バス運転士のち仕分け作業員のち病院の黒子 by松井昌司

2001年に自分でも予想外だったバス運転士になり、2019年に某物流拠点の仕分け作業員に転職、2023年に病院の黒子に…

ボケてる私にお爺さんの助け

2012年05月11日 23時03分43秒 | バス運転士

某地区巡回バスでグルグル~っと、その地区の北から南まで回って… その時、いつの間にか唯一の乗客になっていたお爺さんが、運転席の横まで歩いてきて「某大手スーパーへ行きたいんだけどね」と私に話し掛けた。

私が「えぇ~っと… この辺り(この地区の南の方)にはなかったような… 最近、走り始めたばかりなので…」と答えると、お爺さんは「私も、引っ越してきたばかりなんですが… 確か、☆☆駅へ行く途中にあったと思うんだけど…」と言ったのである。

「☆☆駅へ行く途中ということは、この地区の北の方ではないか!」と思った私は、すぐに頭の中の地図を開こうとしたのだが… 運転中ということもあり、まったく考えることができなかった。そこで、長い赤信号の間にカバンから“本物の地図”を取り出して開いてみた。

すると、そのスーパーはすぐに見つかった。先月から、私は何度もその前を通っていたのに… なんと、今日も通ったばかりだったのに… なぜ、すぐに思い浮かばなかったのか… ホント、自分の馬鹿さ加減に呆れてしまった。

私は「とりあえず終点の某駅で降りてもらって、すぐにこのバスがそのスーパーの方へ行きますので、再び乗って下さい」と話したのだが、お爺さんは「今日は行かない」という感じで「ありがとう」と言いながら降りていった…

バスを待機場所に止めた私は地図を見直して、某大手スーパーの位置を復習して… その後、バスを乗り場に着けた。そして、発車まで1分を切った頃、一人の男性が走ってきて「このバスは○○停へ行きますか?」と言ったので、私は「いいえ、行きません」と答えた。

すると、男性が「某大手スーパーの方へは行きませんか?」と言ったので、「あぁ、行きますよ! このバスで行くと、4つ目の△△停になります」と、“ついさっき追試を受けたばかりの私”は自信を持って答えることができた。

もしも、お爺さんと男性の順番が逆だったら… もしも、お爺さんが乗っていなかったら… 私はその男性に「分かりません」と答えて、某駅に置き去りにしてしまったかもしれない。ふぅ… 私の方こそ、お爺さんに「ありがとう」だよなぁ…