知り合いのTさんが上京され、宿泊しているホテルで着付けをしてきました。東京で毎冬に開催されるホテルの食事会に着物で参加するときに、私に着付けを依頼してくださいます。
いつも事前に「こんな着物を着るつもりで、帯は…、小物は…」と相談されるのですが、今回は紺色の着物にオレンジ色の帯、半襟は若草色にピンクの桜の刺しゅう」と聞いて、何でもない白の半襟も用意したほうがいいのでは?とアドバイスしました。
「普通の白い半襟だと、とても地味になってしまうので」とのことでしたが、オレンジ、若草、ピンク…って色が散らかって見えないかしら、と心配になったのです。
でも、実際に目にしてみると半襟の若草色はごく薄く、ピンクの刺しゅうはぽってりと大ぶりで大人可愛いものでした。何より帯のオレンジ色を古くさいように思っていたのが、帯の老舗・京都の龍村の織り袋帯で、派手な色合いなのにとても上品で古典柄なのにモダン。さすが龍村ですね~。
↓着物は江戸小紋なので写真だと無地に見えますが、よ~く見ると小さな小さな大仏様の柄! 写真では半襟の刺しゅうが見えませんが、たしかに白い半襟だと、いくら帯が華やかでも襟元がTさんには地味になりそうでした
↓Tさんは小柄なので二重太鼓はやや小ぶりに、その分たれを長めにして華やかに。帯のオレンジ色、実物はもう少し濃くて鮮やか
Tさんはやせ型ですが補正はせず、襦袢には伊達締め1本、着物には腰ひもとコーリンベルト各1本と最低限のものしか使わないらくや流の着付けです。