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たとえば、この2つが気になった。
http://wwws.warnerbros.co.jp/invictus/
たとえば、南アフリカ共和国の団結のために、国民へ寛容を説くマンデラ大統領は、大統領の官邸スタッフを入れ替えなかった。白人スタッフが馘首され、マンデラが引き連れてきた黒人たちが取って代わるということはなかった。ちなみにアメリカの場合、大統領が替われば、政府高官はもちろん、官邸スタッフも総入れ替えされるのが通例だ。
暗殺の危険は十分にあったのに、ボデーガードも白人と黒人が一緒のチームを組んだ。当然、当初はたがいに冷ややかな関係だ。ところが、ラグビーのW杯で弱小とされた南アフリカチームが勝ち進むに従って、両者はじょじょに打ち解けはじめる。顔を背け合ってきた黒人と白人のボデーガードがにっこりと微笑み合い、握手を交わす。
たとえば、W杯の会場周辺に、観客が捨てた物や落とし物を漁る貧しい黒人少年がうろついている。警備に動員された白人警官たちは野良犬を追い払うように、黒人少年をじゃけんに扱う。ところが、南アフリカが勝ち進み、決勝戦を闘い、優勝するや、熱狂した警官たちは、黒人少年を肩車して群衆の中を練り歩く。
あるいは、南アフリカチーム主将家族の黒人メイドに、ピナール主将が貴重な観戦チケットをプレゼントする場面。主将家族の一員のように、観客席からチームを応援する黒人メイドの喜びに溢れた顔、というエピソードをさらに加えてもよいだろう。
たとえば、これらがエピソードではなく、スナップとして扱われていればと思った。それほど、実話原作を元に脚本化しただけに、類型的なエピソードを積み重ね、盛り上げていくドラマ的な手法を排して、記録映画や再現ドラマのような、客観的な構成とストイックな演出に徹底していた。
ピナール主将役のマット・ディモンは、無骨で口下手なラグビー選手らしく、ほとんど無表情にして、アップは皆無だったはずだ。にもかかわらず、「ドライビング・ミスデイジー」のような、いかにもハリウッド的に低俗な和解と融和のエピソードを採用したのか疑問に思った。
同じ違和感を、「グラン・トリノ」や「硫黄島からの手紙」にも感じたが、もちろん、この前二作を含め、今回の「インビクタス/負けざる者たち」も、けっしてわるくはない映画だった。モーガン・フリーマンの優雅な雄弁家ぶりを見るだけでも価値があることは間違いない。
サックスを3本、フルート1本を一人が演奏するからいっても、世界びっくり人間の登場ではありません。
Roland Kirk Quintet - Three For Festival / Volunteered Slavery@ Bologna 1973 pt2
たとえば、この2つが気になった。
http://wwws.warnerbros.co.jp/invictus/
たとえば、南アフリカ共和国の団結のために、国民へ寛容を説くマンデラ大統領は、大統領の官邸スタッフを入れ替えなかった。白人スタッフが馘首され、マンデラが引き連れてきた黒人たちが取って代わるということはなかった。ちなみにアメリカの場合、大統領が替われば、政府高官はもちろん、官邸スタッフも総入れ替えされるのが通例だ。
暗殺の危険は十分にあったのに、ボデーガードも白人と黒人が一緒のチームを組んだ。当然、当初はたがいに冷ややかな関係だ。ところが、ラグビーのW杯で弱小とされた南アフリカチームが勝ち進むに従って、両者はじょじょに打ち解けはじめる。顔を背け合ってきた黒人と白人のボデーガードがにっこりと微笑み合い、握手を交わす。
たとえば、W杯の会場周辺に、観客が捨てた物や落とし物を漁る貧しい黒人少年がうろついている。警備に動員された白人警官たちは野良犬を追い払うように、黒人少年をじゃけんに扱う。ところが、南アフリカが勝ち進み、決勝戦を闘い、優勝するや、熱狂した警官たちは、黒人少年を肩車して群衆の中を練り歩く。
あるいは、南アフリカチーム主将家族の黒人メイドに、ピナール主将が貴重な観戦チケットをプレゼントする場面。主将家族の一員のように、観客席からチームを応援する黒人メイドの喜びに溢れた顔、というエピソードをさらに加えてもよいだろう。
たとえば、これらがエピソードではなく、スナップとして扱われていればと思った。それほど、実話原作を元に脚本化しただけに、類型的なエピソードを積み重ね、盛り上げていくドラマ的な手法を排して、記録映画や再現ドラマのような、客観的な構成とストイックな演出に徹底していた。
ピナール主将役のマット・ディモンは、無骨で口下手なラグビー選手らしく、ほとんど無表情にして、アップは皆無だったはずだ。にもかかわらず、「ドライビング・ミスデイジー」のような、いかにもハリウッド的に低俗な和解と融和のエピソードを採用したのか疑問に思った。
同じ違和感を、「グラン・トリノ」や「硫黄島からの手紙」にも感じたが、もちろん、この前二作を含め、今回の「インビクタス/負けざる者たち」も、けっしてわるくはない映画だった。モーガン・フリーマンの優雅な雄弁家ぶりを見るだけでも価値があることは間違いない。
サックスを3本、フルート1本を一人が演奏するからいっても、世界びっくり人間の登場ではありません。
Roland Kirk Quintet - Three For Festival / Volunteered Slavery@ Bologna 1973 pt2