テレビで‘ランドリーリング’なるものが紹介されていて、例によってネッ
ト検索をはじめる。ガイアワークスなどがから販売されているのもので洗剤
がいらない固形洗濯媒体だということがわかった。10年前程前にトルマリン
効果などで噂になった磁気処理水系だとわかる。磁気処理水(magnetic wat-
er)とは、磁気により磁化されたと称する水のことである。磁気活性水とも
呼ばれる。単に活性水あるいは、磁気水や磁化水ともいわれる。根拠のない
効用をうたう磁気処理装置の販売業者があり、2005年には取扱業者に対して
公正取引委員会による排除命令もだされている。磁気が水に与える効果につ
いてはいまだ不明な点が多い。
歴史的にはすごく古く、水を磁気で処理することは13世紀でも行われていた。
1945年、ベルギー人が湯垢削減の特許を取得した。水道管などに磁気をかけ
ると錆や水垢が防止されるという研究は旧ソビエト連邦などで行われていた
が、1977年にロシアのヴェ・イ・クラッセンによって『水の磁気処理』が発
行された](邦訳は1984年に出版)。この『水の磁気処理』が注目され、多
くの学者が追研究を行っていったとされる。一時期だが、他ならぬこのわた
しも研究開発の課題として一時期取り組んだこともあるが目立った効果は確
認していない。
【水クラスター論】
一般に、クラスターが大きくなって、活性の低下した水に、例えば遠赤外線
や金属イオン、電位、磁力、超音波等を与えてクラスターを小さくする装置
が種々提案されている。例えば、多数のセラミックス粒子を充填したセラミ
ックスカラムを管路内に配置し、これを水道管に接続するものだ。この様な
形式の活水化装置では、供給される水流によってセラミックス粒子が流動化
され、粒子が互いに衝突或いは、摩擦してその摩擦圧力、電気エネルギー等
によって水が活性化されるというものだ。その根拠は、水分子が電気陰性度
の大きい酸素原子に電気陰性度が小さい水素原子が2個結合し、それが折れ
線構造をとっている。
その構造上、酸素原子にはδ-、水素原子にはδ+といった極性を有する。
水分子は、近くの水分子と負に帯電した酸素と正に帯電した水素の間で水素
結合を作り、それにより巨大な分子集団である。クラスターは H2Oが n個、
上述のようにδ−とδ+によって結合しているが、この結合は 6Kcal程度と非
常に弱く、磁場の働きで容易に分離するために水の特性が変化するのではな
いかという。また、水の特性の変化は磁気の影響でクラスターが小さくなっ
たからであるという説明もある。磁気活性水の推進者などは、クラスターの
大きさは自然界の水で12個程度、水道水で40個程度であり、磁気をあてるこ
とによって水分子6個以下まで細かく分解し、これにより水の浸透性・生物
への吸収性・物質の溶解性が向上するというが、再現性のとれた技術報告が
なく、いまだ化学上の未解決の問題されている。
ただ、‘ランドリーリング’は下記の新規考案などと異なり、水などの流体
を水磁気処理装置内部を流通させるのだが、これは磁性リングを洗濯水に直
接投入して処理するというのが異なるところで、同様に、ポリプロピレン樹
脂などの中空ボールに磁石や粒状セラミックスを入れたものが販売されてい
る。
【公開番号】特開平10-314751
【公開日】平成10年(1998)12月2日
【発明の名称】水活性装置
水活性装置では、所定長さに形成した合成樹脂製のパイプの内周にトルマリ
ン製のパイプを配設すると共に、合成樹脂製のパイプの外側に複数個の永久
磁石を磁極を異ならせて対向配置したので、水分子のクラスターが小さくな
り、水の表面張力が低下し物質の溶解力が向上する。また、水道水は、トル
マリン製パイプ内を流れるだけなので、従来の流路内にセラミックス粒子が
浮遊している場合に比べて、圧力損失が極めて少ない。更に、処理する水道
水の流速に影響される事もない。これは、水道水が速い速度で流れた場合、
磁力線を切断する速度が速くなり、それに比例して強い作用を受ける為であ
る。一方、速度が遅くなると、装置内での滞留時間が長くなり充分な作用時
間が確保できるからである。したがって、本発明の水活性装置により製造し
た活性水を飲食用に使用した場合、浸透性の向上により、出汁やお茶、コー
ヒーの出が良くなりおいしくなる。更に、熱伝導率の増加により、調理時間
が短縮でき、料理に費やす時間と、エネルギー節約する事ができる。また、
雑菌の繁殖が抑制でき食中毒の予防にも役立つ。
水活性装置によって作った活性水を食器や野菜の洗浄に使用した場合、溶解
力及び洗浄力が向上するため、食器等に長年の使用によってこびり付いた汚
れを少しづつ溶かし、美しく甦らせる事ができる。また、野菜や果物の残留
農薬も溶解力及び洗浄力の向上によって安全に除去する事ができる。一方、
手に優しく肌荒れを抑制する事ができる。
図1
水活性装置によって作った活性水を洗濯に使用した場合、向上した洗浄力に
よって洗剤の量も少なくて済み経済的である。また、洗剤の溶けも良く洗濯
物の汚れの落ちが良いと共に、殺菌効果を発揮するので衛生的である。また、
トイレに使用した場合、活性水の殺菌効果によって臭いの素となる細菌の繁
殖を抑制し、トイレを清潔に保つ事ができる。更に、トイレの水垢を取り除
き、清掃作業も楽になる。水活性装置によって製造した活性水を、お風呂に
使用した場合、肌に優しく、敏感な肌の人でも安心して入浴する事ができる。
また、浴槽や洗い場に汚れの付着が少ないために、カビの発生及び嫌な臭い
の発生を未然の防止する事ができる。また、活性水の殺菌作用により雑菌の
繁殖を抑え、お湯の汚れを防止できるので、同一水を何回も沸かしなおして
使用できる。
水活性装置によって製造した活性水を、動物に使用した場合、ペットの便臭
が緩和され、室内で飼育しても人間に悪影響を与える事がない。また、植物
に活性水を与えた場合、成長を促進すると共に、切り花等の日持ちをよくす
る事ができる。永久磁石を、ネオジウム、鉄、ボロン等から構成した場合、
4666G(ガウス)の強力な磁力を得る事ができ、水の活性化を大幅に増幅す
る事ができる。また、磁石は、磁性体金属から成る筒状体で囲蔽保持した場
合、永久磁石からの磁力を弱める事なく、トルマリンパイプの周囲に作用さ
せる事ができる。
水活性装置は、トルマリンと永久磁石の作用を利用して、所定長さに形成し
た合成樹脂製のパイプの内周にトルマリン製のパイプを配設すると共に、合
成樹脂製のパイプの外側に複数個の永久磁石を磁極を異ならせて対向配置し
たことを特徴とするものである。永久磁石は、ネオジウム、鉄、ボロン等か
ら成ることを特徴とするものである。また、磁石は、磁性体金属から成る筒
状体で囲蔽保持する。
トルマリン(Tourmaline)は、ホウ素を含むシクロケイ酸塩鉱物であり、化
学成分によりドラバイト、ショール、リチウム等に分類される。この内、ド
ラバイトトルマリン(Dravite Tourmaline)は、Mg(マグネシュウム)を
含み苦土電気石とも称される。また、ショールトルマリン(Schori Tourma-
line)は、Fe(鉄)、Mn(マンガン)を含み黒色で不透明な鉱石で、鉄
電気石とも称される。また、リチウムトルマリン(Lithium Tourmaline)は、
Li(リチウム)を含み、リチア電気石とも言われる。トルマリン鉱石を組
成する元素には、Na、Fe、Mn、Al、Li、Mg、B、Si、F、O
H、K、Ca等があり結晶体となっている。このトルマリンは、極性結晶体
であり、結晶表面に圧力をかけると、電荷を生じる、ピエゾ効果、結晶表面
を加熱すると、電荷を生じるピロ効果等を有している。
トルマリンを微粉末にしてもその結晶の両端にプラスとマイナスの電極が現
れ、3μm程度の結晶にしても尚かつプラスとマイナス極が現れる。更に、
粉末が小さい程、静電圧は高まり、黒トルマリンは、0.3ミクロンで百万ボ
ルトにまで達する。トルマリンは水分に触れると瞬間的に放電し、これによ
り、水分は軽い電気分解を起こす。この電気分解によって、水はアルカリ化
するが、微弱電流であるために弱アルカリ化して、限りなくPH8に近付く。
更に、電気分解の際に発生した水酸イオンは、周囲の水分子と結合してマイ
ナスイオン(界面活性物質)となる。本発明は、トルマリン鉱石のこれらの
作用効果を利用して、水道水の活性化を図るものである。
図2
また、マイナス電子であるヒドロキシルイオンは、体液を弱アルカリ性に調
整すると共に、新陳代謝を活発化する。更に、トルマリン鉱石は、粉体粒度
によって細胞活性、抗菌作用、殺菌作用と云う三つの矛盾した働きをする。
一方、永久磁石は、磁力によってあらゆるイオンを活性化し、分子運動を活
発化させる。この為に、水の表面張力が減少し、浸透性が増加する。
実施例について、図面を参照しつつ説明する。図1は実施例である水活性装
置を示す斜視図、ここで、水活性装置1は、合成樹脂製のパイプ2の両端に
接続用のパイプソケット3が嵌合されている。パイプ2は、例えば水道用の
塩化ビニール樹脂等で構成されている。また、真鍮等の金属で構成されたパ
イプソケット3の基端部には締め付け用の六角ナット4が形成されている。
したがって、水道管等と接続する場合は、この六角ナット4を使用して螺子
を締め付ける。更に、パイプ2及びパイプソケット3の内側には、押さえ用
のパイプ2aが挿通されている。この押さえ用のパイプ2aによって、トル
マリン製パイプ8の端部が押さえられている。
六角ナット4は、座金5及び天然ゴム製のパッキン12を介して、ステンレ
ス製の枠体6に固定されている。パッキン12は、3個のフランジ12a,
12b12cを有しており、枠体6の外側にフランジ12aが内側にフラン
ジ12b,12cが配設され、外側から座金5が、内側から押さえ板13が
押圧している。両端の枠体6は、磁性体金属、例えば鉄から成る筒状体7に
嵌合されている。また、筒状体7の表面は、錆止めの為に塩化ビニール樹脂
14で被覆されている。これによって、筒状体7の表面の防錆が図られる。
トルマリン製パイプ8は、トルマリン鉱石を微細粉末にしたものを、筒状に
成型したものである。粉末の粒径が小さい程静電圧は高まり、黒トルマリン
鉱石では、0.3ミクロンの粒子にした場合では帯電電荷が百万ボルトになる。
パイプ2の両側には、複数個の永久磁石9が極性を異ならせて対向配置され
ている(図1、2)。永久磁石9は、ネオジウム、鉄、ボロン等から構成さ
れ、4600ガウス程度の磁束密度をもつ。この永久磁石9によって、イオンが
活性化し分子運動が活発化する。また、図2のように永久磁石は、磁性体金
属から成る筒状体7の内側に固定された位置決め板15で位置決めされている。
図3
トルマリン鉱石が効力発揮するための条件として、以下のようなものが知ら
れている。
1)トルマリン鉱石の周囲に空気の対流が起こる事。
2)温度差が存在したり、光が供給される事。
3)水分が存在する事。
4)圧力や抵抗が加わる事。
5)トルマリン鉱石に何等かの摩擦が生じる事。
上記条件の内、主に3)~5)の条件を利用している。次に、以上のように
構成された水活性装置1の作用効果について説明する。先ず、図3の水活性
装置1の両端のパイプソケット3,3を水道管10に取り付け内部に水道水を
流す。トルマリン製パイプ8が水分に濡れて、帯電していた電位が瞬時に放
電する。この放電により、水分は軽い電気分解を起こし、水の分子(H2O)
は水素イオン(H+)と水酸イオン(OH-)に分離する。その際、プラスイ
オン(H+)はマイナス電極に引き付けられ、そこから放出される電子と結
合て水素ガスとして空気中に放出される。水分中の水酸イオン(OH-)が
増加、アルカリ化する事となる。しかし、微弱電流であるため、水分は弱ア
ルカリのPH8に近づく。
一方、水酸イオン(OH-)は、周囲の水の分子と結合してヒドロキシルイオ
ン(H3O2)と云う界面活性物質となり、このヒドロキシルイオン(H3O2)
が単分子膜を作り、これによって界面活性効果を生じる。ここで生じた、ヒ
ドロキシルイオン(H3O2)は、人間の体内に入った場合に電気抵抗の低い、
所謂ツボと云われる部分に作用し、体液を弱アルカリ性に調整したり、或い
は新陳代謝を活発にする。また、界面活性化した水道水は、浸透性や洗浄力
が向上するという。
水活性装置によれば、水のクラスターが磁力及びトルマリンの作用によって
短く(小さく)されるので、水の活性を向上する事ができる。以上のように、
水道管に接続して使用した場合、内部を流れる水道水によってトルマリン製
パイプが物理的に摩擦される。これによって、トルマリン製パイプは、帯電
作用を生じ、帯電した電荷は、水道水に触れる事により放電し、水の電気分
解を行う。また、水道の蛇口の開閉によってトルマリン製パイプに圧力変動
が生じる。この圧力変動は、トルマリンにピエゾ効果を起こさせ帯電させる。
帯電した電荷は、同様に放電して水の電気分解を行うとされる。
【疑わしきは使わず】
結論的には科学的根拠が薄く、米国でも警告されている代物なので、購入し
ないことに。ただし、水のクラスター論に対しては研究を続ける必要がある。
といっても自分が直接乗り出し研究することは直下ではないだろう。本当に
効果があるのであれば省エネ商品として大ヒット間違いないだろうが。