新幹線は「疎開列車」
昨日、4月8日(金)、内幸町を歩いた。日比谷公園の櫻は満開であった。多くの人が亡くなったが、また櫻は咲いた。しかし、人は少ない。思ったより、多くの人々が東京から「疎開」しているのではないか。そんなことを思った。休日の都心のように、閑散とした印象だ。
私も「疎開」には賛成だ。少なくとも、妊娠している女性や乳幼児、少年少女はそうしたほうがよいと思う。
地震はもちろん、大津波も「想定外」ではなく、福島第1原発事故も、津波が来る前に、震度6の地震で破損したことが明らかになり、いまや、「想定外の破壊」という言葉が生きているのは、日本の統治機構だけになっている。
福島第1原発の無残に破壊された姿は、日本の統治機構そのものに見える。あれはまさしく、私たちの政府の姿だ。
そして、福島第1原発は、ただ今現在も、絶え間なく、空を海を毒物で汚染し、首都圏もけっして安全とはいえない。子どもや家族の健康を守るために、東京を離れることは奨励されるべきだ。私も近親に、妊婦や子どもがいれば、やはり、「疎開」させるだろう。もちろん、健康に影響はないかもしれない。が、影響があるかもしれない。
国や政府が、「想定外」というのは聞き飽きたし、「想定内」といわれても、とても信じる気にはなれない。
いずれにしろ、国や政府の責任を追及しても、失われた健康が戻ってくるわけではない。10年、20年、30年後に、成長した子どもにガンを病む例が頻出しても、その因果関係を証明することはできない。65年前の広島長崎の「原爆病」や54年前の「水俣病」ですら、いまだに患者の認定問題は争われている。
福島第1原発から由来の放射能物質に、荷札が付いているわけではないのだ。
しかし、政府の「ただちに健康へ影響はない」という言葉を信じ、あるいは、その言葉に従うことにして、いつもと変わらず首都圏で働き続けている人々も、たくさんいる。
天皇、皇后両陛下は、30日、福島県いわき市などから避難した約300人が身を寄せる東京都足立区の東京武道館を訪れ、8日には、埼玉県加須市の旧県立高校に集団避難した福島県双葉町の住民を訪ね、お見舞いをされた。また、皇太子ご夫妻も、6日、調布市の味の素スタジアムに、福島県いわき市などから身を寄せている140人の被災者を激励された。秋篠宮ご夫妻も、14日にも新潟県内の避難所を訪問されることを明らかにされている。
気になるのは、皇太子ご夫妻の愛子内親王、秋篠宮ご夫妻の眞子・佳子内親王、悠仁親王は、「疎開」されているのか、ということである。