極東極楽 ごくとうごくらく

豊饒なセカンドライフを求め大還暦までの旅日記

耐複雑系気象な農業

2011年09月02日 | 新弥生時代

 


【エネルギーのソフト模様】

原発立国フランスも再生可能エネルギーの導入は本気だ(「環境ビジネス」2011.10)。
2007年10月、フランス大統領はグルネル環境会議(環境分野の関係者を交えた公開会合
を開催、再生可能エネルギーの発展の促進に意欲的であることを強調。エネルギー政
策を集中型から分散型ヘシフトし、再生可能エネルギーの導入が推進する。グルネル
環境会議での議論を受け、2009年2月に「再生可能エネルギーの役割を大幅に拡大させ
るための50の実行計画」が議会で可決された。2020年までに太陽光発電システムの累積
導入量を5.400MWとすることが決定され、5~20MWの大規模太陽光発電所をフランスの
各地方行政府において建設する計画(合計300MW)も提案。2009年12月には原子力庁(C
EA)が、従来の役割だけでなく再生可能エネルギーの研究も担うことが決定されフラ
ンス原子力・代替エネルギー庁に変更。フランスが欧州委員会(EC)に対する公約の、最
終エネルギー消費のうちの23%を再生可能エネルギーにするという目標達成にも資す
るものであるという。

こうした政府の方針を背景に、図1に示すようにフランスでは太陽光発電・システム
の導入量が年々増加している。2009年には前年導入量104.5MWの倍増以上の250MWの太
陽光発電システムが導入。2010年の導入量はこれを上回る729MWが導入された。フラ
ンスにおける市場の成長は、フィードイン・タリフ制度と住宅用太陽光発電システムを
導入した個人に向けた税額控除制度(設置する機器のコストの25%)によるもの。フ
ランス政府は、2020年までの導入目標が早期に達成可能であること、また、市場の急激
な拡大を防ぐために、市場の発展状況に合わせてフィードイン・タリフ(FIT)制度の
変更を実施(2011年の3月に改正)されている。



これによると、建物―体型の設置に対して電力の買い取り額を高額に設定し建物への
導入推進している。エコロジー・エネルギー・持続可能な発展・国土整備省は、2020年ま
での達成を目指していた太陽光発電累積設置容量5.4GWは前倒しで達成が可能だとして
2015年よりも前に達成可能との予測もあるという。 

  

【薄膜はネオコン模様】

産業技術総合研究所と住友精化、東京理科大の研究グループが30日、粘土と耐熱プラ
スチックを原料に、加熱しても大きさの変わらない耐熱フィルムを開発するとともに、
ロール品生産に成功したと発表した。携帯型の情報端末機器に用いられる基盤材料へ
の活用や、太陽電池パネルの裏側に貼り保護する「バックシート」への利用などが期
待される。太陽電池に利用すると、約20年の従来の耐久性が約40年以上に伸びるとい
う。開発したフィルムの耐熱温度は約450度。約350度まで加熱しても、従来のプラス
チック系フィルムのように膨張、収縮せず、水蒸気もほとんど通さない特長を持つと
のこと。

ところで、食品、医薬品、化学薬品などに用いられる透明なプラスチックフィルムは、
包装された内容物の変質を防ぐために、酸素、水蒸気などのガス透過率の小さい材質
のものが用いられていて、食品包装用には、ポリエチレン(PE)フィルム、ポリ塩
化ビニリデン(PVDC)、ポリオレフィン(PO)系ラップフィルム、ポリエチレ
ンテレフタレート(PET)フィルム、ナイロン系多層フィルムなどが使われる。医
薬品用としては、錠剤の包装にポリプロピレン(PP)が、また、工業用としては、
防錆を目的に、ポリビニルアルコール(PVA)が広く利用されている。酸素ガスバ
リア材として包装用に用いられているものに、ナイロン類、ポリビニルアルコール、
エチレン-ビニルアルコール共重合(EVOH)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)
が代表例。因みに、EVOHの酸素ガスの透過度は、0.3cc/m・day/atm(厚さ15
μm、23℃、0%RH)、PVDCの酸素ガス透過度は、1.0cc/m・day/atm(厚さ25
μm、23℃、0%RH) だが、
これらのプラスチック類の積層体包装材料は、高温また
は高湿下でのバリア性が低下し長期的な保存には適さないが、以下の技術的手立てを
講じることでガスバリア性、耐湿度性の優れた機能フィルムが実現できるというのだ。





(1)合成スメクタイトとカルボキシメチルセルロースナトリウム塩を成分とし、溶媒に
 水とアルコールを成分とするコーティング液(合成スメクタイト/カルボキシメチ
 ルセルロースナトリウム塩の重量比が40/60~60/40で、水に対するアルコール濃
  度が~30重量%で、固液比が1~10重量%、粘度10~1000m・Pa・s)の高分散性コ
 ーティング液を用いる。
(2)この合成スメクタイトの組み合わせは、過剰な副生電解質の硫酸ナトリウムを除去
 し、カルボキシメチルセルロースナトリウム塩の分子量は10万までで、使用するア
 ルコールは、エタノール、メタノール、プロパノール、及びイソプロパノールの1
 種また2種以上である。
(3)また、酸素ガスバリア材にはエチレン-ビニルアルコール共重合体(EVOH)以
 上のレベルのハイガスバリア性を有し、膜厚が0.5μmのコーティング膜の酸素の透
 過度は0.5/m・day/atm(23℃、ドライ酸素)で、ポリエチレンテレフタレート
 (PET)レベルの透明性を有し、基材との密着性に優れ、耐クラック性があり、
 180度折り曲げ試験で、剥離やクラックが発生せず、折り曲げ試験後も、エチレン-
 ビニルアルコール共重合体(EVOH)以上のレベルのガスバリア性をもつ、0.06
 ~0.5μmで、バーコーティング、ロールコーティング、スプレーコーティング、デ
 ィップコーティング、スピンコーティング、ラミナーフローコーティング、ダイコ
 ーティング、グラビアコーティング、ナイフコーティング、カーテンコーティング、
 ロッドコーティング、エアードクターコーティング、ブレードコーティング、コン
 マコーティングなどのコーティング方法で基材に塗布し製膜する。
(4)さらにこの膜上に、真空蒸着法、スパッタ法、イオンプレーティング法及びプラズ
 マCVD法などの積層方法で無機物を積層する。



【実施例】

あらかじめ硫酸塩などの副生電解質を洗浄し、除去した、合成スメクタイト(クニミ
ネ工業(株)製、合成粘土、低粘性スメクトン)1.4gに、蒸留水198.6gを入れ、2
時間振盪を行い、水分散液を作製した。そこに、CMCNa(ダイセル化学工業(株)
製)を1.4g加えて、さらに2時間振盪を行い、コーティング液を作製した。このコー
ティング液を、厚さ12μmのPETフィルム上に、ワイヤーバーでバーコーティング
し、乾燥することにより、コーティング膜を作製。厚みの異なった7種類のコーティ
ング膜を、PETフィルム上にコートし、50℃のホットプレート上で、数10秒間から
数10分間乾燥する。


太陽光発電パネルに使用すれば耐久性が40年とされているが、有機エレクトロニクス
製品の拡販にはシールド技術は不可欠。こういった技術努力が総合的にアドホックに
展開されていく日本の技術を持ってすれば短期間に解決できていくであろうと再確信
している。

混沌 (東京大学公開講座)


【複雑系の大規模気象変動】

気象変動を予測するには、海洋状態の関与がわからなければならない。その寄与率は
約70%だと知るのは、東京大学公開講座の『混沌』を読んだ1991年の夏だったと記憶
する。そして、1999年の夏、前の職場の構内を歩いていて大規模気象変動時代の到来
を肌で感じる。それから10余年事態はそれらを裏付けるかのように進行している。こ
の裏付け作業をスーパーコンピュータなどのデジタル機器が支えていることもまた現
実世界なのだ。



話は変わる。「農産物の高次化」(生育環境システムのアルゴリズム化)のイメージ
がつかめたので試験菜園熱も冷めて、方針転換する時期なのかもしれないなぁと思い
つつオクラのことを考えてみる」(『オクラ物語』)とブログで書き留めたが、気象
変動に左右されない農産物生産システムは後は書き出したら終いのことでその時間が
膨大なだけだとい思っていて、映画『アマデウス』のシーンを思い浮かべる。“おま
えはモーツアルトかよ”というわけではないが・・・。つまりは、家でいて簡単に品
種改良してしまう作業に入ろうかという方針転換なのだ何から手をつけたいいのか少
し考えてみたわかだ。



そのために、極少量の
農産物の試料を測定装置かければ数分程度でDNAが解析できるて
しまうとか、無機、有機成分の定性・定量が出来てしまう装置とか廉価で市販されれ
ばもうこれは革命的なツールとなる。海洋であれ、地下であれ、宇宙であれ人工的な
環境で農産物がたわわに実り共生するという時代イメージで、これまでの農産物生産
イメージとは異なる『デジタル革命』が全面波及した‘ライト・プラント・プロダク
ト’だ。そう農地をダウンサイジングしやがてイレージングという特性を持つという
いうもの。ともあれ、これか具体的に考えていくと言うことで今日はここまで。



※「遺伝子組み換え農産物について
※「日本人が作りだした農産物 品種改良にみる農業先進国型産業論

 

 

コメント
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