新年度や新学期の時期を迎える4月は、新調したスーツや制服に身を包んだ若者をみかける。新しいことを始めたり挑戦するときは不安や心配もつきものだが、それ以上に期待感があふれるのだろう、皆一様に表情は春の空気のように清々しい。新たなスタートを切る4月をタイトルにした曲は中森明菜の「April Stars」、石野真子の「四月になれば」、サイモン&ガーファンクルの「4月になれば彼女は」等、希望に燃える歌が多い。
ジャズナンバーではロマンチックな歌詞と格別に美しいメロディを持つ「四月の思い出」が多くのプレイヤーに取り上げられている。ジャズ・ピアニスト山崎英幸さんの解説によると1コーラス48小節という長い形式で、1コーラスが長く、前半で同一コードが続くなどの理由で通常早いテンポで演奏されることが多いそうだ。確かにのちのミュージシャンの手本となるルースト盤のバド・パウエルは息も付かぬ超高速演奏で、バラードソロで演奏したソニー・クラーク以外はほとんどアップテンポである。エロール・ガーナー、アンドレ・プレビン、デューク・ジョーダン等々、名ピアニストの指は目で追えぬ速さだ。
なかでもラテン調の早いテンポで弾いているのがジューン・クリスティの歌伴を努めたこともあるクロード・ウィリアムソンで、スピードではパウエルには負けない。かつて白人ながらパウエル直系だったため、「白いバド・パウエル」とか「漂白されたバップピアニスト」と呼ばれたこともある人だ。両者を聴き比べるとテクニックにしても歌心にして決してウィリアムソンが劣っているわけではなく、直向にバップに取り組んでいる姿は両者とも同じである。黒人の大統領が誕生した今、このような侮蔑的な形容をする人はいないと思われるが、当時は日本でもバップは黒人のジャズという根強い意識があったのかもしれない。
颯爽と社会に巣立つ若者がいる一方、今春卒業した学生のうち採用内定を取り消された人は2000人近くにのぼるという。今年の苦い四月の思い出も、何年か先の四月はきっと楽しい思い出に変り、それが数十年先懐かしく思い出せる四月になることを祈るばかりである。
ジャズナンバーではロマンチックな歌詞と格別に美しいメロディを持つ「四月の思い出」が多くのプレイヤーに取り上げられている。ジャズ・ピアニスト山崎英幸さんの解説によると1コーラス48小節という長い形式で、1コーラスが長く、前半で同一コードが続くなどの理由で通常早いテンポで演奏されることが多いそうだ。確かにのちのミュージシャンの手本となるルースト盤のバド・パウエルは息も付かぬ超高速演奏で、バラードソロで演奏したソニー・クラーク以外はほとんどアップテンポである。エロール・ガーナー、アンドレ・プレビン、デューク・ジョーダン等々、名ピアニストの指は目で追えぬ速さだ。
なかでもラテン調の早いテンポで弾いているのがジューン・クリスティの歌伴を努めたこともあるクロード・ウィリアムソンで、スピードではパウエルには負けない。かつて白人ながらパウエル直系だったため、「白いバド・パウエル」とか「漂白されたバップピアニスト」と呼ばれたこともある人だ。両者を聴き比べるとテクニックにしても歌心にして決してウィリアムソンが劣っているわけではなく、直向にバップに取り組んでいる姿は両者とも同じである。黒人の大統領が誕生した今、このような侮蔑的な形容をする人はいないと思われるが、当時は日本でもバップは黒人のジャズという根強い意識があったのかもしれない。
颯爽と社会に巣立つ若者がいる一方、今春卒業した学生のうち採用内定を取り消された人は2000人近くにのぼるという。今年の苦い四月の思い出も、何年か先の四月はきっと楽しい思い出に変り、それが数十年先懐かしく思い出せる四月になることを祈るばかりである。
「パリの四月」と並ぶ四月の定番、「四月の思い出」は数え切れないほど多くの名唱名演があります。今週はピアノでお好みをお寄せください。クロード・ウィリアムソンのベストは機を改めて、またホーンとヴォーカルは来年以降と思っております。春と四月だけはネタがきれません。(笑)
管理人 I'll remember April Best 3
The Bud Powell Trio (Roost)
Claude Williamson Trio (Bethlehem)
Erroll Garner / Concert by the Sea (Columbia)
ほとんどのピアニストがレパートリーにしておりますので、誰が挙げられるのか楽しみです。
今週もたくさんのコメントをお待ちしております。
Erroll Garner / Concert by the Seaは、特に好きで良く聴きます。
バドもいいのですが、只今のお気に入りはエロール・ガーナーです。
ピアノでは、ユタ・ヒップも良かったような気がしますが・・・。
管楽器ではクリフォード・ブラウンの溌剌とした明るい音での演奏が好きです。
パーカーもウイズ・ストリングスも良いし、たくさんありますね。
Erroll Garner / Concert by the Sea
The Bud Powell Trio
More Study In Brown
4月と言えば4月の思い出・・・好きな曲です。
この曲については、30年以上前に、耳にタコができるくらい聴いた3枚のアルバムがあります。
そして今も気に入っているのです。
ルーストの「ザ・バド・パウエル・トリオ」
ブルーノートの「ソニー・クラーク・トリオ」
「オール・ナイト・セッション」ハンプトン・ホーズ
ずっと好みが変わらないと言う事は、頭が膠着しているようですね。(笑)
ガーナーがお気に入りでしたか。このアルバム自体ピアノトリオ屈指の名盤ですので欠かせませんね。ガーナーは生で聴きましたが、指の動き以上に音が出る感じでした。
ユタ・ヒップもありましたね。ヒッコリー・ハウスはかつて話題にしましたが、やはりこのナンバーは高速です。これだけ速いとさすがの美女も笑顔はないと思われますが、真剣に鍵盤を見つめる横顔も魅力的なのでしょう。エド・シグペンのパシャパシャと聴こえるドラムからもその速さがわかります。
管楽器はまたの機会に話題にしようと思っておりますが、名演がたくさんあり管々諤々でしょうね。(笑)
耳タコの3枚が挙がりましたね。速いパウエルにバラードのクラーク、どのテンポでも曲の美しさは変りませんが、この曲はやはり速いほうが面白いですね。
ハンプトン・ホーズも好きな1枚です。夜が更けるほど、飲めば飲むほど盛り上がる気の合う仲間との宴会のようです。
30年も好みが変らなくても、頭髪は確実に膠着ではなく剥離しております。(笑)失礼しました。
1)「King Size/ Andre Previn」
ぶっ飛びのエイプリル、初めて聴いた時は、
本当に驚嘆しました。
2)「Standard Eyes/ Ahmad Jamal」
テーマの後半部分だけが、後ノリの変拍子。
いつものことながら、インパクトの与え方が
心憎い!!
3)「Concert By The Sea/ Erroll Garner」
今、久しぶりに聴いていますが、後半に進むにつれて
Behind The Beat を強調していく盛り上げ方、何度聴いても
唸らされますね!
次点に、
「Jazz For Relaxation/ Marty Paich」
「Edgewise/ Bob Scheiderman」あたりを。
Bob → Rob でした。
面目ない・・・・。
キングサイズは私も好きでして一度話題にしましたが、バップピアニストとしても逸材だったことが分かります。プレヴィンのスピードも凄いですし、指使いも見事なものです。ミア・ファローやベティ・ベネットもこの指に・・・以下想像におまかせします。(笑)
ジャマールがきましたね。Angel Eyes と並びこのアルバムのベストトラックです。各ライブからの寄せ集めとはいえホリディの名唱 For All We Know 等、趣味のいい選曲です。
ガーナーはコンサートで盛り上げ方がうまい人ですが、それも聴衆の反応があってこそです。来日公演は聴衆のせいもあり少し寂しげでした。
「Jazz For Relaxation/ Marty Paich」はジャケ買いですか。(笑)タンパ・オリジナル「Hot Piano」を探して数十年、あきらめてCDにしました。ハワード・ロバーツのギターが凄いですね。
Rob Schneiderman → ロブ・シュナイダーマン、スペルが咄嗟に綴れませんのでカタカナにかぎります。(笑)このアルバムで久しぶりにクレオパトラを聴いたような気がします。