ここ札幌も桜が咲き、ようやく春らしくなってきた。春の曲をと思い無料でダウンロードできる「春のスタンダード・ナンバー20曲」を見てみるとゲッツの「It Might As Well Be Spring」をトップにエヴァンス「Spring Is Here」、エラ&ルイの「April In Paris」、ベティ・カーター「Spring Can Really Hang You Up The Most」、ブラウニー「Joy Spring」と誰でもが知っている曲が並ぶ。メロディーが流れるだけで足取りが軽くなる。
他にもブロッサム・ディアリーの「They Say It's Spring」やデクスター・ゴードン「 I'll Remember April」、ジャズテットの「Younger Than Springtime」、御大エリントンの「Springtime In Africa」という定番が並んだところで、どなたが選曲したのか知らないが、天国に近いスウィートな音楽と言われたガイ・ロンバードの「April Showers」にジャンゴ・ラインハルトの「Swingtime In Springtime」、グレン・ミラーと人気を二分したグレン・グレイの「Suddenly It's Spring」といった咄嗟にメロディーが出てこない地味な曲が入っている。なかなかに渋い。ところがだ、フレディ・ハバードのあれが抜けているではないか。
そう、「Up Jumped Spring」だ。初演は3管JMの「Three Blind Mice」だが、ハバードのアトランティック移籍第1弾「Backlash」で有名な曲である。多くのカバーがあるが、JMで一緒にプレイしたカーティス・フラーがアルバムタイトルにして取り上げていた。2003年にシカゴ・ジャズ・フェスティヴァルのため滞在中に地元ミュージシャンと録音したものだ。地元といっても侮れない。シカゴに行くならトランぺッターは連れていかなくても大丈夫と言われたブラッド・グッドが参加している。おそらくフラーもグッドとセッションしたかったのだろう。ともにご機嫌なフレーズが飛び出てくる。
20曲のなかにアート・テイタムが演奏した「Some Other Spring」もあった。アイリーン・キッチングスが書いた曲で、テディ・ウィルソンと離婚したショックも癒えない頃の作と言われている。また、アーサー・ハーゾグが付けた詞をビリー・ホリデイが歌ったことで、歌詞と相俟って暗いイメージがある曲だが、メロディーは意外にもは明るい。「Spring」という単語は知らず知らずのうちに人も空気も明るくする。
他にもブロッサム・ディアリーの「They Say It's Spring」やデクスター・ゴードン「 I'll Remember April」、ジャズテットの「Younger Than Springtime」、御大エリントンの「Springtime In Africa」という定番が並んだところで、どなたが選曲したのか知らないが、天国に近いスウィートな音楽と言われたガイ・ロンバードの「April Showers」にジャンゴ・ラインハルトの「Swingtime In Springtime」、グレン・ミラーと人気を二分したグレン・グレイの「Suddenly It's Spring」といった咄嗟にメロディーが出てこない地味な曲が入っている。なかなかに渋い。ところがだ、フレディ・ハバードのあれが抜けているではないか。
そう、「Up Jumped Spring」だ。初演は3管JMの「Three Blind Mice」だが、ハバードのアトランティック移籍第1弾「Backlash」で有名な曲である。多くのカバーがあるが、JMで一緒にプレイしたカーティス・フラーがアルバムタイトルにして取り上げていた。2003年にシカゴ・ジャズ・フェスティヴァルのため滞在中に地元ミュージシャンと録音したものだ。地元といっても侮れない。シカゴに行くならトランぺッターは連れていかなくても大丈夫と言われたブラッド・グッドが参加している。おそらくフラーもグッドとセッションしたかったのだろう。ともにご機嫌なフレーズが飛び出てくる。
20曲のなかにアート・テイタムが演奏した「Some Other Spring」もあった。アイリーン・キッチングスが書いた曲で、テディ・ウィルソンと離婚したショックも癒えない頃の作と言われている。また、アーサー・ハーゾグが付けた詞をビリー・ホリデイが歌ったことで、歌詞と相俟って暗いイメージがある曲だが、メロディーは意外にもは明るい。「Spring」という単語は知らず知らずのうちに人も空気も明るくする。
GWのご予定はいかがでしょうか?桜が咲き、日本ハムは連敗を10で止め、昨日はサヨナラ勝ちで連勝しました。札幌も活気を増してきました。3日はDAY BY DAYのメンバーと花見を兼ねてドームで応援します。
今週は「アップ・ジャンプト・スプリング」のお気に入りをお寄せください。
管理人 Up Jumped Spring Best 3
Freddie Hubbard / Backlash (Atlantic)
George Cables / Whisper Not (Atlas)
Walter Bishop Jr. / Soliloquy (Seabreeze)
ハバードは何度も録音しております。他にもアート・ブレイキーやベニー・ゴルソンも録音しております。
アビー・リンカーンは自身で詞を付けて歌っております。
ウォルター・ビショップJr. のは「Solo」のタイトルでトリオ・レコードの「Nadja」レーベルから出たものと同じです。
今週も皆様のコメントをお待ちしております。
Freddie Hubbards' ''Up Jumped Spring'';
https://www.youtube.com/watch?v=a5peaCEJRmU
春を感じますね
こんばんは、dukeさん。
先週のお題では私の世代的育ちの悪さ教養の無さからお休みさせていただきました、なにせポンキッキからのウルトラマンタロウですから(恥)日本におけるジャズポップス論はとても大事だなぁと思います。
You Gatta Pay The Band / Abbey Lincoln (Verve.Gitanes)
歌詞はいくつかのVer.がありますが、このアルバム、この曲からのタイムフォーの流れも素晴らしい。メンツはレーベル内選出ですが90年代はVerveの時代でしたから贅沢でアビーのこのアルバム前後3枚は素晴らしいです。ここでのゲッツの凄さは別人ゲットゼットと私たちは呼んでいました。
個人的にこの曲でソロを用意されたレフティマーク・ジョンソンのある意味メジャーデビューに嬉しくなりました。イリアーヌの大したこと無い旦那なんてどーでもよいのです。
At Yoshi's / George Coleman (Theresa)
メンツが最高です。マイルススクールからはあまり好かれてないようですが、彼の70年代から80年代のアルバムは全て充実していますね。アルビンが効いてます。
Backlash / Freddie Hubbard (Atlantic)
カーティスも近作ではテーマしか吹かなかったり、ソロが無かったりでさみしいのですがフレディの晩年も悲しいものがありました。
まぁ、よくこんな愛らしい曲書いたもんだと(笑)
カッコいい曲や哀愁漂う曲がたくさんある自作の中でこれはベスト3に入れたくなります。フロントのインディアナポリス若頭達に寄り添うアルバート・デイリーがキラキラしています。
次点に
Sound-Effect / Steve Nelson (HighNote)
こういうメンツが好みなだけです。この世代の振りきれないスッキリしなさ加減がほっておけないのです。ボビハチあたり演ってなかったっけと…手持ちにはありませんでした。
George CablesやWalter Bishop Jrもレパートリーにして何回も録音してますが、患ってからのGeorge Cablesはデックス等の師匠を追憶させた時輝くなぁと、『You Don't Know Me』のこの曲のソロ表現が師匠同様お茶目さと哀愁が同居していてよく聞きます。
どうか4年前の再現になりませんように夏の歌のお題が出るまでにはなんとかお題の如く(4年前もとりあえず夏には盛り返したような)…
かつて女満別空港跡地でジャズフェスらしきものがありました。真夏なのにフレディはこの曲を演奏しておりました(笑)春の意図はなかったのでしょう。
トップにアビー・リンカーンがきましたか。アビーならずとも歌詞を振りたくなる美しいメロディーです。ゲッツの最後の録音だったと記憶しておりますが、人間性はともかく音楽は生涯素晴らしかった。インシストの60年代には考えられない共演です。
次にジョージ・コールマン、マイルス時代をふくめて評価は低いようですが、背伸びしないスタイルはいいですね。ハロルド・メイバーンも名盤なしの評価ですが、よく歌うピアノです。
そして、本家。このレコードはジャズの聴き始めのリアルタイムですので印象深いですね。先輩からはジャズロックなんか聴くなよ、と馬鹿にされましたがいいものはいい。この曲も素晴らしいのですが、何といっても「Little Sunflower」です。寺井尚子に大野智子、この曲を取り上げただけで好きになります(笑)
スティーヴ・ネルソンは聴いておりませんが、ヴァイブで一段と輝きを増したでしょう。ジョージ・ケイブルスはフレディとペッパーのバンドで聴いています。音だけ聴いてもピアノに向かう姿が見えますので多少の難点があってもあげたくなりますね。
「Up Jumped Spring」は、ジャズワルツで、可愛らしく優雅さも感じられる曲想なので、演奏もそんな傾向がいいと思い、次の3つで。
Freddie Hubbard / Backlash (Atlantic)
George Cables / Whisper Not (Atlas)
John Hicks / Beyond Expectations (Reservoir)
ミュージシャンに人気が高いのか、この曲はたまにライブでも耳にします。佐藤達哉(ts)の演奏を聴いたことがあります。ピアニストだと、マルグリュー・ミラーの「Trio Transition」(日本録音、DIW)もありました。
ジャズワルツは親しみやすくエレガントですね。この時期に聴くとウキウキします。
ワンツーは私と同じ並びになりましたね。「Backlash」はブルーノートとは一味違う魅力があります。「Three Blind Mice」も迫力ある演奏ですが、やはり「Backlash」に落ち着きます。
ジョージ・ケイブルスのはいかにも日本企画という選曲ですが、メリハリがあり退屈しません。ピーター・アースキンの参加が大きいでしょう。
そして、ジョン・ヒックスがありましたか。これは残念ながら聴いておりませんが、メンツも選曲も良さそうですね。
マルグリュー・ミラーのはタイトルにやられます。
札幌のミュージシャンもこの時期によく取り上げているようです。春はアドリブも弾みます。
Up Jumped Spring Best 3
Freddie Hubbard / Backlash (Atlantic)
George Cables / Whisper Not (Atlas)
Abbey Lincoln / You Gotta Pay The Band (Verve)
本家のハバードが人気でした。他にもウォルター・ビショップJr.をはじめジョージ・コールマン、スティーヴ・ネルソン、ジョン・ヒックス、マルグリュー・ミラーが挙がりました。春を感じる演奏ばかりです。今宵はお気に入りのアップ・ジャンプト・スプリングをお楽しみください。