『アホでマヌケなアメリカ白人』(マイケル・ムーア 柏書房)
『狼の血』(鳴海 章 光文社文庫)
『日本文学盛衰史』(高橋 源一郎 講談社)
『アホでマヌケなアメリカ白人』はBookoffで。すでに文庫になっています。
同じ店で『Newsweek 日本語版 映画ベスト100』を同じく100円で売っていたので併読してみて、2つのことがわかった。「わが心のベスト100」を書いているアメリカ人のデビッド・アンセンという映画記者の選定に、俺はさほど違和感がなかった。つまり、俺の映画の好みは平均的なアメリカの映画好きと似ている。ハリウッド映画に出てくる、背が高くてハンサムで、目にも止まらぬ右フックを繰り出す、プール付きの家に住む金持ちのアメリカ人になれたみたいで、ちょっと嬉しい。
とニヤついていたら、だらしなくデブついた眼鏡男のマイケル・ムーアに鼻先で放屁されたような気持ちになった本が、『アホでマヌケなアメリカ白人』である。こういう下品極まるタイトルと装丁に加え、くだけすぎてアル中の繰り言のような翻訳の本について、こうした紹介の仕方はまことにそぐわないと思うが、アメリカについて何か考えたり書いたりするときには、必ず参照すべき必読文献であると思う。
アメリカについて何か考えたり書いたりしない人にとっても、日本について何か考えたり書いたりする場合は、やはり必読すべき重要な本だと思う。東経123度~147度、北緯24度~46度に位置するこの小さな島国が、こんなにデタラメで非道なアメリカの属国であることに甘んじなければならない理由を何とか見出すためだ。見出せなかった場合、日本について何か考えたり書いたりすることはできなくなるだろう。
『狼の血』については、わるくない小説だと思う。しかし、『アホでマヌケなアメリカ白人』を読んだ後では、その抑圧と鬱屈の無理が目立つのだ。だって、彼の国に比べれば、日本はずっとましな国だもの。いずれ感想を書くつもりですが、深読みすると別なモチーフが現れるかもしれない。
『日本文学盛衰史』。堂々たる箱入り515頁。明治の文豪たちが現代人のように語りはじめて、圧倒的なおもしろさ。「巻置くに能はず」。読み出したら止められず、本を置くことすらできないという意味だろうが、俺の場合、本当におもしろい本に出会うと、すぐに読むのを止める、また取り出して少し読み、すぐ止める。アイスクリームを周りからちびちび舐めていく子どもと同じになる。『日本文学盛衰史』は久しぶりに読むのが惜しくなる本だ。これもいずれ。
『狼の血』(鳴海 章 光文社文庫)
『日本文学盛衰史』(高橋 源一郎 講談社)
『アホでマヌケなアメリカ白人』はBookoffで。すでに文庫になっています。
同じ店で『Newsweek 日本語版 映画ベスト100』を同じく100円で売っていたので併読してみて、2つのことがわかった。「わが心のベスト100」を書いているアメリカ人のデビッド・アンセンという映画記者の選定に、俺はさほど違和感がなかった。つまり、俺の映画の好みは平均的なアメリカの映画好きと似ている。ハリウッド映画に出てくる、背が高くてハンサムで、目にも止まらぬ右フックを繰り出す、プール付きの家に住む金持ちのアメリカ人になれたみたいで、ちょっと嬉しい。
とニヤついていたら、だらしなくデブついた眼鏡男のマイケル・ムーアに鼻先で放屁されたような気持ちになった本が、『アホでマヌケなアメリカ白人』である。こういう下品極まるタイトルと装丁に加え、くだけすぎてアル中の繰り言のような翻訳の本について、こうした紹介の仕方はまことにそぐわないと思うが、アメリカについて何か考えたり書いたりするときには、必ず参照すべき必読文献であると思う。
アメリカについて何か考えたり書いたりしない人にとっても、日本について何か考えたり書いたりする場合は、やはり必読すべき重要な本だと思う。東経123度~147度、北緯24度~46度に位置するこの小さな島国が、こんなにデタラメで非道なアメリカの属国であることに甘んじなければならない理由を何とか見出すためだ。見出せなかった場合、日本について何か考えたり書いたりすることはできなくなるだろう。
『狼の血』については、わるくない小説だと思う。しかし、『アホでマヌケなアメリカ白人』を読んだ後では、その抑圧と鬱屈の無理が目立つのだ。だって、彼の国に比べれば、日本はずっとましな国だもの。いずれ感想を書くつもりですが、深読みすると別なモチーフが現れるかもしれない。
『日本文学盛衰史』。堂々たる箱入り515頁。明治の文豪たちが現代人のように語りはじめて、圧倒的なおもしろさ。「巻置くに能はず」。読み出したら止められず、本を置くことすらできないという意味だろうが、俺の場合、本当におもしろい本に出会うと、すぐに読むのを止める、また取り出して少し読み、すぐ止める。アイスクリームを周りからちびちび舐めていく子どもと同じになる。『日本文学盛衰史』は久しぶりに読むのが惜しくなる本だ。これもいずれ。
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