クインシー・ジョーンズの自叙伝にジェローム・リチャードソンの回想が綴られている。「ジミー・スコットは体重がせいぜい100ポンドの小男だったが・・・彼は身長が6フィートもあるメンバーと喧嘩をし、勇敢にも立ち向かっていこうとした。みかねた女性シンガーのアーネスティン・アンダーソンが相手の男を説得し、一歩手前で事なきを得たこともある」と。ライオネル・ハンプトン楽団にいたころの話だ。
この3人が参加していたのは1952年前後で、クインシーのほかにもアル・グレイ、ジミー・クリーヴランド、クリフォード・ブラウン、ウエス・モンゴメリー、ファッツ・ナヴァロ、ジジ・グライス、アート・ファーマー、チャールズ・ミンガス、フィニアス・ニューボーンJr.といった将来ジャズシーンを牽引していくジャズ・ジャイアンツが一時的に在籍している。何とも豪華だ。皆中退だがジャズの東大といったところか。喧嘩を仲裁したアンダーソンはツアーやギャラの問題でメンバーの出入りが激しいバンドをまとめる姉御肌だったのだろう。今年3月10日に87歳で亡くなっているので、当時まだ20代前半だ。
1956年にスウェーデンのメトロノームに吹き込んだ「It's Time For Ernestine」で脚光を浴び、マーキュリーから数枚リリースしたあとイギリスに渡っている。名前も忘れかけていた1976年に、コンコード・ジャズ・フェスティバルに出演して健在ぶりを示した。この後空白を埋めるようにコンコードから続々とリリースする。勿論、スウィンギーでブルージーな歌声は昔のままだ。「Live From Concord To London」は、先に挙げたジャズフェスとロンドンのロニー・スコッツ・クラブのライブを収録したもので完全復帰を決定付けたアルバムである。何度も歌ってきたであろう「Love For Sale」が収めれているが、これが酸いも甘いも噛み分けた熟女の解釈だ。素晴らしい。
アンダーソンは世代的にはエラ、サラ、カーメンの次世代として将来を嘱望されていたが、当時の多くのジャズシンガーがそうであったようにロックの隆盛で仕事がなくなっていく。また、スコットはレコード会社との契約のもつれから音楽活動ができなくなった。ともにブランクを乗り越えてシーンにカムバックしている。復帰後の活躍はご存知の通りだ。本物とはブランクの間も練習を怠らない人を言う。
この3人が参加していたのは1952年前後で、クインシーのほかにもアル・グレイ、ジミー・クリーヴランド、クリフォード・ブラウン、ウエス・モンゴメリー、ファッツ・ナヴァロ、ジジ・グライス、アート・ファーマー、チャールズ・ミンガス、フィニアス・ニューボーンJr.といった将来ジャズシーンを牽引していくジャズ・ジャイアンツが一時的に在籍している。何とも豪華だ。皆中退だがジャズの東大といったところか。喧嘩を仲裁したアンダーソンはツアーやギャラの問題でメンバーの出入りが激しいバンドをまとめる姉御肌だったのだろう。今年3月10日に87歳で亡くなっているので、当時まだ20代前半だ。
1956年にスウェーデンのメトロノームに吹き込んだ「It's Time For Ernestine」で脚光を浴び、マーキュリーから数枚リリースしたあとイギリスに渡っている。名前も忘れかけていた1976年に、コンコード・ジャズ・フェスティバルに出演して健在ぶりを示した。この後空白を埋めるようにコンコードから続々とリリースする。勿論、スウィンギーでブルージーな歌声は昔のままだ。「Live From Concord To London」は、先に挙げたジャズフェスとロンドンのロニー・スコッツ・クラブのライブを収録したもので完全復帰を決定付けたアルバムである。何度も歌ってきたであろう「Love For Sale」が収めれているが、これが酸いも甘いも噛み分けた熟女の解釈だ。素晴らしい。
アンダーソンは世代的にはエラ、サラ、カーメンの次世代として将来を嘱望されていたが、当時の多くのジャズシンガーがそうであったようにロックの隆盛で仕事がなくなっていく。また、スコットはレコード会社との契約のもつれから音楽活動ができなくなった。ともにブランクを乗り越えてシーンにカムバックしている。復帰後の活躍はご存知の通りだ。本物とはブランクの間も練習を怠らない人を言う。
「Love For Sale」は、1930年のミュージカル「The New Yorkers」にコール・ポーターが書いた曲です。詞もポーターです。発表当初放送禁止の憂き目にあった曲ですが、今は大スタンダードです。今週はヴォーカルでお気に入りをお寄せください。ホーンは機を改めて話題にします。尚、ピアノ・ベストは、2015年3月22日の拙稿「撫でるようにキーを押さえていたレッド・ガーランド」をご覧ください。
管理人 Love For Sale Vocal Best 3
Toni Harper / Toni (Verve) w. Oscar Peterson
Ernestine Anderson / Live From Concord To London (Concord)
Sophie Milman/ Take Love Easy (Koch Records)
敢えてビリーをはじめ大御所は外しました。ほとんどのシンガーが歌っております。
今週も皆様のコメントをお待ちしております。
Anita O'Day. Love For Sale
https://www.youtube.com/watch?v=ZaL7MhpArgI
手の動きだけで如何にアニタが凄いのかわかります
コール・ポーターの有名曲で、歌っている人が多いです.
アニタ・オデイが本命ですが、大御所をのぞくということで外しました。
Ernestine Anderson / Live From Concord To London (Concord)
Ehel Ennis / Sings for Lullabys for Losers (Jubilee)
Cyrille Aimee Live at Samlls (Smalls Live)
アンダーソンは、ホット・カーゴでも歌っていますが、こちらかな。エセル・エニスは、バラードで淡々と。若いころからよいです。シリル・エイミーは、器楽的扱いで、インストのソロも入りますが、面白いので挙げてみました。
今週は、飲み会とコンサート通いで、ようやく自宅で音楽を聴いています。チック・コリアも聴いてきました。感想は後日、ブログに書きたいと思います。
古今東西、多くのシンガーがレパートリーにしておりますので選出は難しいかもしれませんね。
トップはアンダーソンできましたか。ビッグバンドをバックにしたホット・カーゴも良い内容ですが、ビートの利いたアレンジのこちらのほうがよりモダンですし、アンダーソンの持ち味がよく出ております。それにジョン・ホーラーのピアノがご機嫌です。
そしてエセル、エディ・ビッグスのベースがいい感じでラインを刻んでおります。よく話題になるジャケットですが、私は断然横顔のオリジナルですね。某ジャズ喫茶店主お気に入りのセカンドはジャズの匂いがしません。
シリル・エイミーは残念ながら持っておりませんが、メンツも選曲もいいですね。探してみましょう。
チック・コリアを聴かれましたか。リポート楽しみにしております。
先週はリングにも上がれず! 今週はリングには立ちますが~参加することに意義有り。クーベルタン男爵オリンピック精神?
この2枚が何となく好さげ盤。
・Rita Reys /Two "Jazzy" People (Philips)
*後ろのpf トリオが好いのですが・・・
・Julie London/Sings The Cole Portor (Liberty)
*好きなアルバムです!
他に大御所が唄っておりますが・・・Billie Holiday・Ella Fitzgerald ・Patti Page。
ところで「美の壺」と云うBSの番組がありますがご覧でしょうか?
TV番組の後ろにジャズが流れる事は結構有りますが、この番組の映像バックの音楽はほぼジャス!そしてアルバム選曲のセンスが素晴らしくオヤジのお気に入り番組。 諸先輩はご存知かもですが!
リタ・ライスが挙がりましたね。今年の正月にリタをネタにしましたが素敵なシンガーです。ベント・ハルベルクのメリハリあるイントロはさすがです。シンガーを乗せる歌伴は阿吽の呼吸からくるものでしょう。
そしてジュリー・ロンドン、即買いたくなりますね(笑)ススキノのジュリー・ロンドンことナオミさんも元気になりましたので、来札の折はお聴きください。
「美の壺」は滅多に見ませんが知っておりますよ。この番組を見た普段ジャズを聴かない方からモーニンのCDを頼まれました。
アーネスティンは好きなのですが、私が持っているアルバムに今回の曲は収録されていませんでした。
という訳でアーネスティン以外からの選出です。
Mel Torme / At The Red Hill (Atlantic)
Sophie Milman / Take Love Easy (Koch Records)
メル・トーメは得意のスキャットを交え、ミュージシャン達とスリリングな展開を繰り広げていると思います。
ジミー・スコットは昔、生で聴いた時に「All The Way」が印象的でした。
トップにメル・トーメがきましたか。トーメがピアノを弾いているトラックだったかな?アップテンポでスカッとする歌唱です。
そして、ソフィー・ミルマンは私も挙げましたが最近の録音ではベストです。6年前にサッポロ・シティ・ジャズの芸術の森ステージで聴きましたが、素晴らしかった。小柄ですがパンチがありました。サッポロ・シティ・ジャズはこれで終わったような気がします。このあとはサッポロ・シティ・ミュージックでしょう。フォークやらニューミュージックやら、札幌ではこれをジャズというのかと笑われます。
ジミー・スコットをご覧になられたようですね。私は残念ながら聴いておりませんが、素晴らしいステージでしたでしょう。
今日はこれからドームです。暑くなりますので試合のほうも熱くしてほしいですね。
Love For Sale Vocal Best 3
Ernestine Anderson / Live From Concord To London (Concord)
Sophie Milman/ Take Love Easy (Koch Records)
Rita Reys / Two Jazzy People (Philips)
アーネスティン・アンダーソンとソフィー・ミルマンが広く聴かれているようです。他にもトニ・ハーパー、エセル・エニス、シリル・エイミー、ジュリー・ロンドン、メル・トーメ等が挙がりました。それぞれ個性を生かした名唱ばかりです。今宵は愛、花、マッチ・・・売るものの違いをお楽しみください。