
1939年当時、ギターというとコードを弾く伴奏楽器だった。今のようにメロディを弾き、ホーン奏者と対等のソロを取った最初のギタリストはチャーリー・クリスチャンで、偶然オクラホマで演奏を聴いたプロデューサーのジョン・ハモンドが、金の卵とばかりにベニー・グッドマンのオーディションを受けさせる。勿論スイング王も納得する演奏で、即日メンバー入りだ。
その後のギタリストは当然ながら、クリスチャンの影響を受け、ジャズギターの概念までもが大きく変わった。クリスチャンがジャズ・ギターの開祖と呼ばれる所以である。ケニー・バレルの「A Generation Ago Today」というアルバムはクリスチャンに捧げたもので、クリスチャンが在籍したグッドマンのコンボがレパートリーにしていた楽曲で構成されている。「Stompin' At The Savoy」をはじめ、「Wholly Cats」、「A Smooth One」、「Rose Room」といったギタリストなら世代を超えて一度は演奏する曲で、テクニックは勿論のこと表現力、歌心、さらに遊び心まで問われる曲と言っていい。
なかでも素晴らしいのは、「Poor Butterfly」だ。プッチーニのオペラ「蝶々夫人」に触発されて生まれた曲で、優雅な舞を見せる蝶々のような美しいメロディを持っている。バレルの洗練された絃の輝きは勿論のこと、フィル・ウッズのバラード表現は絶品だ。ウッズというとジーン・クイルと組んだバンドや渡仏後に結成したヨーロピアン・リズム・マシーンでハードなアルトというイメージが強いが、叙情性あふれるバラード奏者としての一面を見逃してはならない。後半、倍テンポになるのだが、これが実にスムーズでグイグイ引きこまれる。
通常バンドマンは他所での演奏を禁じられていたが、グッドマンは連日ミントン・ハウスに出かける才能あるギタリストを黙認していたのだろう。グッドマンの温情がなかったらバップの夜明けともういうべき貴重な演奏も記録されなかった。音楽的には素晴らしいグッドマンも人間性に問題があると言われているが、案外良い奴だったかもしれない。名前のように。
その後のギタリストは当然ながら、クリスチャンの影響を受け、ジャズギターの概念までもが大きく変わった。クリスチャンがジャズ・ギターの開祖と呼ばれる所以である。ケニー・バレルの「A Generation Ago Today」というアルバムはクリスチャンに捧げたもので、クリスチャンが在籍したグッドマンのコンボがレパートリーにしていた楽曲で構成されている。「Stompin' At The Savoy」をはじめ、「Wholly Cats」、「A Smooth One」、「Rose Room」といったギタリストなら世代を超えて一度は演奏する曲で、テクニックは勿論のこと表現力、歌心、さらに遊び心まで問われる曲と言っていい。
なかでも素晴らしいのは、「Poor Butterfly」だ。プッチーニのオペラ「蝶々夫人」に触発されて生まれた曲で、優雅な舞を見せる蝶々のような美しいメロディを持っている。バレルの洗練された絃の輝きは勿論のこと、フィル・ウッズのバラード表現は絶品だ。ウッズというとジーン・クイルと組んだバンドや渡仏後に結成したヨーロピアン・リズム・マシーンでハードなアルトというイメージが強いが、叙情性あふれるバラード奏者としての一面を見逃してはならない。後半、倍テンポになるのだが、これが実にスムーズでグイグイ引きこまれる。
通常バンドマンは他所での演奏を禁じられていたが、グッドマンは連日ミントン・ハウスに出かける才能あるギタリストを黙認していたのだろう。グッドマンの温情がなかったらバップの夜明けともういうべき貴重な演奏も記録されなかった。音楽的には素晴らしいグッドマンも人間性に問題があると言われているが、案外良い奴だったかもしれない。名前のように。
「プア・バタフライ」は、1916年にショウ「The Big Show」のために書かれた古い曲ですが、1世紀近く経った今でも演奏される美しい曲です。今週はインストでお気に入りをお寄せください。ヴォーカルは機を改めて話題にします。
管理人 Poor Butterfly Best 3
Sonny Rollins / Vol.2 (Blue Note)
Kenny Burrell / A Generation Ago Today (Verve)
Cannonball Adderley / Cannonball Takes Charge (Riverside)
他にもポール・デスモンド、ブッカー・アーヴィン等、ホーン奏者が好んで取り上げているようです。
今週も皆様のコメントをお待ちしております。
Benny Goodman And His Quartet 1958 Poor Butterfly
http://www.youtube.com/watch?v=c0Mso6s7YXs
紅井良人さん、気持ち良さそうに吹いております。
古いけど本当に美しいメロディーの曲です。ダンス曲としてもヒットしたというだけあって、インストもよいです。僕は、歌詞からいっても、静か目なスローテンポでやってくれたものがいいと思います。といっても一番はこれです。
①Sonny Rollins / Vol.2 (Blue Note)
②Kenny Burrell / A Generation Ago Today (Verve)
③Kenny Clarke-Francy Boland / The Golden Eight (Blue Note)
①と②はデュークさんと同じです。③は、全体にストレートでムーディーですが、ソロも入ります。編曲は、フランシー・ボランと思われます。
挙がっていないものでは、ウディー・ハーマン楽団、バディ・デフランコ、ドン・ウィルカーソンなんてのが手元にありました。
サッカーはコートジボワールに負けましたね。暑さの中では、アフリカ勢が強いのは当然かもしれません。もう少し、涼しければよかったかも。次は頑張っていただきたいものです。一応梅雨ですが、今日の長野は暑くなりました。
メロディラインがくっきりしておりますので、スローでもミディアムでもいけますが、インストの場合、バラードのほうが表現しやすいかもしれません。
ロリンズは決定的名演といっていいでしょう。歌物は上手いですね。そして、バレルは何と言ってもウッズが光ります。この録音のあと、ヨーロッパに渡りますので、貴重な録音です。
クラークとボランのビッグ・バンドもありましたね。録音はアトランティックの切手盤の前ですので、実質的にスタートとなる作品ですが、骨子は出来上がっているようです。ボランの編曲は洗練されております。
ウディー・ハーマン楽団、バディ・デフランコ、ドン・ウィルカーソンもありましたか。この中ではデフランコが一番です。
サッカーは私も観ましたよ。残念でしたね。サッカーに負けて、札幌ドームでもヤクルトに負けて散々な日曜日でした。次は勝てるよう応援しましょう。
鹿児島は今凄い雨です。 いきなり台風だって・・
この曲は、ロリンズで最初に聴いたと思います。
破綻のないJ・Jと豪快なロリンズ、良いですね。
今回の御題は予測していました・・後だしジャンケンですが(笑)
もーウッズは最高ですね! このレコードは過小評価過ぎませんか?
しかし、僕の一押しは
Booker Ervin/The Book Cooks(bethlehem)
とにかく黒いレコードですので、ラストのこの曲が明るく聞こえてしまいますが、良いです。
ズートの胸を借りてアーヴィンが投げやりに唄います・・それが個性ですから(笑)
勿論、ジョージ・タッカーが良いのです!
ワールドカップ・・
負け試合の後のサポーターの行いが良いですね!
頑張れニッポン!
こちらは大雨こそ降りませんが、連日雨降りです。梅雨のない北海道ですが、気候が変わってきたのかもしれません。
お題を予想されていたようですね。来週は雨ネタか。(笑)
バレルのこのレコードは内容の高さの割に評価は低いようです。ジャケットで引く方もおられるようですが、ウッズのバラードプレイは落涙ものです。案外、ウッズをリーダーにしてジャケットをジャズらしくすると売れるかもしれません。
トップにアーヴィンがきましたね。ズートとの異色の顔合わせですが、どちらも遠慮のない自己流です。
ワールドカップは、負け試合の後のサポーターの行いが良いようですね。日ハムの負け試合で、金返せと喚く私も見習わなければいけませんね。(笑)
Poor Butterfly Best 3
Sonny Rollins / Vol.2 (Blue Note)
Kenny Burrell / A Generation Ago Today (Verve)
Booker Ervin / The Book Cooks (Bethlehem)
決定的名演のロリンズとフィル・ウッズが光るケニー・バレルが人気でした。
3位は割れましたが、それぞれの個性が際立つ名演ばかりです。
今宵はお気に入りの「プア・バタフライ」をお楽しみください。