キャノンボールがカフェボヘミアで飛び入りした話はジャズ伝説として語られている。当時そのクラブの音楽監督だったオスカー・ぺティフォードが、素人を相手に意地悪とも思えるほどの超スピードで「アイル・リメンバー・エイプリル」を弾いたからだ。初めて上がった名門ジャズクラブのステージでそのスピードに負けなかったキャノンボールも見上げたものだが、この話から察するとぺティフォードは意地悪おじさんに見えるが、さて。
この名手、なかなかの曲者で、「ブリリアント・コーナーズ」のレコーディングでは親分のモンクと口論になり、途中でクビになっている。タイトル曲は不協和音を多用したイントロで有名だが、まだ不協和音があり、「ミュージング・オブ・マイルス」ではリズムをずらしたり音をはずしているのだ。これはこれで緊張感があるのだが、この不協和音もメンバーとの確執によるものといわれている。武勇伝に事欠かないが、43年のコールマン・ホーキンスとの「ザ・マン・アイ・ラヴ」からモダン期に至るまで常に斬新なアイデアとスタイルでモダン・ベース奏法を確立した人で、以降のベーシストは皆手本にしたほどだ。
写真は代表作のイン・ハイファイで、豪華メンバーによるオーケストラを鼓舞するバッキングと、歌心あふれるアドリブを満喫できるし、ジミー・ブラントン以来の天才と呼ばれた縦横無尽のテクニックを楽しめる。一瞬ホーンと間違うほど豊かな音色は、ベースが持つリズム楽器以上の特性を引き出したといえよう。このアルバムは2枚に分かれているが、おどけたジャケットのVol.1よりこちらのVol.2のほうがセッションの豪華さが一目でわかるし、正面にいるぺティフォードの性格が見えるような気がする。何かを企んでいる策士のようにも映れば、人の良い優しいおじさんにも見えるが、いかがだろう。
ペティフォードは後に、「私が彼を怖がらせるようなことをして試したとされる、広く流布している逸話を断固として否定する」と言っている。そしてキャノンボールは、リーダーとして、飛び入りした若者がどのような腕前かを知るのは当然だ、と謙虚に振り返っていた。ペティフォードの弁は本当だろう。通常よりも少しテンポが速いだけでも噂はいつの間にか超高速テンポなるものだ。真相はどうであれ二人の出会いは永久にジャズ史に刻まれる。
この名手、なかなかの曲者で、「ブリリアント・コーナーズ」のレコーディングでは親分のモンクと口論になり、途中でクビになっている。タイトル曲は不協和音を多用したイントロで有名だが、まだ不協和音があり、「ミュージング・オブ・マイルス」ではリズムをずらしたり音をはずしているのだ。これはこれで緊張感があるのだが、この不協和音もメンバーとの確執によるものといわれている。武勇伝に事欠かないが、43年のコールマン・ホーキンスとの「ザ・マン・アイ・ラヴ」からモダン期に至るまで常に斬新なアイデアとスタイルでモダン・ベース奏法を確立した人で、以降のベーシストは皆手本にしたほどだ。
写真は代表作のイン・ハイファイで、豪華メンバーによるオーケストラを鼓舞するバッキングと、歌心あふれるアドリブを満喫できるし、ジミー・ブラントン以来の天才と呼ばれた縦横無尽のテクニックを楽しめる。一瞬ホーンと間違うほど豊かな音色は、ベースが持つリズム楽器以上の特性を引き出したといえよう。このアルバムは2枚に分かれているが、おどけたジャケットのVol.1よりこちらのVol.2のほうがセッションの豪華さが一目でわかるし、正面にいるぺティフォードの性格が見えるような気がする。何かを企んでいる策士のようにも映れば、人の良い優しいおじさんにも見えるが、いかがだろう。
ペティフォードは後に、「私が彼を怖がらせるようなことをして試したとされる、広く流布している逸話を断固として否定する」と言っている。そしてキャノンボールは、リーダーとして、飛び入りした若者がどのような腕前かを知るのは当然だ、と謙虚に振り返っていた。ペティフォードの弁は本当だろう。通常よりも少しテンポが速いだけでも噂はいつの間にか超高速テンポなるものだ。真相はどうであれ二人の出会いは永久にジャズ史に刻まれる。
都市伝説ともいえるキャノンボールのデビューですが、その夜の真相は当事者にしかわかりませんね。キャノンボールはペティフォードが作った「ボヘミア・アフター・ダーク」をレパートリーにしていましたが、ペティフォードがキャノンボールのレコーディングに参加したことは一度もありません。いらぬ詮索はやめてペティフォードの心地良いベースに浸ってみましょう。今週は
オスカー・ペティフォードのお気に入りをお寄せください。リーダー作、サイド作問いません。
管理人 Oscar Pettiford Best 3
Orchestra in Hi-Fi (ABC Paramount)
Another One (Bethlehem)
The New Oscar Pettiford Sextet (Debut)
他にも多くのリーダー作とサイド参加作があります。今週も皆様のコメントをお待ちしております。
Oscar Pettiford Jazz Band 1953 ~ Blues In The Closet
http://www.youtube.com/watch?v=UWLo8xkOxDc
エリントンも惚れたベースです
ペティフォードと言うとモンクとの競演が何枚か浮かんできますし、相性はいいのかと・・・モンク言ったの?
リーダー盤はこれしか持ってないので
1. Oscar・Pettiford Orchestra in HI-FI
モンクは何枚かありますが、これが一番いいかなと
2.The Unique/Monk(RLP 12-209)
もう一枚はロリンズです。
3.Freedom Suite/Rollins(RLP 12-258)
ペティフォードとモンクは、挙げられたユニークの前のプレイズ・エリントンでも共演しておりますが、内容的には申し分ありませんので相性も良かったのでしょう。ユニークの次のブリリアント・コーナーズではペティフォードのミスから口論になったようです。モンクを言われて怒ったペティフォードは、ペッと唾を吐いて愛車のフォードで帰ったとか。(笑)
当然、これを最後に共演はしておりません。キャノンボールとはレコーディングしておりませんし、「ミュージング・オブ・マイルス」以降、マイルスとも共演はありません。どうやら一度トラブルを起こした相手とは二度と共演しないようです。
ロリンズの自由組曲がありましたね。ピアノレスですのでベースがより鮮やかです。
ぺティフォードのお題は、なかなか手ごわいです。所持している中には30数枚の参加アルバムがあったのですが、ほとんど覚えていません。ことに、サイドメンとしてのプレイは判り兼ねるのものが多いのですが、印象に残っているアルバムを挙げてみます。
①Orchestra in Hi-Fi (ABC Paramount)
②Another One (Bethlehem)
③The Essen Jazz Festival All Stars (Black Lion)
①のオーケストラ作品が、一番しっくりときます。他にリーダーでは②、モンクとの共演も残っていますが、パウエル、ホーキンスと共演した③を挙げます。この③はパウエルが入っているので、買ったアルバムですが、「Blues in The Closet」や「Willow Weep For Me」などにおけるぺティフォードも見事でした。
キャノンボールの飛び入りデビューのエピソードは有名ですが、超アップテンポくらいで驚いていては注目されません!アルトの若造が登場したら、テンポより転調で、途中からCシャープか何かにしたらシドロモドロになること請け合い。(笑)
実はこれソニー・スティットが良くやること、NYの深夜のワークショップで観ていた、観客は私を含めて3人、演奏したて楽器持ってステージ脇で待っているヤツが5,6人。スティットが「次、お前!」とか言うわけ。
皆、オドオドと登壇、スティットがやおらイントロを吹くわけ、そこで何の曲か分からないヤツはそこで終わり、分かっても皆なエーッという顔をする、サックスにとってとてもやりにくいキーで吹いている訳。
こんな意地悪を平気のヘイザでやりこなさないと認めてはくれない。
と言うわけで・・・
Orchestra in Hi-Fi (ABC Paramount)
Another One (Bethlehem)
The Unique/Monk(RLP 12-209)
次点.Freedom Suite/Rollins(RLP 12-258)
しかし、Blues In The Closetはジャムセッションにはうってつけの曲だな・・・JJとゲッツなどは最高であるな。
ぺティフォードはサイドメンとして多くの録音に参加しておりますが、リーダーが大物ばかりですので、よほどベースに注目して聴かない限り印象に残らないのかもしれません。
トップは決まりですね。メンバーも豪華ですし、ベースも良く鳴っております。
エッセン・ジャズ・フェスティバルとは渋いところが挙がりましたね。60年の作品ですが、パウエルも好調のようでして、「Blues in The Closet」のテーマでのぺティフォードとの絡みは見事なものです。「Willow Weep For Me」はテーマの太いベース音が印象的ですね。
長い名前は略して呼びますが、オスペは言い辛いですね。使う場所によっては通じるのでしょうが。(笑)
ソニー・スティットも相当意地悪のようですね。尤も、やりにくいキーでも吹けなければプロになれないわけですから当然かもしれません。問題はその意地悪が悪意か善意かです。意地悪は悪意ばかりでなく、見込みのある若者に対しては同じ意地悪でも善意なのかもしれません。ペティフォードのキャノンボールに対する意地悪もこちらでしょう。
ワンツーはこれで決まりですね。モンクとの共演作ではやはり「ユニーク」がベストです。
「Blues in The Closet」は、ジャムセッション用に書いた曲ですが、ペティフォードの思惑通り定番になりました。そういえばこの曲もまだ取り上げておりませんでした。またネタをふられましたね。(笑)
ときたので、思わずサンデル教授の登場かと勘違いしてしまいました。
「デューク・サンデルの熱血ジャズ教室」とか言っちゃって・・・。
次ネタ予測ごっこで「Blues In The Closet」ですか・・・も一番はゲッツ・JJって回答まで書いてしまいました。
しかし、最近はこいうベースらしいベースが居なくなりましたねぇ・・寂しいです。
最近の方は皆さん、腕っ節も指ぷっしも強くなって、ギターの様にベースを弾いてしまいますが、風情が無いですねぇ。
高山さんの「サンデルよ「正義」を教えよう」というコラムによりますと、自分に都合が良いことが「正義」だそうです。
「Blues in The Closet」は近々話題にしましょう。ゲッツ・JJ以外の名演を必死で探しております。(笑)
昔は特に日本人は体格があまり良くありませんでしたので、ベースに弾かれているって感じでしたが、今は変わりました。昔はベースを弾きこなしてやるぞぉ、という必死さがありましたね。
Oscar Pettiford Best 3
Orchestra in Hi-Fi (ABC Paramount)
Another One (Bethlehem)
The Unique / Thelonious Monk (Riverside)
午後から留守のため早い〆になりましたが、イン・ハイファイが人気でした。サイド作ではモンクのユニークが光ります。ペティフォードの歌うベースを存分にお愉しみください。