コタツ評論

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なんで、こんな映画つくっちゃったのか

2010-01-26 23:29:00 | レンタルDVD映画


HACHI 約束の犬
http://www.hachi-movie.jp/

「ハチ公物語」のリメイクとは思えぬ佳作である。主演のHACHIがすばらしい。不覚にも涙が・・・。単純過ぎるストーリー、登場人物を掘り下げない、犬を擬人化したエピソードをつくらない、まるで犬が語ったかのような、きわめて抑制した展開にとどめている。

飼い主やその家族、HACHIを見守る駅の人々は、HACHIを家族や友人として遇するが、HACHIは、「七人の侍」の寡黙な剣の達人・宮口精二のように無表情。ただ、主人から受けた恩義への忠誠しかない。女子ども目当ての「お茶目」「カワイイ」マーケティングから逸脱した、かなり異色な動物映画になった。

「パーカー、君がHACHIを見つけたのではない。HACHIが君を見つけたのだ」

ある意味、究極の擬人化かもしれない。あの巨匠ラッセ・ハルストレム監督にそんな映画をつくらせてしまったのは、秋田犬ハチのたたずまいとしか思えない。映画は、やはり、役者で観るものなのだ。しかし、ハチには、アメリカの郊外町がそぐわない。雪深い白神山地に、マタギと歩いている俯瞰が似合う。

(敬称略)

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