
ソウルフルでファンキー、この形容詞だけで出てくる名前が何人かいる。ボビー・ティモンズもその一人で、一音でそれとわかるあくの強いピアノだ。ゴスペルを基調とした「におい」を、「匂う」と感じるか、或いは「臭う」と鼻に付くかで大きく好みが分かれる。同時代のウィントン・ケリーやレッド・ガーランドに較べると人気が今一なのはソウル色漂う強烈な個性によるものだろう。
ジャケット両サイドの文字とシャイなティモンズが妙にバランスを取っているのは「ソウル・タイム」で、リバーサイドに於ける2枚目のリーダー作だ。タイトルからしてアーシーで、ブルー・ミッチェルにサム・ジョーンズ、そして1960年当時の親分アート・ブレイキーという面子、そして選曲はアルバムタイトル曲をトップにメッセンジャーズのブルーノート盤「チュニジアの夜」で初演されたティモンズのオリジナル「So Tired」と続く。これだけでレコードに針を落とす前から音も聴こえてくる。レコードをかけるとここまでは予想通りの展開だが・・・
次の曲名を見て驚いた。「The Touch Of Your Lips」とある。同名異曲も珍しくないので、これもティモンズの曲かと思ったが、聴いてみるとレイ・ノーブルの曲だった。イギリス出身のバンドリーダーで、代表作の「Goodnight Sweetheart」や「The Very Thought of You」と同じくメロディの美しさは類を見ない。レパートリーにしているチェット・ベイカーやビル・エヴァンスの例を挙げるまでもなく、繊細であることがこの曲を歌ったり演奏する条件になっている。ミッチェルがじっくりとテーマを歌い上げ、ティモンズのソロに引き継がれるのだが、玉を転がすようなシングルトーンで美を構築していく。まるで別人だ。
ティモンズは参加したメッセンジャーズやキャノンボールのコンボでそのファンキーな才能を開花させたのは疑いないし、リフを重ねて次第に盛り上がっていきクライマックスに達するソロは「俗っぽい」という批判もあるが、同時にそれはジャズの醍醐味ともいえる。繊細なピアノを下敷きにこのスタイルが成り立っているのを聴き取れるなら、そのファンキーは良い「匂い」かもしれない。
ジャケット両サイドの文字とシャイなティモンズが妙にバランスを取っているのは「ソウル・タイム」で、リバーサイドに於ける2枚目のリーダー作だ。タイトルからしてアーシーで、ブルー・ミッチェルにサム・ジョーンズ、そして1960年当時の親分アート・ブレイキーという面子、そして選曲はアルバムタイトル曲をトップにメッセンジャーズのブルーノート盤「チュニジアの夜」で初演されたティモンズのオリジナル「So Tired」と続く。これだけでレコードに針を落とす前から音も聴こえてくる。レコードをかけるとここまでは予想通りの展開だが・・・
次の曲名を見て驚いた。「The Touch Of Your Lips」とある。同名異曲も珍しくないので、これもティモンズの曲かと思ったが、聴いてみるとレイ・ノーブルの曲だった。イギリス出身のバンドリーダーで、代表作の「Goodnight Sweetheart」や「The Very Thought of You」と同じくメロディの美しさは類を見ない。レパートリーにしているチェット・ベイカーやビル・エヴァンスの例を挙げるまでもなく、繊細であることがこの曲を歌ったり演奏する条件になっている。ミッチェルがじっくりとテーマを歌い上げ、ティモンズのソロに引き継がれるのだが、玉を転がすようなシングルトーンで美を構築していく。まるで別人だ。
ティモンズは参加したメッセンジャーズやキャノンボールのコンボでそのファンキーな才能を開花させたのは疑いないし、リフを重ねて次第に盛り上がっていきクライマックスに達するソロは「俗っぽい」という批判もあるが、同時にそれはジャズの醍醐味ともいえる。繊細なピアノを下敷きにこのスタイルが成り立っているのを聴き取れるなら、そのファンキーは良い「匂い」かもしれない。
「ザ・ タッチ・オブ・ユア・リップス」は、「チェロキー」や「ザ・ベリー・ソート・オブ・ユー」の作曲者として知られるレイ・ノーブルの手による作品です。先に挙げた曲ほど有名ではありませんが、美しいメロディはノーブルならではです。今週はインストでお気に入りをお寄せください。ヴォーカルは機を改めて話題にします。
管理人 The Touch Of Your Lips Best 3
Bill Evans / At The Montreux Jazz Festival (Verve)
Art Farmer / Modern Art (UA)
Bobby Timmons / Soul Time (Riverside)
他にもドナルド・バード、ウディ・ショウ、ベン・ウェブスター、バド・シャンク、チャーリー・マリアーノ、ロイ・ヘインズ、スウィート・ジャズ・トリオ等々、多くの名演があります。
今週も皆様のコメントをお待ちしております。
Phillip Strange x 時安吉宏 ♪ The Touch of Your Lips ♪
http://www.youtube.com/watch?v=ovaX7b9mA0o
最近は朝からサッカーを見るのが、日課となっています。
日本は負けましたが・・ 日本人はサッカーよりも野球に向いてるのでは・・などと、思ったりしています。
技術では及ばないものがあるような・・
アーシー、ファンキー、ソウルフル、なんてモノも、これは技術ではないですよね。
「ザ・ タッチ・オブ・ユア・リップス」はモダン・アートが一番かと思っていましたが、今回、聞き比べてみて、ブルー・ミッチェルのワンホーンのこのティモンズ盤もなかなか良いぞ! と思いました。
ゴルソンハーモニー、しかもエヴァンスのリリカルなピアノにたいして、荒削りで自然体なティモンズ、ゴッツイ、サム・ジョーンズのベースとブレイキーのドラムも魅力ですね。
dukeさんが仰るとおり、ソウルフルなティモンズの2曲の後ですから、尚更、素朴で愛らしく感じるのでしょうか? これを一番で・・
ホークスは惜しいところで、ジャイアンツに・・
まー後半に弾みはついたようですがネ!
サッカーは残念でしたね。技術も世界レベルに近づいているとは思いますが、まだまだです。練習が全てではありませんが、練習量が足りないのかもしれません。昨夜はデイ・バイ・デイのオープン・マイク(レッスン生の発表会)でしたが、練習を重ねている生徒さんは確実に上手くなっております。
ブルー・ミッチェルのワンホーンもなかなかのもです。シルバーのコンボでファンキー路線まっしぐらの印象が強いミッチェルですが、歌心も持っておりますね。エヴァンスとは対照的なティモンズですが、こちらもミッチェル同様歌心に富んでいるのでしょう。
交流戦は残念でしたね。せめて日ハムがジャイアンツに1勝でもしていれば違う結果になったかもしれません。明日からレギュラーシーズンに戻ります。早速観戦に行きます。明日の一番の楽しみはビール半額デーです。(笑)
ヴォーカルはたくさんありました。インストのお題ですが、この曲は、ロマンティックなバラードだけに、そんな気分でインストも挙げてみますが、dukeさんと同じになります。
①Bill Evans / At The Montreux Jazz Festival (Verve)
②Art Farmer / Modern Art (UA)
③Bobby Timmons / Soul Time (Riverside)
この3枚は、この曲ばかりでなくて、アルバムとしても、後世に残るものだと思います。あと、挙がってないもので、僕の手元に、ダスコ・ゴイコヴィチの「Celebration」(DIW)収録のものがありました。
久しぶりに私と一致しましたね。おっしゃるように全てアルバムとして完成された名盤ですので、素晴らしいの一言に尽きます。特にエヴァンスの演奏は見事なものでして、ピアノトリオの録音が少ないのは超えられない名演があるからかもしれません。
azumino さんがお気に入りのダスコ・ゴイコヴィチもありましたね。一度話題にしたいトランぺッターです。
今回聴き返したなかでは、ロイ・ヘインズが意外に良い演奏でした。フロントに若手3人のホーンを配したバンドですが、引き締まった良い演奏です。明日はこのアルバムを話題にします。ネタがないので単純なリレーになりました。(笑)
The Touch Of Your Lips Best 3
Bill Evans / At The Montreux Jazz Festival (Verve)
Art Farmer / Modern Art (UA)
Bobby Timmons / Soul Time (Riverside)
多くのヴァージョンがありますが、アルバムとして人気のある3枚に決定しました。
今宵はお気に入りのザ・ タッチ・オブ・ユア・リップスをお楽しみください。