一枚だ。タイトル通り一流シェフの絶妙な味付けで料理している。
ズートはソニー・ロリンズのような豪快さもないし、同じウディ・ハーマン・フォー・ブラザーズ出身のスタン・ゲッツにバラードでは一歩譲るが、ミディアム・テンポでは比類ない巧さをみせる。レスター・ヤング直系の滑らかさにドライブ感を加えたそのスタイルは、モダン・テナーの代表ともいえる。このドライブ感という形容はズートのためにあるようなものだ。ビル・クロウ著の「さよならバードランド」に、ズートについて書かれている。酒好きで演奏中ウェイターがグラスを放り投げると器用に受け取り、飲んでは演奏を続けていたという。飲むほどに、酔うほどにドライブするフレーズに、こちらも酔ってしまう。
ミディアムに焼きあがった肉と、上級ではないがミドルクラスのワイン、それにヴォリュームを上げたスピーカーから流れるズートのミディアムでドライブするテナー。舌も鼓膜も踊る。時に一人もまた良い、と思ったのも束の間、食べた後は洗い物が待っている。「台所は女の天下」と決め込む。
家族でお出かけ前にPCに向かっています。
ズート・シムスは、私の最も好きなテナーマンです。
所有しているリーダー作は、多分60作くらいに
なると思います。
ズートの本領は、ミディアム・・・
なるほど、そうですね!
「South American Cookin」の枯葉とかね。
ミディアムがズートなら、アップテンポは
グリフィンかタビー・ヘイズあたりですか?
しかし、ズートのバラードも涙が出るくらいいいですよ!
「Zoot at Ease」(Famousdoor)の2曲目、
In The Middle of A Kiss でのバラード・プレイ。
何百回と聴いていますが、何度聴いてもいいものはいい!
「Cookin」は英フォンタナがなかなか再発しない
レーベルということもあって、長らく幻盤でしたが、
10年ほど前にFSRから「Live at Ronnie Scotts 61」
としてCD復刻され、狂喜乱舞してゲットしました。
「Cookin」には、クインテットの曲も収録されていますが、
FSR盤はこの分は割愛されており、代わりに
カルテットのオリジナル未収録曲である
「Blues in E Flat」という曲が収められています。
アルバムの構成美という見地からいうと、FSR盤の
見識のほうに軍配を挙げたい気もしますね。
60作お持ちとは筋金入りのズート・ファンですね。「Zoot at Ease」では「ソフトリー」も良いですが、確かに「 In The Middle of A Kiss 」でのバラード・プレイは見事ですね。仰るとおりです。
>アルバムの構成美という見地
FSR盤は所有しておりませんが、英フォンタナはかなりいい加減なアルバム作りのようです。ジャケットで笑うしかありません。
さぁて、「The Modern Art of jazz by Zoot Sims」(dawn)でも聴いてみましょうか。オープニングは10月なのに「9月の雨」 これがミディアムでご機嫌です。おまけにジャケットのズートはハンチング被っていますし・・・(笑)
独身生活、如何ですか?
ジャズは誰にも気兼ねしないで大音量で聴くことが出来、ヱビスは飲み放題、ご機嫌な独身生活ではないかと思います。
今日、私の店に奥様がお見えになりました。短い時間でしたが、duku様のジャズへの深い思いを伺う事が出来、楽しかったです。
優しくて包容力のある奥様ですね。
お土産まで頂き、有難うございました。
ズート・シムズのアルバムはあまり持っていませんが、「ベイシー&ズート」が気に入っていて店でも時々かけています。
早速、お土産に頂いた「北の帆立」を肴にヱビスを飲もうと思います。
私は、このアルバムをSEECO というレーベルから
出ている「The Art of Jazz/ Zoot Sims」というLPで
持っています。
ズート、ブルックマイヤー、ジョン・ウィリアムス、
ミルト・ヒントン、ガス・ジョンソンのパーソネルですよね?
ジャケは、大きな版画の前にテナーが置かれていて、
その脇に顔だけがシルエットになった(明らかにズートとは違う)
紳士が座っています。
後にDawn 盤を見つけた時、ゲットしようかどうか
迷いましたが、収録曲が全く同一だったので
見送りました。
が、ズート・マニアとしてはスルーすべきではなかったか?
例の垂涎盤のデュクレテ・トムソン盤も、私は
同日録音のオリジナル未収録曲集をLPで持っていましたが、5年ほど前にコンプリート盤の
「Zoot Sims in Paris」をゲット。
ところが、2年前にJazz In Paris シリーズで
出た見開き紙ジャケのCDが実はデュクレテの
原盤と同じ収録曲数のものと、後になって気がつき(アホ!)、
ガックリきてこの紙ジャケはリサイクルに回しました。
乱脈再発をもう少し整理した形にしてもらえないか、
と思うのは私だけでしょうか?(笑)
>KAMIさん。
>、「ベイシー&ズート」が気に入っていて店でも時々かけています。
そうですね、これもなかなかいい作品だと思いますが、
もっと素晴らしいアルバムをたくさん残していますよ、ズートさん。
大音量のジャズ、飲み放題のヱビス、冷めた店屋物、快適であります。(笑)
「ベイシー&ズート」は私も好きで良く聴きますよ。「アイ・ネヴァー・ニュー」ではベイシーの指が走りますね。続く「ペーパー・ムーン」、ベイシーのイントロに導かれてやおら吹き出すズート、やはりミディアムでドライブします。おまけにジャケットのベイシーは帽子被っていますし・・・どまでも続く帽子ネタでした。(笑)
飲みすぎに要注意!KAMI さんも私もね。
DawnはSEECOの傍系会社です。お持ちのSEECO盤はジャケ、ライナー、タイトルまでも変更した再発盤です。Dawn 盤を逃したのは残念でしたね。○月社でもSEECO盤をオリジナルと称していい価格付けておりました。確かにシーコ・オリジナルには違いありませんが・・・
デュクレテ・トムソン盤は欲しい一枚です。更に Fred MIiles 盤の「Either Way」ですね。乱脈再発、乱脈乱発は困りものです。同感!
>更に Fred MIiles 盤の「Either Way」ですね。
「Either Way」は24~5年前にLPが再発され
(Pabloかどこかからの復刻だったと思います)ゲットしましたが、
その後なかなか再発されなくて「ああ、よくぞ買っといたものよ」
と思ったものでした。
ところが・・・
最近になって、例のLonehill Jazz レーベルから
「The Hoagy Carmichael Sessions & More/Zoot Sims & Al Cohn」
という再発CDが出ました。
実はこのCDの、カーマイケル集以外のボーナス曲8曲が
「Either Way」の8曲なんですよ!
しかも、ジャケ写がCoral 盤「Al & Zoot」に
使われている、ズートとアルが立ってテナー吹いている
例の写真なんですなあ・・・。
もうやってることがハチャメチャというか・・・(笑)。
日本人なら、絶対にやらないっすよね、こんなこと。
しかし、FSR や Lonehill Jazz のような
掘り出し再発ゲリラ集団は、我々コレクターにとっては
ありがたい存在ではあります。
「The Hoagy Carmichael Sessions & More/Zoot Sims & Al Cohn」というCDは知りませんでしたが、恐ろしい内容ですね。オリジナル盤は殆ど入手不可能ですので、貴重な音源を容易く聴けるのは、ありがたいことですが、やはりアルバムとしての誇り高い芸術性は失われているような気がします。それにしても凄い編集ですなぁ。FSR や Lonehill Jazz のCD買うときはディスコグラフィーが必要なのかもしれませんよ。イエプセンのディスコ全巻持ち歩けないしなぁ。(笑)
そうですね、この点は古来、論争の種になって
なかなか結論の出ないところですね。
私はどちらかというと、FSR や LHJ の存在価値を
認めるほうですが、再発にあたっては、やはり
最低限の節度は守っていただきたいですね。
例えば上記、Coral 盤「アル&ズート」のジャケ写を
流用したジャケットの(「Either Way」を含む)CDを
店頭で見て、「なんだい、コーラルのAl & Zootなら持ってるよ」と
スルーした人が、かなりいらっしゃるのでは?
ところで、アル&ズートですが・・・。
私は、どちらかというと二人の双頭盤よりズートの単独の
アルバムのほうが好きです。
同一楽器のバトル・チームは、フィル&クイルのように
実力が拮抗していないと緊張感に欠ける、というのが私の自論です。
アルとズートだと、明らかにズートのほうが滑舌、
アドリブの妙において勝っている。
もっともズートが「生涯一サックス奏者」に徹していたのに対し、
アルはアレンジなどにも長けていたので、お互いに
ない物を補完しあっていた、という面はあるのでしょうが・・・。
レスター派のアル&ズート・コンビは、アルの編曲の妙でズート単独とは違った味わいがあります。確かに緊張感には欠けますが、レスター流ですのでJATPのようなバトルよりも、フォー・ブラザーズの同一楽器による厚みのある音を指向していたものでしょう。音色の濃淡と強弱が微妙で私は好きですね。
まぁ、「アル日も来る日もコン度もいい」と「ズーッといいシムズ」の二人です。
明日、家内が帰りますので深夜のコメントが出来ない場合もありますので、予めご了承ください。(笑)