【ふたりとひとりのワインとチーズ】
乳に酵素や菌を加えて固めただけの、熟成をさせないチーズ。モチモチ
とした柔らかなおモチのような形やペースト状をしていて、豊富な水分
とクセの無い風味が特徴です。お料理の材料や、サラダなどにもよく使
われる。代表的なチーズには、マスカルポーネ、モッツァレラなどのフ
レッシュチーズ。これに合うのがフルーティーで果実味豊かな白(リー
スリング・ソーヴィニヨンブラン)、フルーティーで軽めの赤(ガメイ)
だとか。これならベストマッチのふたりにはぴったりだ。
チーズの形を作る際に青カビを埋め込んで熟成させる青カビチーズ。ピ
リッとした風味、濃厚で強い塩味と独特の香りが特徴だ。生クリームで
のばしてペンネなどのソースにも利用できるという。ゴルゴンゾーラ、
ロックフォールなどで甘口で濃厚な味わいの白(ソーテルヌ)などいい
といわれるが、強烈な個性なわたしにはこれがぴった。ひとりで楽しむ
には最高だ。
今夜は特に刺激が欲しい二人には、ハードタイプがおすすめ。熟成期間
が長くその長さが濃厚な味に仕上げる。ミモレット、パルメザン、エメ
ンタールなどだが、タンニンが豊富な赤(サンジョベーゼ・メルロー)、
フルーティで軽口な白(シャルドネ)が似合う。それでは今宵はハード
に行くとしよう。もっとも、いやきみは往くのだがね。^^;
アルテミスのアバター
【原子力電池と宇宙船】
原子力電池の専門家のアルテミスは浮かぬ顔をしている。アポローンは
どうしたのだとたずねると、原子力推進方法の宇宙移動の研究が暗礁に
乗り上げているのだという。放射性物質拡散による汚染の制御と巨大な
出力の制御がないのだと。ダイダロス計画の核融合推進では、減速制御
方法が確立していないという。無人観測機では電磁気推進が有利で、イ
カロスのように非反動質量系の太陽帆やマグネティックセイルの開発研
究が先行する情勢だ。実際に2008年まで、天体の万有引力を利用するス
イングバイを使ったユリシーズが運用されていたが、これには、搭載機
器は粒子や塵を計測する装置で、電力はプルトニウム238の放射壊変によ
る熱で発電する原子力電池 (RTG) で供給されている。
もっとも、レーザ核融合ロケットなどは出力が制御ができ有力な推進機
構には変わりがないがと気を取り直し、アルテミスは付け加えた。しば
らく沈黙が続き、アポローンは、ベゴニアも同じようにこのガイヤでの
利用研究を行っているので相談に乗ってあげて欲しいと言った。放射能
物質の終末処理が決まらないと商用ベースなシステム展開は無理だし、
いま現存する原子力発電の保有数をミニマムにして研究開発を続けるし
かないと、小さな声で付け加えると、アルテミスはすかさず、つまり、
‘原発バブル’がはじけたのよねと言って両手を挙げ肩を竦めた。
アポローン
神とは、高度な自然のメカニズムの実体のことである 野沢重雄