コタツ評論

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わかる人だけわかる

2010-03-25 00:12:00 | ノンジャンル
内緒で録ったテープってのはな、持ってるってことすら、口が裂けてもいわないんだよ。警察から取り調べを受けようと、たとえ裁判になろうとも、けっしていわない。その前提があって、はじめて懐のスイッチを押すんだよ。周囲から、事実関係はどうなんだと責められて、「実は、テー」といいかけたとたん、居合わせた男たちが即座にさえぎって聞かなかった振りを通し、それ以降言いかけた男を避けるようになったのは、当然のことなんだよ。それくらい、卑怯な真似なんだ。テープが公共の利益に関わるとしても、その存在には私利私益が伴うのだから。それを公開するとは、さすが元読売新聞記者。



テープ」という映画は、舞台劇の焼き直しのように、モーテルの一室で3人だけの登場人物が、真実の薄皮を一枚ずつ剥いでいく、息苦しくなる密室劇でした。出演、イーサン・ホーク、ユマ・サーマン、ロバート・ショーン・レナード。